朝の通勤電車に…乗り合わせます。
人の流れで…シルバーシートに座ります。
そして疲れからか…ウトウトして寝てしまいます。
暫くして目を覚ますと…車内は混雑しています。
僕のシルバーシートの前も…人だかりで混んでます。
そして目の前には一見…年老いた男性が立っています。
髪の毛は…無い方です。
目に精気は…殆どありません。
マスクをし…顔は半分見えません。
『どうぞ』…と僕です。
僕は立ち上がり…その方に席を進めます。
でも…その方はイヤイヤをしながら後退りをします。
『どうぞどうぞ』…と優しい僕です。
しかし…その方は必要以上に拒否します。
周りにも注目され…僕も意地になって勧めます。
今度はその方は…声を出して断ります。
「私は…違うんです!」と大声で言います。
その声は…なんと若々しいではありませんか。
良く見ると…その方の肌も若いです。
顔をアップで拝見すると…若者のようです。
完全に僕よりも…20歳は若そうな男性のようです。
それが解った僕は…罰が悪いです。
そして彼も居心地が悪そうな…雰囲気です。
周りの方々も…小さく肩を震わせ笑っているようです。
僕は座りなおし…寝た振りをします。
彼は…次の駅で降りてしまったようです。
僕のオッチョコチョイが…迷惑を掛けたようです。
これからは…やはりシルバーシートには座りません。