田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

「リリならテーブルに上がってもいいわよ」  麻屋与志夫

2015-12-26 15:48:35 | ブログ
12月26日 土曜日

●「キャハハハ」とカミさんの華やいだ笑い声がする。
諸々のストレス要因が解消したので、彼女本来の姿にもどった。
動きもしなやかさをともなってきた。
人間とはふしぎなもので、
こころにわだかまりがあると挙措まで、
ぎくしゃくとしてしまう。

●わたしは携帯をとりだし彼女にかける。
「リリの準備はできたの」
「いま、リリと遊んでいるの。そろそろでかけますか」

●そうなのだ。
今日は、リリをS動物病院に連れて行く日だ。
たぶん、血液検査をもう一度するのではないかな。

●いい結果がでた。
「リリ。元気になってよかったね」
カミさんは涙声。

●「こがねちゃん弁当」買って帰ろうよ。
「寒くてかわいそうだから、リリとわたし先に帰る」
カミさんがリリの入ったバッグを肩に掛ける。

●弁当屋さんで待っていると、カミさんから携帯が。
「鍵がないので入れない。早くかえってきてぇ」
事情を説明して手早くしてもらった。

●弁当屋さのスタッフにお礼を言い、家に急ぐ。

●カミさんはリリのキャリーバッグを日向に置いてまっていた。

●リリは弁当のいい匂いに敏感に反応している。
鼻をひくひくさせている。

●「ゴメンな。リリ。リリが、食べられるものではないのだよ」

●わたしたちの食卓の周りを、リリが元気にあるきまわっていた。

●「リリだったら、テーブルに上がってもいいのよ」

清潔好きのカミさんが、
いままでの猫には決して許さなかったことを、
さらっと言ってのけた。


 
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羽生結弦君の滑走を見落とし、GGは思い出にふける。麻屋与志夫

2015-12-26 06:24:39 | ブログ
12月26日 土曜日

●フィギュアスケート:世界選手権代表選考会兼全日本選手権◇第1日◇25日◇北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ◇男子ショートプログラムをチョットだけみた。
羽生結弦選手はみはぐってしまった。
最後の滑走だろうと思いこんでいたのが、失敗だった。
ざんねんだった。
抽選で、出場順を決めたのでしょうか?

●さてと、みなさんは下駄スケートをみたことがありますか。
下駄スケートという言葉そのものを知らない人の方がおおいのかな。
もじどおり下駄にエッジ/ブレードをつけたものです。
わたしが旧制中学一年生の時に、
敗戦後初めての冬がやってきた。
幼稚園の裏、銭湯の前に宇賀神さんの畠があった。
そこに近所の悪ガキ仲間が川から水を引き込み氷を張らせた。
どこからもちだしてきたのか、みんなで下駄スケートをはじめた。
わたしの家には、姉のスケート靴があった。もちろん、皮製だった。
毎朝早く起きてすべったものだった。
このことはむかし、半世紀もまえに「抒情文芸」にかいたことがある。
そのうちに探して再録しますね。

●さてさてと、鼻緒に足をとおしただけでは滑れません。
鼻緒に別の紐で足を固定しました。
下駄の底に紐を回して、しっかりと足首に縛りつけた。
その紐がいくらでもわたしの家にはあったので、みんなに分けてやりました。
おかげでスケートをしているときだけは、だれにも虐められませんでした。
紐があるはずです。
わが家は野州麻でロープの製造をしていました。
わたしは、そもそもそのころのことを「野州大麻」というタイトルで小説に書きたかった。
小説家を志したひとつの理由、動機としています。

●それにしても、いまのような時代が来るとは想像できませんでした。
12歳の少年が氷上でスケートをしています。
すいすいと滑っています。
わたしのなかの思い出の堤が決壊して、
GGは目頭が熱くなり、
PCの文字が霞んでしまいました。

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