田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

Vの大量発生を阻止せよ/超能力シスターズ美香&香世 麻屋与志夫

2011-02-24 10:18:32 | Weblog
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「やったね、美香」
と百子がうれしそうだ。

「香世さんも、すごかった。ふたりともすごい能力だ。
わたしはじめて合体したホースの念力みたよ」
と姉妹をアンデイが賞賛する。

「さあ、いくわよ。美香の能力完全復活キャンペーンの戦いよ」

エイドリアンの地獄の底からひびいてくるような歌声。
ひとのこころを狂わすような声。
ひとのこころを衰滅させるような声。
どこから流れてきているのかわからない。
音源もさだかでない。
ひとを狂わせ。
衰滅させるような。
地獄の歌声は鳴りやまない。

狂乱する群衆。
周囲で起きていることを理解できない。
なにが起きているかわからない。
平然とおどりくるっているグループ。
そして――いた。

ナイフを煌めかせてひとを刺して回っている。
ひとに切りつけている。
ジャンパーのフードを深々とかぶっている。
顔は見えないが。
歌声に操られている。
ことはたしかだ。
切られ刺されたひとたちに、吸血鬼が群れている。

「Vに噛まれただけでは、Vにはなりません。
喉の渇きにたえられず、ひとをおそい、
血を吸って――だからそのまえにとめるのです。ナイフ男はこうして……」

アンデイの空手チョップで男たちは倒れていく。
血を吸ってしまったものは消去。
哀れだが。
それしかない。

そして群衆の中に在ってクノイチ48がその本領を発揮している。
「Vバスターズ」
――の掛け声も勇ましい。
唇から血を滴らせているVを抹殺する。
倒されたVは粘塊となる。
蒸気あげてきえていく。
なにが起きているのか、だれも気づかない。
だからこそ、怖い。
放置すれば吸血鬼の大量発生となる。

美香&香世も百子たちに倣った。
念波をあてるとナイフマンたちはあっけなく失神する。

警察車のスピーカはひとびとに解散するように勧告している。
エイドリアンの大音量の歌声に邪魔されている。
翔子と純が走ってきた。
たくみにひとびとを避けて来る。
百子に近寄り「音源の場所見つけたわよ」



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