2025年最初の読書感想。
兵法書の王道たる『孫子』です。
なんか順番を間違ってるような気がしますが、まぁ、気分で読んでるんでw
でも、時代の順番としては合ってるんで。
六韜三略は我らが太公望、文王・武王が興した周王朝。その周王朝時代の後、春秋戦国時代に成立した兵法書が孫子です。
春秋戦国は春秋時代と戦国時代に分かれ、周王朝が王族や諸侯に領地を冊封し、それが小国同士徐々に争い始めたのが春秋時代。
国々が吸収され大国として独立。戦国七雄、漫画キングダム。
秦により周王朝が滅び中華が統一されるまでが戦国時代になります。
孫子の著者・孫武は春秋時代・紀元前500年頃に呉に仕えた武将とのこと。
まぁ、残念ながら確定ではないw 紀元前の話なんでね。
この孫武はさほど活躍など詳細は分かっておらず、謎多い人物。
もう1人、孫子の作者と伝えられてるのは孫臏という武将。
この人物は活躍など事績が詳しく分かってて、星野浩字氏の漫画『臏 孫子異伝』という作品にもなっております。
大まかにこの2人のどちらかが著者だろうという孫子の成立話でした。
まぁ、誰が書いたかはどうでもいいことでしょうw
どうでもいいことなんですが、誰が書いたかは分からないのに時代を越え、武田信玄やナポレオン、ビルゲイツにまで影響を与えた。
なんだが不思議な感じします。
それだけの名著、どの時代にも普遍の内容だからこそ現代まで残り続けてるんでしょうね。
実際読んでみると、結構薄い本なんですが読み進めるの大変だった。
ちょっと読んでは考えさせられるような。深く凝縮されてる。とにかく面白かったです。
計、作戦、謀攻、形、勢、虚実、軍争、九変、行軍、地形、九地、火攻、用間の13篇。
現代の日本語に通じる慣用句が出てきて感心したり、三国志とかに出てくる一文を見つけて興奮したり。読んでて忙しかったw
謀攻篇『彼を知りて己を知れば百戦危うからず』。
虚実篇『人を致して人に致されず』。
ここら辺のことわざになってるような有名な言葉。
こういうルーツを辿って見つけるの、何とも言えない感動がある。
虚実篇『兵を形すの極みは無形に至る』。
『兵の形は水に象る』。『兵に常勢なく常形なし』。
この言葉は、野村克也さんが口にしてた一文。
野村さんは中国古典の造詣が深い方で、ここら辺の内容を自分の中で解釈して用いてたのが成功の秘訣なんでしょうね。
兵法の内容もそのまま覚えてるだけじゃ意味がない。
常に状況に沿うやり方で。水のごとく無限に変化する。俺も孫子の中だと一番好きな文章です。
軍争篇は機先を制す戦いを記してる章なんですが。
『佚を以て労を待つ』。有名な言葉が出ててきて、その後には『飽を以て飢を待つ』と続きます。
ここは読んでてゾワッとしました。
仙台の弁当工場とか東大の中国留学生とか。北海道の土地が中国に買収されてたり
今、日本には至る所に中国が入り込んでますからね。
孫子は戦わずして勝つことを至上とし、その1つの方策として敵の食を奪うことに重点を置いてます。
孫子の最後の章である用間篇はスパイの重要性を説いてます。
今の中国の行動は孫子に沿って動いてるのではと、読んで怖い内容でした。
九変篇『囲師には必ず欠く』。
出た。三国志で絶対目にする言葉w
九変は9つの状況への対応が書かれてるんですが、その中に『餌兵に食らうことなかれ』と。
この一文を見てたら、俺はワーテルローの戦いを思い出しました。
ナポレオン最後の戦い。これで致命的になったのがグルーシー元帥の行動。
プロイセン軍の囮に釣られナポレオンの命令を遵守するあまり、グルーシー元帥の軍団はワーテルローの戦地から離されてナポレオンの敗走に繋がります。
ナポレオンは孫子に精通してたかもしれませんが、その戦略が部下にまで行き届いてはいなかった。
孫子は上司自身だけではなく部下にこそ読ませなきゃいけない本なのではと感じます。
この軍争篇には続けて『君命に受けざる所あり』。
主君の命令でも受けてはいけない命令があるとも書かれています。
九地篇『其の首を撃てば尾至り、尾を撃てば首至り、中を撃てば首尾共に至る』。
蒼天航路で吾粲が言ってたやつ! 見つけた時、雷に撃たれたw
これ、孫子の引用だったんすね。
やはり三国志好きは孫子読まんとあかんね。もっと早くに読めば良かった。
さすがは名著なだけあり、本当に面白い本だった。
まだ中国古典の積ん読が沢山あるんで、今年はどんどん読んでいきますよ。
では、また。