田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

雪の朝、詩集と小説を読んだこと/麻屋与志夫

2011-02-13 04:53:49 | Weblog
2月13日 日曜日

プログです。

●昨日は、断続的に雪が降った。
雪の合間に、カミサンと街に出た。
すっかりトレードマークみたいになっている。
おおきなリックを背負い、ハンチング姿だ。

●ホームセンターカンセキ。
カミサンはすきなクリスマスローズを眺めていた。
ダブルの花をつけるものは高過ぎたらしい。パス。

●黒川の河川敷に下りた。
ヨークベニマルまで歩く。
府中橋の橋柱に駈けあがるエクササイズをしている若者がいた。
二人で声をかけあっていた。
あり余るほど時間のあるヤングがうらやましい。

●しばらぶりで、すき焼きでイッパイやりたくなった。
すこしぜいたくだが日光牛を買った。
ところが、ラッキーなことに四割引き。

●熱燗で一合。
お酒を飲むのはひさしぶりだ。
とはいっても、四日ぶりかな。
ゆっくりと時間をかけて飲めばいいのだろうが。
それができない。
いつも小説を書くのに追われている。
いつもせかせかしている。
つくづくビンボー性だなと思う。
わたしの場合は『症』かもしれない。
ここまできたらもうビョウキだ。

●夜半にめざめる。
室温は三度。寒い。
熟睡したので頭が冴えている。
英語の勉強を二時間ほどした。
新聞配達のバイクの音が響いてきた。
この寒いのに外で頑張っている人がいる。
GGも今少し――と老骨に鞭うち、小佐井伸二の『婚約』を読破。
同じ年の作家だがもうなくなっているのをつい最近知った。
すごくロマンチックな作品だ。

●GGも次回作は恋愛モノでもどうだろうなと……かんがえた。
さてこれからひとやすみして、超能力シスターズを書かなければ。

●そうそう、小林さんの詩集の跋をたのまれて書いた。

詩集の跋
 昔、小林さんが「陸封」という言葉にこだわっていたのを思い出した。あれは林功さんのやっていた「ロマン」という喫茶店の席だったろうか。末広館通りの街角にあった小さな店だった。ああ、この男は言葉を大切にする。やはり詩人になるべくしてなったのだなと感じたものだった。
 そして、いま小林さんの処女詩集のゲラがわたしの前にある。あれから30数年の歳月が流れている。
 プロメテイスが神より火を盗みひとびとにあたえたように、小林さんは詩神、ミューズよりキラメク言葉をかすめとり、その言葉を高々と掲げわたしたちに語りかけた。
 若いときのかれの水晶のように透明で高潔な詩を読むことは、わたしのよろこびだった。
 しばらくぶりで読む小林さんの詩はすごく平昜になっていた。関心の赴くところも〈お孫さん〉であったり〈母〉であったりしている。収穫の田、大芦川、天王橋、紫雲山千手観音。どうやらこの詩人の縄文火炎土器の世界にしめやかに弥生の風が吹きだしているようだ。コレマタたのしいことだ。
 宇都宮でデビュした蕪村が世界にはばたいていったように、小林守城も天空に飛翔していくだろう。より広大な詩の世界で活躍することになるだろう。
 蕪村の「葱買て枯れ木の中を帰りけり」という句をいま舌頭にころがす。ごく卑俗な日常の暮らし中に、詩情をみいだしている句だ。小林さんの詩には黒い土壌が現われ、日常的な風景が現われてきた。彼の詩に山狭の里のsoil、土を感じるようになった。それがsoulを揺るがすような感動をわたしたちに提供してくれる。
 あなたの詩は年齢を遡行してますます若くなっていくようですね。
 わたしは、小林守城と時代と場所を共有できることの喜びを感じている。

 さいごに、小林さんの詩「カンナと鞦韆」から好きな章節を紹介します。

影も皺もない風があたり一面に広がると
明るく利発な少女は向日葵のように
次の夏を想い描いた
顔いっぱいの種子が斜陽に首をかしげる頃
焔の青白い芯を構成してみせた

●小林守城さんの詩集は三月ごろ発刊の予定です。



●あれから、一睡して起きた。あたりに雪はあるものの心地よい快晴。タイトルは雪の朝のままにしておく。

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