田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

野坂さんが亡くなった、麻屋はこれからまだまだだ。 麻屋与志夫

2015-12-11 11:51:46 | ブログ
12月11日 木曜日

●「十年命縮めてもらいます。そうすれば、安泰よ」
と妻がいった。
そうだよな。
全くその通りだ。
高等遊民のなれの果て。
戦後無頼派の底流をつねに漂ってきたGGには、
妻の言葉は天からの至言だ。

●………と書きだしたが、
これでは何を書こうとしているのか、説明が必要だ。
このところ、12月になって何かと物入りが嵩み、
無収入の老書生にとっては、
体のすくむ思いだ。

●それは不意に、猫の病気から始まった。
ブラッキがダニに襲われ――ダニに寄生された。
大げさな誇張した表現ととられるかもしれないが、
GGにとっては青天の霹靂だった。

●からだを夢中で掻いているうちに、
発疹(ブッブッ)ができ、
血がでても狂ったよに掻きむしり、
見ていられない惨状だった。
もちろん、放って置いたわけではない、
あらゆる、
ペットの薬を買って試みたが、
薬石効なし。

●これでもだめなら、動物病院だ! ということになった。

●やはり最初から、
病院に駆けつければよかった。
ブラッキは痒いのは快癒。
疥癬ができて、
かさぷた、
血まみれの状態となった。
それでも痒さには耐えられず、
血のにじむ箇所をパパパと掻いて、
さらに血がとびちる。
見るも無残な症状から回復した。

●その間、
GGはどうしていたかというと、
ブラッキとの同衾(ドウキン)は止めなかった。
同衾とはおなじ寝床にねることです。
ともかく、18年も一緒に寝ている猫との間柄だ。
疥癬ができたからとムゲニ、
愛猫のブラッキを拒絶することはできない。
おかげで、
GGもからだに発疹、
赤いぶつぶつができて、
上都賀病院の皮膚科にお世話になることとあいなった。
皮膚科にかかるなんて、
この歳に成って初めてだった。
「拷問の歴史」という本で読んだことがあるが、
痛みより痒みに耐える方が辛い。
ということが、
実体験として理解出来た。

●ブラッキが健康体にもどったと思ったら、
リリが食欲がない、
拒食。
鉄分が血液中にすくないとのこと。

●もう毎日、毎日、動物病院通い。
妻は歯科医院がよい。
廊下が老朽化したので、
妻の弟にムリにお願いして改造。

●先立つモノはお金。
その金額の総計に、
村八分の処遇だったので年金に加入していない、
無収入のGGはただひとりふるえあがっていたら、
……文頭の妻の言葉となった。
トホホホ。

●妻の食客の身分、
GGが早く死ねば、
たしかに解決することだ。
トホホホホホホホホホホ。

●妻の苦労をみかねているGGは、
ツゴウデ、
粗大ごみとして始末されても、
仕方ないと思っている次第。
子どもたちにも、
お母さんの老後はみてあげるけど、
お父さんは面倒はどうもね……。

●GGだって、
遊んでいるわけではない。
高等遊民などとは、
言葉のアヤでありまして、
必死で小説を書いているのだ。
寝食を忘れて精進しているのだ。
ミューズよ哀れなGGをお救いき下さい。

●GGのやっていることは、
狂気のさただ。
同世代の作家が、
功なり名を成して死んでいく現状に逆らって、
(野坂さんも死んでしまった)――
いまから文筆でお江戸に攻め上るなんてこと、
ソノキガイヤヨシ。
でも、
傍から見たら、
棺箱(がんばこ)に片足を突っつこんでいるような、
GGの高言することばではありませんよね。

●劈頭の妻の言葉と言い、
文末のGGの高言といい、
ふたりともいい勝負ですよね。
これで夫婦円満、
ケンカヒトツした事がないのですから、
オカシナ、
カップルです。
あまり仲がいいので、
Museが妬いて、
GGを助けてくれないのでしょうか――。 

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