-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

今回は五十沢から畑沢へ

2019-05-09 16:57:40 | 近況報告

  令和元年5月8日(水)10連休が終わってから二日目、天気は上々、楯跡調査には最高です。背中炙り峠の楯跡の追加的な調査は既に終わったのですが、実は新たな楯跡が見つかりましたので、その調査のためです。前回に投稿したブログで、「楯跡調査の結果は後日」と約束しながらも、約束を果たさないうちに別の楯跡調査とは何たる「不届き者」でしょう。我ながら呆れかえります。そこはそれ、スビタレならばこその仕業です。御勘弁ください。

 さて、畑沢へ出かけたものの背炙り峠を通ることはできません。仕方なく、尾花沢を回って行くことにしたのですが、ここで再び気まぐれな性格が顔を出しました。折角だから、尾花沢への途中にある横内から五十沢へ入り、そこから峠を越えてみるのもいいだろうと思い立ちました。

 はて、五十沢ならば、昔は畑沢から楯岡へ行く際は、畑沢の寺田沢を登って山中の峠を越えて五十沢に下り、さらに西の山中に入って湯舟沢温泉へ下ったことを思い出しました。そういえば、懐かしい湯舟沢温泉へも行ってみたくなりました。「それでは行ってみよう」天気がいいので、何でもありです。大きな大きな道草ですが、いとも簡単に決断できます。

 村山市の土生田で東へ進路を取り、湯舟沢温泉の方向へ向かうと大きな溜め池がありました。大堰(おおぜき)と書いてある看板が立っています。確かに大きな堤(つつみ)です。しかし、昔、この辺を通った時には、これほど大きな堤はなかったような気がします。

 

 もう少し道を進んで振り返ると、これまた素晴らしい景色が見えました。葉山です。葉山は元々、カルデラであったと言われているのですが、北東の外輪山が侵食されて馬蹄形になっています。開口部は尾花沢を向いています。葉山もいいのですが、湖畔を彩る新緑もいいですね。

 

 湯舟沢温泉の御主人から気持ちよく対応していただいた後、再び国道13号線に戻り、横内から上五十沢の集落に入りました。ここで三度目の「行き当たりばったり」の気持ちが湧きあがり、集落内をゆっくりと見て回ることにしました。すると、お二人が茅葺きをしている光景に出会いました。五十沢地区では、何年か前まで茅葺き屋根を保存する会によるボランティア活動がありました。しかし、近頃は茅葺き屋根が極端に減少したので、もう誰も茅葺しないのかなと思っていただけに、今回の光景に驚いたと言うりも嬉しい気分になりました。近づいて話しかけたところ、気軽に対応してくださいました。考えていたよりもかなり若い方たちで、それに好感を持てる若者たちです。お話によると、保存会ではなくて、れっきしたプロの職人とのことでした。茅葺きに憧れて、最初は茅葺きの会社に入り、その後に独り立ちしたそうです。茅葺き屋根が少ないので、かなり広範囲で仕事をなさっているそうです。

 

 実は茅葺き職人とは別の人とも、五十沢でお話をしてきました。私が現職時代に、仕事のお付き合いをした方です。当時、五十沢地区の出身とお聞きしていましたので、隣村の畑沢出身者としては絶対忘れてはならない方でした。その方に10年以上も経ってお会いできたのですから、懐かしい思いが溢れました。お住まいは別の所だそうですが、五十沢で農作物を作っているそうです。私が畑沢を忘れられないように、その方も五十沢を大事に思っておられるようです。

 大分、五十沢の集落内で貴重な時間を過ごして、いよいよ畑沢へのスーパー農道(現在は市道)へ入りました。背炙り峠と異なり、こちらは雪解けと同時に通行が可能になります。道路の山際には落ち葉や倒木があります。それでも何年も除去らしき作業をした形跡が見られません。下の写真の左下を御覧ください。側溝はL字溝を用いています。山中を通る道路ではこの側溝が基本です。背炙り峠のように、雪融け後にU字溝の蓋を清掃する期間が必要ありません。

 

 それでも厳しい冬の爪痕はあります。枯れた大きな倒木が道を塞いだようです。さすがに、これは除去作業が必要です。ところで、余りにも途中で時間を費やしたので、車外に出る手間を省いて車中から撮影しました。残念、フロントガラスに光が反射しています。

 

 勿論、畑沢側も通行可能です。峠を越えて東の展望が開けると、見慣れた山々が顔を出しました。右の大きな山は大平山。我ら畑沢と細野地区のシンボルです。大平山の中腹から頂上までが新緑に覆われています。広大なブナ林です。写真左のちょこんと三角頭を出しているのは、御堂森です。御堂森の方が標高が高いのですが、遠くなので小さく見えます。

 

 北へカメラを向けました。遠くに双ッ森(荷鞍山 にぐらやま)と翁山(おきなさん)です。前景の新緑がまたいいですね。写真の右にすっくと立っている木は、朴の木です。畑沢などでは「ほおぬぎ」とも呼びます。参考までに栗の木は「くりぬぎ」、ブナの木は「ぶなぬぎ」です。方言では「の」が「ぬ」、「き」が「ぎ」に変化するようです。


コメント
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