おジャ魔女どれみと徒然

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アオラレについて、その錯乱

2024-10-20 06:31:00 | シリアス・サスペンス

 UNEXTで目に留まり視聴。ラッセルクロウさんのデブ化で一時期話題になりましたよね。
 ラッセルさんが殺人鬼の役で、たまたまその車にクラクションを鳴らしてしまった女性が執拗に襲われるサスペンススリラーです。

 まず題名のアオラレは一瞬だけw あくまでキッカケで中身はストーカー系。
 てっきりスピルバーグの激突を想像して見た人は肩透かしやろが。アメリカのストレス社会を風刺した作品なんすかね。

 俺が見た中だと『フォーリングダウン』に近い。
 中年オヤジがブチギレるハッスル殺人ムービー。

 レビューやと「ニューオリンズの警察はバカの集まりか?」とか、殺人鬼が普通に彷徨いてる、話の矛盾を指摘する人が多い。
 確かにガバ脚本ではありますが。そこは『ブラックアンドブルー』の聖地・ニューオリンズ。

 犯罪率は他都市の3倍、凶悪犯罪に至っては6倍というアメリカ屈指の犯罪都市。
 警察官の不足も日本以上に深刻で。リアリティに関してはそこまで悪くはないと思う。

 てか、治安の悪さがどうのより、劇中では銃が全然使われなくて、そこが拍子抜けだったかな。
 現実なら銃乱射とか、もっと悲惨な事件に発展しとるやろうからな。

 まぁ、グラディエーター俳優のプライドでしょう。人殺すのに銃なんていらねえw
 90分でテンポ良く、手頃なスリラー映画でした。

 では、また。



ニトラムについて、そのポートアーサー事件

2024-08-17 05:54:00 | シリアス・サスペンス

 1996年4月、オーストラリア・タスマニア島にて銃乱射事件。死者35人。
 その殺人犯、マーティン・ブライアントの半生を描いた実話映画。

 久々の映画レビュー。復帰する作品にしてはヘビーなもんを選んでしまったw
 でも、UNEXTで見つけて「絶対見よう」と。一目惚れというのか何というか。サムネ見た瞬間に衝撃。

 題名の『ニトラム』はマーティンの綴りの逆さ読み。MARTIN→NITRAM。
 知的障害を持ったマーティンを近所の人等が馬鹿にして呼ぶあだ名。

 母親の冷徹な態度、優しい父の自殺。恩人ヘレンの死。孤独を深めていくマーティン。
 互いを苛み、誰も助けられず。悲劇の幕が上がる。

 今でこそ発達障害やADHDなど話題になって、本人が感じる社会の生き辛さや周囲がどう向き合えば良いか注目されるようになったが。
 未だ答えが見えてない、正解の出し様がないのは今も昔も変わらないんかね。

 銃規制が進まない国、障害者へのケアが不十分な社会。
 もっと根本的な、他人を思いやる気持ちが足りないのか。何が問題なのか。

 まぁ、この事件に関してはマーティンがそこそこクソってのもあるんですがw
 マーティンは知的障害ながら、自分が何をしたか理解している節があって。

 ヘレンの事故で、咄嗟に嘘をついちゃったのは自分が殺してしまったことを自覚していたからだろうし。
 マーティンは愚かでどうしようもなかった。金輪際、彼が許されることはない。それは当然だが……。

 でも、そこまでに至る過程。
 銃の引き金はバカでも引ける。人と分かり合うより、人を殺す方がずっと楽で分かりやすい。そこまで彼を追い詰めたのは何だったのか。

 誰しもが加害者になり、誰しもが傍観者になる可能性がある。
 あのクソママ然り。「自分はあーはならない」と頭で理解してたとしても。そういう無自覚や無関心から事件は始まってたんだと思う。

 マーティン役を演じたケイレブランドリージョーンズはこの作品でカンヌ映画祭主演男優賞。
 お見事な仕事ぶりでした。なんか没頭して見ちゃったよ。引き込まれました。

 マーティンは同年3月にスコットランドで起きた小学校襲撃、ダンブレン事件のニュースを見て凶行を決意。
 事件後逮捕され終身刑(オーストラリアに死刑はない)。

 現在も服役中。
 では、また。



スティングについて、そのとどめの一撃

2024-06-09 21:09:00 | シリアス・サスペンス

 1974年アカデミー賞にて7部門受賞という快挙を成し遂げた名作。
 最近、どんでん返し系の作品に餓えてるw 全く知らん映画でしたが、オススメでたまたま目についたんで試しに見てみました。

 正直、途中で飽きるかな思ってたんですけど、これ面白いなぁ〜!w
 夢中で見ちゃった。相手を欺く、コンゲームっていうジャンルらしい。見た目は小難しそうですが話はシンプルで分かりやすかった。

 まさに痛快。トリック自体、そんな大したことはないから、ラストそこまで盛り上がるわけじゃないがw
 でも「騙された〜!」って。アチャーってオデコを叩きたくなる感じ。分かる?w

 騙されて清々しい。
 まぁ、FBIあたりは観客を騙す用の嘘のような気がしてちょっと拍子抜けやが。

 ジョニーがFBIに脅されて、スナイダー警部を騙すためとはいえ、この見せ方は何か卑怯だよなぁw
 FBIが突入して有耶無耶にするまでは読めたが、そっからジョニーどうするつもりなんやろと真剣に考えてたからさ。クッソ〜。

 ま、騙された奴の戯言ですw
 それに、颯爽と去るヘンリーとジョニーに押し切られた感じですかね。

 とにかく見事にどんでん返しを食らった。
 やっぱ昔の映画は良いですね。今の作品が失くしたものを持ってる。

 では、また。



殺人美容師について、その頭の皮剥ぎ取ります

2024-06-06 13:59:00 | シリアス・サスペンス

 なんじゃこのタイトルw
 UNEXTで作品を探してたら目についたので視聴。

 またテキトーな邦題を付けられた洋画の犠牲者か……と思いきや、話はタイトルまんまですw

 主人公は美容師のクレア。彼女は鬱屈した変身願望?を持ってて、特に他人の髪型に執着。
 オデコを切り裂き頭皮を剥いでカツラのように保存しコレクション。それを被っては鏡の前でほくそ笑む殺人鬼のお話。

 エドゲインタイプのサイコパスですね。
 ただ中身は真面目で、邦題のようなおちょくった感じとは印象の違う展開。

 殺人鬼の心情を主に描いてる。
 元々はジルガバーギジアン監督の短編映画を長編化した作品。

 ガバーギジアン監督は美容師として働いていたとのことで、その時の経験が活かされてるんですかね?
 なんか描き方が独特です。ファンタジーっぽい。どこか浮世離れでアメリカンサイコみもある。

 容姿に対する考え。美的感覚。女性目線というか、男には分からんw
 分からんけど、何とも言えない蠱惑的な魅力がある。

 結局、最後まで見ちゃいましたし。
 ラストは途中から見え透いた感じで意外な展開ではなかったが。クレアは何がしたかったのか。

 単純に他人が羨ましいのとは違うような。
 よく分からんし共感もできんが、雰囲気だけでも楽しめる作品。

 邦題は直球ですが、ちょっと捻った話なんで、血ビシャーが見たい人は拍子抜けすると思う。
 そこだけご注意をw

 では、また。



アイデンティティについて、そのマルコム事件

2024-06-02 09:16:00 | シリアス・サスペンス

 嵐の夜、身動きができなくなり偶然同じモーテルへ居合わせた男女11人。
 そこから殺人が始まり1人1人殺されていく。犯人は誰なのか。孤立したモーテルを舞台にしたサスペンス映画。

 どんでん返し系の作品と聞いて、どんな展開になるのか楽しみにしてましたが、ホントに意外な展開でしたw
 アイデンティティってタイトルに意味があったんやね。見返そうとまでは思わんが「なるほどね〜」って感じ。面白い発想やと思う。

 ビリーミリガンという、実際に多重人格の殺人犯がいて、その人も精神鑑定で無罪となり、治療の末、釈放されています。
 リアリティとイメージを織り合わせた、斬新かつ画期的な内容。

 ラストがかなり胸糞ですがw
 物語として見事というよりかは単純に嫌な終わり方w

 マルコムやクソガキ以前にコイツを無罪にした弁護団と医者が。
 やすやす殺人犯を解き放っちゃうし。なんかコンクリ事件とか、残忍な事件の結末みたいな後味の悪さ。怒りが混じる胸の苦み。

 これもリアリティ故やろうけど。
 とはいえ1時間半で見応えたっぷり。面白い作品でした。

 では、また。