今年最大の話題作。
180分の長丁場。見るのは大変だったが期待を裏切らない作品。
いきなり村上春樹節全開でちょっと笑っちゃったw
いかにも小説の文章、世界観って感じ。
国内だとあんまり評判よろしくないらしいが……
まぁ、そもそもの原作者・村上春樹が賛否両論ある人だし仕方ないかw
俺は楽しめましたかね。作品はこんぐらい先鋭化してるのが丁度良い。
ストーリーは、
演出家の家福はある日、最愛の妻を亡くす。
それから2年後。広島で舞台をやることになり、主催側から稽古場までの送迎ドライバーを付けることを申し出され……
ラスト衝撃の20分って触れ込みだが、そんなものはない!!w
ストーリーはシンプルかつベタ。あくまで主人公の再生物語。
そのシンプルさに村上春樹のセリフや描写。監督の巧みな脚色。
マーブリングのように、独特な色彩を生み出してる。
独創的ながら着実。堅実ながら個性的。
矛盾しながらもそう感じさせない確かな完成度。
賞総なめも頷く傑作ですね。
では、ここで出演者のご紹介。
西島秀俊さん。このブログで何回紹介したかw
主演の仕事をバッチリ果たしてました。ベリーマッチ。
この人が堅固な柱として中心にいたからこそ、映画が破綻せずに済んだろうし。
他の役者じゃ無理だったんじゃないかね。
棒演で叩かれることもしばしばだが、その棒演が今回は奏上。
訥々とした喋りが見事にハマってた。
意味分かんないかもだけど、なんか西島さんがだんだん村上春樹本人に見えてくるんですよねw
で、村上春樹自身が役を演じてるというか朗読してるように感じる。
不思議な感覚。
何だかんだ西島さんも主役だけじゃなく、脇役もこなして役者人生が円熟味を増してますから。
この映画はその一つの集大成になったんじゃないでしょうか。
見てて、ちょっと感動しましたよ。ほんのちょっとだけねw
そして三浦透子さん。
この5年で何があった? いい感じに荒んでますw
「私たちのハァハァ」の時の初々しさとは打って変わって……というか成長したんでしょうね。
今や立派な仕事人。終盤まで物語を牽引し続けた。それだけの演技力に存在感。お見事です。
てか、舞台広島やしな。
ここでも「私たちのハァハァ」との奇縁。不思議。
もう1人気になったのはジンデヨンさん
「新聞記者」のシムウンギョン以来の衝撃。
役者を諦めたりと紆余曲折あったらしいが、とんだ掘り出し物だな。
こっから爆売れするんじゃない? 期待の大金星現るw
しかも、元お遍路らしいし。
そういう点でもシンパシーを非常に感じる。
それと映画の象徴である赤い車ね。
アイコンって奴か。いや、もはや1人の演者だし主人公。
動いてても止まってても存在を主張し続ける。
風のように流れ、山のように悠然でもある。
スウェーデン製の車らしいが、村上さんってホント北欧好きだよねw
この車が瀬戸内を駆け巡る。これだけでも絵になるんだから凄いわ。
世界中から色とりどりの役者陣。散らかるどころかより盤石。
英語、韓国語などを始め様々な言葉が織り成す奇抜な世界観。
邦画というより、もはやアジア映画。
アカデミー賞受賞も納得のワールドクラスな映画。
そして、妻を愛した、優しい、1人の男の物語。
シャンティナガルも激賛。
俺のレビューなんて権威もクソもありませんがw
ぜひ見てほしい。オススメです。
では、また。
でも、この作品が外国賞だけってのは……
ちょっと有り得ないけどね俺の中では。
コーダがどんだけ面白いのか知んないけどさ。
「君の名前で僕を呼んで」なんてノミネート止まりだし。
「この世界の片隅に」に至っては、ノミネートすらしていない!!