おジャ魔女どれみと徒然

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シビルウォーについて、そのアメリカ最後の日

2024-12-15 16:42:00 | 戦争映画

 今年公開の映画。待ち構えてましたよ!
 A24が巨額の製作費を注いで手掛けた意欲作。アマプラで配信開始とのことで、早速視聴。

 ストーリーは、もしアメリカで内戦が起きたらの近未来。
 横暴な政策を進める大統領に対し、19州が合衆国から独立し反旗を翻す。独立勢力と旧合衆国政府との戦争が勃発。

 主人公である戦場カメラマンのリーと記者のジョエル。
 メディアを拒絶するホワイトハウスに直撃取材をしようと、ニューヨークから一路ワシントンDCへ旅立つ、というお話。

 政治学者のバーバラ・F・ウォルター氏の著書『アメリカは内戦に向かうのか』という本が原案とのこと。
 真面目に研究されたり、この映画自体凄い大ヒットしたし。

 フィクションながら、ここら辺の“分断”というテーマ。
 アメリカ人にとって、かなり現実味や関心度が高い話題なんかね。

 タイミング的に大統領選を揶揄した作品なんじゃないかとも言われてるが。
 娯楽と切り捨てられない、何とも言い難い、本格シリアス映画の誕生です。

 正直もうちょい軽いかなと思ってたんですが、見た感じ、思ったより社会派ですね。
 後、グロい。死体ゴロゴロ血飛沫ビシャー。初っ端の爆破テロからビックリした。

 最近は視聴層を広げるためにゴアを避ける、生温い作品も多いわけですが。
 そこを今作は攻めた内容で久々に心掴まれました。アメリカ映画はこうでないとw

 役者陣に既視感というか、どっかで見たことあんなと思ったら。
 主演はキルスティンダンストさん。スパイダーマンのMJの人。それにしても老けたなおい!w

 久々に見たな。まぁ、良い老け方というか。
 貫禄を感じさせるような、作風にぴったり合う役柄やったと思う。

 記者のジョエル役はヴァグネルモウラさん。エリートスクワッドの人。中佐、お久しぶりですw
 今はアメリカで仕事してたんやね。さすが中佐の威厳か、この人おると画面が締まる。臨場感や緊迫感を纏ってて良い味出してた。

 で、ジェシー役はケイリースピーニーさん。ロムルス
 しれっとおるなw これからどんどん売れっ子になってくんかね〜。

 ストーリーといい役者といい戦闘シーンもロードームービーの演出も。全体的に隙がない。映画欲張りセットですw
 内戦の最中のアメリカとアメリカ人を忠実に描く。最後まで面白い映画でした。

 まぁ、面白いと言ったらどうなんか。
 やはり、映画を越えたところというか、現実と照らし合わせると笑えない部分があるかな。

 トランプ大統領が再選するも、来年の就任がスムーズに行くのか不安視されてるし。
 日本としても、どういう影響が出るのか。お隣り韓国も政変の真っ最中だし。

 映画のような話が現実に起きるのか分かんないけど。
 来年にかけ、想像を絶するような世界になっていきそうだよね。

 2025年の年末、笑い話になってたらいいんだが。
 では、また。



ウィンターウォーについて、その厳寒の攻防戦

2023-08-12 18:58:00 | 戦争映画

 8月になると戦争映画が見たくなるということで。
 ずっと見たかった『ウィンターウォー』。

 傑作映画『アンノウンソルジャー』の前日談。連との死闘、冬戦争を描いた作品。
 かの有名なシモヘイヘが活躍した戦い。ただ活躍と同時に負傷もしていて、その後の継続戦争へは参加できなかったとか。

 まぁ、どのみちシモヘイヘは出てこないから関係ないんだけどねw
 アンノウン同様、英雄の物語ではなく、一般兵の悲哀。冬戦争の南方戦線へ派遣されたある小隊のお話。

 3時間の長丁場。戦争映画って奴ぁ、どいつこいつも何でこんなに長いんでしょうかね?w
 まぁ、戦争をちゃんと描こうとすると、どうしても時間がかかってしまうんやろうな。

 最初の1時間は訓練と拠点となる村の防備を固める。
 退屈は退屈だけど、冗長とか無駄な時間とは感じなかったな。

 後の2時間はソ連軍の波状攻撃をひたすら耐え凌ぐだけ。
 冬戦争の一戦闘を描いてる。淡々としてる。冬戦争全体の推移とか全然分からんから、そういうの知りたいって人は拍子抜けするかも、そこは注意。

 ただ戦争映画としてはよく出来てるし面白い。
 さすがに戦闘シーンやらアンノウンには敵わないけど。30年前の映画だから多少は仕方ない。

 何より一番良いのは脚色や美化をしてない所。
 戦争が淡々と始まり、終わる。

 フィンランドとソ連は戦力差が歴然で、本当なら併合されてもおかしくなかったレベルの中、フィンランドがかなりの善戦。
 善戦し過ぎて、ヒトラーの方針を変えさせたほど。この作品、『スターリングラード』の前日談でもあるんすね。

 ナチスはロシア侵攻から崩壊が始まったから、何気にフィンランドが影の立役者になるんかなw
 善戦には理由があり、色々と武勇伝みたいな面白いエピソードが沢山あって、映画にしたら面白そうなのに、そういうのを全く描きません!

 だから、見る人によっては期待外れになるんかな?
 俺としてはそこが良い。戦争映画って、所詮プロパガンダじゃん……。

 「僕達、カッコいいでしょ?」って部分。国威発揚の賜物ですから。
 しかし、この作品はそういう臭みが一切ない。

 善戦はしたけど、フィンランドは敗北。領土も割譲される。
 武勇伝で浮かれた作品じゃない。そこら辺の冷静さ、反省がちゃんと込められてるのが良い。

 ただ、映画では淡々してるけど、それから80年経った現在。何やら皮肉な時代になってるのが何とも……。
 宇露戦争に、フィンランドのNATO加盟。今や日本すらNATO入ろうかって話になってるくらいだし。

 これからどうなるのか、まだまだ分かりませんが。
 歴史は繰り返すのではなく、韻を踏むのでもない。

 ただただ、人間は歴史を忘れて、また別の、新しい悲劇が起きるだけなんだと思う。
 では、また。



ハンバーガーヒルについて、そのアパッチスノー作戦

2022-03-12 07:14:00 | 戦争映画
 
 ──1969年5月10日。

 ベトナム・アシャウ渓谷にあるドンアプピア丘、通称“937高地”攻略のため、アメリカ軍はアパッチスノー作戦を発動。

 後に10日間に及ぶベトナム軍との死闘の幕開け。


 アシャウ渓谷はベトナムとラオスの国境沿い、フエという街の東にある地点。
 脚本のジェームズ・ガラバトソスさんは第1騎兵師団に所属したベトナム帰還兵。

 実在の第101空挺師団の戦いを描いた話。

 最初の40分ダラダラでちょっと飽きそうになりましたw ここら辺は帰還兵ならではのリアルな視点なんでしょうが。
 いきなり戦闘じゃなしにまず訓練があり、訓練中も敵が待ってくれるわけがなく死人が出たり。

 そしていざ戦いが始まっても勇壮でもなければ華々しいわけでもない。
 まぁ、良くも悪くも報われない。起承転結もなければ波風もない。淡々と戦闘が始まり終わる。

 この虚しさ。一般兵の虚しさですね。
 とにかくこの戦闘、登り下りです。渓谷というか山岳地帯なんで。ひたすら斜面でベトナム兵との殺し合い。

 その上に密林の悪天候。高所を制圧したと思ったら敵と勘違いされ味方ヘリに誤射されるわ、散々です。
 そして最大の敵は母国という。手紙に「戦争賛成と思われたくないから、もう返事は出さない」と恋人に書かれた日にゃ……
 
 この時、ベトナム戦争は末期に差し掛かり、アメリカ軍の撤退が決まっていました。
 すでに戦いの意義を失い、現地のアメリカ兵は悪人呼ばわり。国のために戦っていたのに……

 そもそもこの戦争の目的は何だったのか、この作戦の意味は?
 一般兵は何も知らされない。それでも生き残るために戦うしかない。

 そして、全てが終わった後のこの虚無感。
 見る楽しさは全くないんだけど、全身を包み込みような徒労が戦場のリアルを物語る……

 では、また。




セルビアクライシスについて、その1914バルカン半島の危機

2022-03-06 07:46:00 | 戦争映画
 
 ──2022年2月24日。

 ウクライナのNATO参加を巡り、ロシア・ウクライナ両国の交渉決裂。ロシアは報復としてウクライナ領内へ侵攻。
 ロシア軍はドネツク・ルガンスクを掌握し、ベラルーシ・黒海からも部隊を展開。キエフ・ハリコフなど各都市を攻撃する。

 ウクライナ大統領・ゼレンスキーは国民に徹底抗戦を呼び掛け、自らもキエフに残ることを決意。
 国家の存亡、民族の誇りを賭けた戦いが始まった──。


 ゼレンスキー 
 プーチンに屈しなかった大統領



 さて、冗談はさておきw


 でも、この戦争も100%映画化するよね。
 まぁ、さすがにプーチン政権がある限りは無理だろうけど。プーチンをそこらの独裁者と比較するにもちと無茶があるしな。

 ただ歴史は繰り返すといいますか、今回見た映画はかなりタイムリーな内容でした。

 時は遡り、1914年。第一次世界大戦。
 セルビア王国 VS オーストリアハンガリー帝国のお話。

 主人公は実在したセルビア王・ペータル1世。
 一応、群像劇みたいな感じで、国王兵士マリンコその母親マクレナ。帝国に家族を殺された少年モムチロ

 この4人で物語が進む。
 サラエボ事件に端を発し、帝国から最後通牒を突き付けられた王国政府は急遽、引退していたペータル1世に復職を懇願。

 ペータル1世、その時71歳。

 大変だよ~w
 今でも国内で人気が高いだけあり当時も重鎮として権威みたいなのがあったんやろね。

 最初はむっちゃタバコ吸って、偉そうなジイサンと思ってましたがw
 しかし、帝国の屈辱的な要求に対しても飄々と「受ける」の一言。

 「今日恨みに思っても、明日バカらしく思える」

 「罰だと思っても、大きな破壊を免れることに繋がる」
 

 セリフはカッコいいんだよな。
 まぁ、結局は戦争が始まってしまうんやが。元々、この前に豚戦争という戦いがあって帝国との関係は悪化してたんだと。

 何事も順序というか、起こるべくして起こってるんやな。
 最初の戦いが結構劇的だった。苦戦してると見せかけての……映画として見せ方が上手かった。

 しかし、勢いはここまで。
 緒戦の勝利から徐々に追い詰められ、ついにアルバニアへと撤退。

 そして、後に24万人が死亡することになるアルバニアの山越えという悲壮な逃避行の幕開け。

 一応、国王は着いてくるか来ないか国民に選択を委ねたけどね。それにしても何というか……まぁ、残った所で帝国に何されるか分かんないし。
 それに周囲の事情もあるんでしょう。この山越えの過酷さは雪山だってこともさることながら、アルバニアは別に友好国という訳ではなく、普通にセルビア人に追い討ちをかけてきますw

 通行許可取ってなかったんですかね? 当時アルバニアは無政府状態だったらしく、どういう意図があったのか分かりませんが。
 火薬庫と言われるだけあって複雑なんでしょう。まだ国王に着いてった方がマシという状況。忠誠心とかそういう話ではないとは思う。
 
 ちなみに映画の半分はこの山越えシーンとなります。
 これは見てて拍子抜けだったけど、原作がそういう展開だから仕方ないかな。

 原作は1994年に発表された『ペータル1世の靴下』という小説。

 前線で戦う息子を心配する母親。
 撤退の最中、ばったり国王に会った母親は咄嗟に「息子に靴下を届けてほしい」と頼む。国王は快諾し、部隊を確認しながら息子を探す。

 といった内容。映画もそういう物語ですね。
 靴下の行方は映画を見てのお楽しみということでw

 戦争中に家族の無事を祈るというのは胸に来るものがあります。
 俺には堪えられそうにない……と見てて思った。

 そして、ついに山を越えアルバニア沿岸へと到達。
 国王は海岸を見渡しながら、自分の戴冠式の記憶がフラッシュバックする。

 ポツリと、

 「この戦争が、最後の戦争であってほしい」


 そう呟くのでした。

 それから、国王は海路を使いギリシャへと亡命。
 国民は海岸で難民キャンプを張ります。別に置いて逃げたわけではないぞw

 最終的にセルビアは第一次世界大戦で、人口の3分の1という130万の人々が亡くなります。
 万骨枯る……というやつかな。一歩間違えれば、それだけ王の責任は重いということ。

 今回のペータル1世の判断が誤ってたかどうかは別として。

 終戦後、セルビアとクロアチア・スロベニアが合併しユーゴスラビア王国へ。
 ペータル1世はそこでも王位に就き、1921年、77歳で天寿を全う。

 しかし、王国に平和が訪れることはなく、再び戦乱に巻き込まれる。
 後に、人類史でも未だかつて無い『民族浄化』という殺戮の舞台になることを。 


 その事を、海岸に佇む1人の王は、まだ知らない──。

 では、また。





 第一次世界大戦の映画

 サイレントマウンテン↓

 バトルオブオーシャン↓



Uボートについて、そのDas Boot

2021-04-13 23:01:00 | 戦争映画

 WW2で大西洋を駆け巡ったドイツ軍の潜水艦「Uボート」を描いた作品。

 1981年。
 まだドイツが東西に割れてた時代なんだな。西ドイツ産の戦争映画。

 元々はドイツ海軍報道部隊所属のブーフハイムさんって人が自身の取材を基に書いた小説が原作。

 出てくるUボートも実在したU96って機体。
 主人公の艦長もヴィレンブロック大尉って人がモデル。

 実体験故のリアリティ。

 三時間半という長丁場だけど、それも納得の濃密度だし、
 時間を感じさせないくらい一心不乱に見れる。

 ほとんど狭い艦内での話なのに、よくここまで緊迫感出せるな。役者の演技力に脱帽。

 ちなみにU96は1943年まで活動。
 45年に退役。同年3月、空襲によって沈没。

 ヴィレンブロック大尉は1986年、75歳で天寿を全うする。
 ということはこの映画も見届けたってことか。

 小説と現実の動向は違うらしい。そこは物語ということでね。
 映画は悲劇的だが、それを聞くとちょっと救われた気分になるな。

 では、また。