田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

この恋はうまくいかない/超能力シスターズ美香&香世 麻屋与志夫

2011-02-12 10:49:21 | Weblog
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美香はじぶんだけの運命を生きはじめた。

じぶんとアンデイのことばかりおもった。
ほかのことは、あまり気にならなくなっていた。
ただ――指剣が使えないのがきがかりだった。
恋のために盲目になったわけではない。
この恋はうまくいかない。
悲劇に終わるとさえおもっていた。
だからせめていまだけでも。
アンデイのことばかりおもっていたかった。
恋によってもたらされた変化に身をゆだねていたかった。

アンデイは、吸血鬼だ。 
WVだからといっても吸血鬼にはちがいない。
年齢も??? 習慣もちがいすぎる。
でもそれがどうしたというの。
愛し合っていれば、それでいいてはないか。
愛はすべてを越えることができる。

真夜中までねむれなかった。
唇が、キスのあとでほてっているようでねむれなかった。
いままでとちがい〈愛〉について悶々とかんがえた。
それでなおさら目が冴えてしまった。
アンデイと毎日毎夜。
共に生活できれば。
アンデイをいつも身近にかんじていられれば。
どんなに幸せだろう。
アンデイのために、食事をつくり。
洗濯をして……そして、そして子どもをうんで、そだてる毎日。
わたしって、古い女の子だったのね。
アンデイと一緒ならどんなこまごまとした日常でも輝くだろう。
アンデイと日常はいつもきらきら、胸キュンの生活だろう。

アンデイはこなかった。
きょうも面会にきいくれるものときめていた。
まいにちあいにきてくれるものと、おもっていた。

それが、こない。
あらわれない。
さびしい。

なにかあったのかしら。
美香はおろおろしている。
おちつけない。
そして心配になってきた。
なんど携帯しても通じない。
そしておどろいている。
アンデイのことまだ何もしらない。
どこに住んでいるのかもきいていない。

どうしたらいいの?




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