快晴でしかも気温が上昇した令和2年4月3日(金)、畑沢の背中炙り古道の謎を究明するために、常盤地区へ行ってきました。天気がいいと直ぐに道草をします。村山市林崎の居合神社を眺めてきました。帰ろうとすると、葉山(標高1,462m)が目の前に手を広げていました。この時期は白く輝いた山肌が屏風のように青空に際立っています。ここで水を差すようですが、白い山肌が強調されるのは、尾花沢市内の方角からの眺めです。カルデラ状の中が見えます。
常盤地区での各種作業を終えて、畑沢から山形へ帰るのですが、背炙り峠の「R01.12.03 ~当面の間」通行止めのメッセージが山形県のホームページに出ていましたので、無難な五十沢へ越える道を選びました。こちらは県道ではなくて、尾花沢市と村山市の道路ですので、雪が消え次第、車を通して下さいます。ありがたいことです。それに比べて・・・。
日が大分、傾いて、畑沢側の道は日陰になっていました。下の写真が暗い雰囲気になっています。それにしても、車窓から見える風景は、五月上旬の景色です。いつものようにズボラに車中から撮影してしまいました。
道の途中に何やら花が咲いていました。舞子さんの簪(かんざし)のようです。潅木に鈴なりに咲いています。今年はマンサクの花を見ないで終わりましたので貴重な花です。この木も他の木々とともに葉を茂らせると、目立たなくなります。目立つのはこの時期だけです。花を好んで庭に植える人もいます。
周囲を見渡すと、遠くの山が見えました。北の方角には、右から二ッ森(地元では「荷鞍山にぐらやま」と呼びます。)、その左の白っぽい山が翁山です。去年に最上町の禿岳を登って、「畑沢から見える山には全部登った気分」でいましたが、昨日、二ッ森と翁山に登っていないことを認識しました。登らなければなりません。
次に東方向には、荒神山と思われる山が見えます。御所山ですと特徴的なシルエットで判別できますが、この写真では何の山かを判断できません。荒神山だと御所山の左に見えるはずです。
峠を過ぎて五十沢側に出ると、道路に夕日が当たっていました。路面が綺麗に見えます。路肩の側溝にはL字側溝を使っています。山の中の道路にはこのL字側溝が役に立ちます。山の中にU字溝は合いません。
五十沢(上五十沢)の集落へ出ようとするときに、右側に私の好きな建物が見えました。茅葺きの家です。五十沢では茅葺き屋根を残そうとしている方々が保存しています。この景色を見ていると、心が穏やかになります。維持管理している人は大変でしょうが、頑張ってください。
車を停めた同じ場所で、左側にも、これまで何度も通りながらも気が付かなかった川の流れが見えました。山裾の流れは全て岩に掘られた水路です。この山の全体が大きな大きな岩盤になっているようです。私の地質に関する判別能力はかなりの低さですが、無理して申上げると凝灰岩のような砂岩みたいな感じです。つまり、判別が不能です。
その上流は岩盤ではなくて、普通の素掘りの水路です。しかし、これも素晴らしい水路です。ホタルの幼虫やサワガニなどが生息していそうな良質の環境です。
このように素晴らしい環境を紹介すると、とんでもない人々が植物の採集や動物の捕獲しに来る場合があります。郷土の大事な宝を大量に盗んで、ネットなどを利用して売りさばくようです。都会でホタルを飛ばすために、ゲンジボタルやヘイケボタルの幼虫、その餌であるカワニナを盗んで、都会の「ホタルを飛ばす」イベントをやる時もあるようです。
しかし、これらの行為は犯罪です。山や野原などで勝手に収穫することはできません。元々、入会権を持っていません。他人が所有する土地からその果実(法律上の言葉で果物などを意味するものではありません。)を収奪することは窃盗犯に該当します。村の環境を犯すのは環境権の侵害として、賠償を求めることができます。五十沢の方々、また全国で故郷を守っている方々は、とんでもないおバカさんが来たら、毅然と追い返してください。私も畑沢へ来た悪徳業者には毅然として立ち向かっています。結構、おバカさんがいます。
暖冬のお陰で、いつも気付かないものが見えた一日でした。草木が生い茂ると見えなくなります。