一昨年から進めていた背中炙り峠の楯と古道を調査するために、五月八日に峠に登りました。まだ背炙り峠(県道29号線)を通ることができませんでしたので、尾花沢を回って畑沢に入りました。途中、4月15日の畑沢祭の日に、美味しい畑沢の米で炊いた赤飯をお土産に下さった古瀬K氏宅に、お礼と御挨拶を申し上げました。その時に、私が峠に行くことを告げたら、古瀬氏は「一人でおっかなぐなえが」とお聞きになりました。最近は熊、猪などが出て来る危険性があるので、山へ入ることに対して恐怖を感じている人が多くなりました。私はスビタレとして、自他ともに認めるのですが、山へ一人で入ることについては、不思議と怖がりません。人気のない季節外れに一人で深山に入り、山小屋やテントでも過ごすこともありました。スビタレがスビタレらしいのは、多くの人の前です。意気地なしなのです。
さて、山へ入ると、春は一層、進んでいました。春一番の花の集団が終わり、次の集団の花の時期になっていました。次の写真は、ヤマブドウの花の蕾かと思いす。まだ、花弁を広げていませんが、ブドウの房のように蕾が集まっています。
次がクロモジの花です。同じクスノキ科のアブラチャンは既に咲き終わっていますが、クロモジはそれよりも少し遅く咲くことが分かりました。
山ではしばしばぶら下がって咲く樹木の花に出会います。以前に紹介したハンノキの花と形が似ていますが、写真の花はそれよりも大きいものです。樹木も大木になります。ヒメグルミだそうです。これは料理や菓子の材料としてはあまり使われないようです。
作業道の脇に変わった形の葉を広げ、白い花が咲いていました。サンカヨウです。秋にはここに青い実を付けます。
イカリソウも作業道の脇に沢山、顔を出していました。中学校時代なら、薬草の材料として採集していたかもしれません。常盤中学校における夏休みの一大作業でした。学校で集めて、生徒会の財源にしました。ところで、私はあまりイカリソウを相手にしていませんでした。理由は採集するのが面倒だからです。私には採集が簡単なドクダミでした。
調査地を奥へ進むと、典型的な楯の防御施設である「堀切(ほりきり)」が現われました。何度見ても凄いものです。樹木が斜めに見えますが、写真撮影は普通のやり方です。樹木が斜めになっているのです。私には作為する芸術的能力はありません。ただただ、正直に撮影しています。
この堀切の上には、ツツジが群落となって咲き乱れていました。まるで、約400年以上も前に、楯を守っていた野辺沢軍の武士たちの魂が、今でもここに残っているかのようです。?、この言い方は昨年の秋にも似ています。
曲輪がある場所から、さらに南へ向かって尾根を進むと、黄色い蕾を持った灌木が多くなりました。乏しい植物の知識なのに、蕾ならさらに分かりません。それでも何とも感じないでいたら、花を開いているものがありました。あっ、これは見たことがある。上畑沢の川べりに咲いていた「あれ」でした。「ウゴ何とか」を思い出すのが限度です。そこはパソコン。以前の写真に名前が付いて保存されていました。ウゴツクバネウツギだそうです。9文字もあります。私としては、せめて五文字ぐらいに収めてほしいと思います。
そして、最後の花です。とうとう名前が分かりませんでした。見当もつきません。でも、きれいな花でしたので、掲載しました。どなたか教えてください。
ところで、「何方か教えてください」とお願いするのは、かなり有効なようです。過日、畑沢の花の様子を投稿しました際に、名前が分からないことも書き添えたところ、救って下さった方がありました。キイロノアマナということでした。ありがたや、ありがたや。
ここで、畑沢の先輩の訃報をお知らせします。これまで私に何度も「畑沢」を教えて下さった有路S氏が亡くなりました。まだまだ教えていただくつもりでしたが、残念です。家が近くで、息子さんも私と年が近かったので、大変にお世話になった方です。御冥福をお祈りいたします。