おジャ魔女どれみと徒然

おジャ魔女のこと、

日常のこと、

いろいろ。

聯合艦隊司令長官 山本五十六について、その報道報国

2018-07-26 04:59:00 | 日本 戦争映画
「八日目の蝉」の成島出監督。全くジャンルの違う作品だけど、こりゃ面白いね。
全体的に雰囲気が出てる。山本五十六という人間一個の物語。

役所広司の面目躍如じゃないすかね。正直あんまり好きな役者ではなかったが……去年見た3番目の殺人は良かった。
やっぱ今の時代、山本五十六という男を演じられるのは他にいないと。佇まいというか、めっちゃ印象的な演技をしてたと思う。

ストーリーも今までにない、マスコミの描写が興味深い。
部数を伸ばすため。国民の代弁者ではなく、国民の読みたい記事を書くってとこなんでしょう。

この時代にはプロパカンダの天才たるゲッペルスもいますしね。
グリーンゾーンの時代に至っても、その時の政権によっては道具であったり走狗であったりもする。

やってることは今も昔も変わらんのかもしれんなw
見てて思い出したのは真田丸。山本五十六が米英との戦いを避けたがったように、真田幸村にとっても大阪の陣はまず「戦わないこと」が最上の策だったはず。

ただ時代がそうさせてくれなかっただけで……
「戦は起きる時は起きる。誰も止めることはできない」……戦機というのは多くの人を惑わせ、多くの名将を苦しませる。

山本五十六も、そういう大きな流れに立ち向かった、英雄の1人。
では、また。

沈黙について、そのLaudate Dominum

2018-07-08 19:56:00 | ヒューマン
時は17世紀のポルトガル。イエスズ会神父のロドリゴは行方を絶った己の師、フェレイラ神父を探すために宣教師として海を渡る。
途中マカオを経由。日本のキリシタン・キチジローを仲間にし道案内をさせる。1644年、禁教と鎖国が渦巻く日本へと船は進んでいく……

マーティンスコッセシ監督、28年越しの傑作。
まず驚くのは、すっげー……日本!!w そのまま時代劇として十分通用するね。原作が日本人だから? 完成度がめちゃくちゃ高い。

何気に「野火」の塚本晋也が出てるというw 聖歌歌いながら溺死する体当たりな演技。
窪塚洋介の「パードレ! パードレ!」がちょっとかわいいw 役者陣は絶妙な配役だった。

日本語と英語の使い分けもいい。日本人は日本語。自然でリアリティーがある。
テーマは「棄教」。江戸幕府が1614年に禁教令を出し、1637年に天草一揆、1639年に鎖国と。その流れに続く物語。 

主人公のロドリゴは実在の人物。ジュゼッペキアラって言うイタリア人がモデル。
フェレイラ神父は名前も同じ。

イエスキリストが死んで千年以上が経ち、生まれた地からも何百キロと離れ……いつの日にか、人間は神からずっと遠退いた。
キリスト教が根付かぬ地。そこで見た人の本性。人が苦しむ時、沈黙し続けた神とは……

ここだけ見ると日本が悪者に見えるけど、キリスト教徒とて南米で悪行を働いたわけで。因果は巡るということ。
仏教の末法思想に近いかもせん。ブッタの教えも時が経てば形骸化する。神の声は聞こえないのではなく、既に絶えていたのかもしれない。

では、また。