12月16日 水曜日
●ブラッキがわたしの前を素通りしてベッドにポンととびのった。
わたしは椅子を回転させて愛猫と向かいあった。
顔を逸らされる。
猫は正面から顔をあわせると、プイと視線をあらぬ方にむけてしまう。
そのそっけない態度がまたかわいいのだ。
●この二階の書斎の書棚の一番下には、雑誌が積んである。
爪とぎをその雑誌の背表紙でする。
ズタズタになってしまった。
でも――そんな爪とぎの仕草がかわいい。
●部屋にオマルがおいてある。
もちろん臭気がする。
でも気にならない。
●半世紀も猫とつきあっていると、
街に出て人の顔をみると、
奇妙な感じがする。
どうして人の顔は毛におおわれていないのだ。
などとバカゲタことを思ってしまう。
猫バカだな。
もうどうしょうもない、猫好きだ。
●リリは食欲がでた。
カミさんが食事を温めてやっている。
猫は猫舌というが、あまり冷たいものはいけないと知った。
わたしもお酒はいつも熱カン。
だんだん猫がわたしに似て来たのか、
書斎から三人ともでない。狭い空間でこのところ生活している。
いちばん家で暖かい場所を猫はよく知っているのだ。
「おいこら猫ちゃん。ふたりで、小説かくの手伝ってくれ」
それができないのなら、福を招いてくれよ。
福とはとどこおりなく原稿が売れることだと、
GG的にはそう認識している。
●「編集者を招き寄せてくださいな」
カミさんも、
同じようなことをかんがえていた。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
お帰りに下のバナーを押してくださると…活力になります。
皆さんの応援でがんばっています。
にほんブログ村
夏の日の水神の森
著者麻屋与志夫
150円(+税) (税込 162円)
超伝記の世界に生きる男の、朱色への恐怖がかもしだす心理サスペンス。あなたは、その裏に隠れていた恐怖に耐えられますか!
人狼よ。わたしはお前の早贄(はやにえ)なのか。保存食なのか。朱色の恐怖に慄く男は敵である人狼に怒りをたたきつける。その誕生のときより、悪霊のような人狼に狙われた男。三度の襲撃から辛うじて生き延びてきた。画家を志しながら成れなかった男。父に疎んじられ、学校の先生からも、クラスメイトからも、周囲のすべての人から迫害された男がたどり着いた出生の秘密。 朱色――あるいは鮮血の赤への恐怖は、生きながら血をながし人狼の生贄となるはずだった男の恐怖だった。餌とされ、生肉を咀嚼されたかもしれない記憶の底にわだかまる恐怖。超伝記ホラー作家を責め苛む恐怖の世界。そして、生涯優しい日本的な朱色を自然との調和を目指した三村節子画伯との思い出。美と醜。優しさと残酷さがいりみだれる世界。ラストに驚愕の事実が明らかになる。
カドカワ BOOK WALKER でぜひ読んでください。
●ブラッキがわたしの前を素通りしてベッドにポンととびのった。
わたしは椅子を回転させて愛猫と向かいあった。
顔を逸らされる。
猫は正面から顔をあわせると、プイと視線をあらぬ方にむけてしまう。
そのそっけない態度がまたかわいいのだ。
●この二階の書斎の書棚の一番下には、雑誌が積んである。
爪とぎをその雑誌の背表紙でする。
ズタズタになってしまった。
でも――そんな爪とぎの仕草がかわいい。
●部屋にオマルがおいてある。
もちろん臭気がする。
でも気にならない。
●半世紀も猫とつきあっていると、
街に出て人の顔をみると、
奇妙な感じがする。
どうして人の顔は毛におおわれていないのだ。
などとバカゲタことを思ってしまう。
猫バカだな。
もうどうしょうもない、猫好きだ。
●リリは食欲がでた。
カミさんが食事を温めてやっている。
猫は猫舌というが、あまり冷たいものはいけないと知った。
わたしもお酒はいつも熱カン。
だんだん猫がわたしに似て来たのか、
書斎から三人ともでない。狭い空間でこのところ生活している。
いちばん家で暖かい場所を猫はよく知っているのだ。
「おいこら猫ちゃん。ふたりで、小説かくの手伝ってくれ」
それができないのなら、福を招いてくれよ。
福とはとどこおりなく原稿が売れることだと、
GG的にはそう認識している。
●「編集者を招き寄せてくださいな」
カミさんも、
同じようなことをかんがえていた。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
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夏の日の水神の森
著者麻屋与志夫
150円(+税) (税込 162円)
超伝記の世界に生きる男の、朱色への恐怖がかもしだす心理サスペンス。あなたは、その裏に隠れていた恐怖に耐えられますか!
人狼よ。わたしはお前の早贄(はやにえ)なのか。保存食なのか。朱色の恐怖に慄く男は敵である人狼に怒りをたたきつける。その誕生のときより、悪霊のような人狼に狙われた男。三度の襲撃から辛うじて生き延びてきた。画家を志しながら成れなかった男。父に疎んじられ、学校の先生からも、クラスメイトからも、周囲のすべての人から迫害された男がたどり着いた出生の秘密。 朱色――あるいは鮮血の赤への恐怖は、生きながら血をながし人狼の生贄となるはずだった男の恐怖だった。餌とされ、生肉を咀嚼されたかもしれない記憶の底にわだかまる恐怖。超伝記ホラー作家を責め苛む恐怖の世界。そして、生涯優しい日本的な朱色を自然との調和を目指した三村節子画伯との思い出。美と醜。優しさと残酷さがいりみだれる世界。ラストに驚愕の事実が明らかになる。
カドカワ BOOK WALKER でぜひ読んでください。