田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

シャガール展を観る

2007-10-27 17:33:15 | Weblog
10月27日 土曜日 雨
●雨の中を上野の森美術館にでかけた。色彩のファンタジー「シャガール展」を鑑賞した。確かに色彩の美しさにはこころうたれた。造形もさることながら、白、赤、黄色、青、緑の原色ともいえる色彩には感動した。とくに赤がよかつた。奥田玄宗の紅葉の赤を観た時以来の感銘を受けた。

●館内の喫茶店でカミサンとお茶した。カミサンは日本茶セット。わたしはコーヒーとクッキー。シャガールに興奮して大声で話をしていたので周りの人にはめいわくだったろう。反省しています。ごめんなさい。

●12月11日までやっているから、今度は孫娘をつれて来たいものだ。子供の時から絵を観る楽しみを教えてあげたい。気付いてい見たら昼食をとるのを忘れていた。

●二階の書斎で原稿を書いていた。
「ほら、ブラッキー。外をみてごらん。雨だ、雨が降っている。外に出るのは諦めてよ」
窓から闇に向ってじっと視線をなげかけていた。納得したらしくおとなしくなった。
わたしは、ブラッキーをそって床に置いた。しばらくはおとなしくしていた。疲れてうとうとしていると、ブラッキーがうるさくないている。こんどは、わたしが窓の外を見た。いつしか雨がやんでいた。
「早く帰っておいで。おかしなものたべるなよ」
そんなこといっても、猫にはわからない。よろこびいさんで、夜の狩にでかけた。ねがわくば、ネズミなどをくわえてきませんように。書斎の床を半死半生のネズミがはいずりまわるのはあまり気持ちのいいものではない。わたしの部屋だからいいようなものの、カミサンの寝室だったらすさまじい悲鳴をあげられるだろう。猫のほうがおどろいて逃げだすような悲鳴だ。

●わたしは二時間ほど前までいた都会の光を思っていた。ここには、この田舎住まいの周辺にはまだ闇がある。夜の闇をのそのそと、それでいて敏捷にブラッキーがあるいているさまを想像していた。ひとは、都会では夜の闇を征服してしまった。夜があることを、暗い夜のあることを忘れている。忘れようとしているのかもしれない。すさまじい勢いで、建築されていく高層ビル群を見るとそう思う。ビル群の照明を見ているとそこに生き生きと動いているひとたちがわたしからは遠いものに感じてしまうのはどうしてなのだろう。夜が更けていく。