今年の7月の末ごろに、背中炙り峠への道を登っていた時に、緑のトンネルに長い木が数本、横たわっていました。去年、行ったときにはありませんでしたので、今年になってから切られたものです。既に葉はなかったのですが、幹を見ると「コシアブラ」というウコギ科の樹木でした。樹種が分かりますと、何故そこにこの木が横たわっているかが分かりました。コシアブラはタラノキの仲間で、タラの芽と同様に木の芽が食べられます。山菜として人気が出てきました。昔の畑沢では、食べなかったのですが、山菜ブームともに畑沢へコシアブラ採りに来る人が増えてきました。手が届かないコシアブラの幹は切り倒して芽を採ったようです。畑沢に限らず、各地の山中でこのような光景を見かけます。
ただ単に芽を摘むなら何も目くじらを立てる必要もないのですが、昨今の山菜取りの中にはモラルが欠如している方もおられます。「徹底的に採ってやる」方です。「自分の山でないけれども、旬のものをいただきたいので、少しだけ分けてください」という気持ちがありません。その結果がこれです。
大体、山には所有者がいることを認識されていません。他人の財産に傷をつけることの意味を知りません。恐らく徹底的に採られる方は、専門的に採集して販売業者に売るのが目的だと思います。何と心が貧しいのでしょうか。