おジャ魔女どれみと徒然

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グラウンドブレイクについて、その都市壊滅

2018-04-30 02:38:00 | ディザスター・テロ
1988年12月7日11時41分、アルメリアにてM7の地震が発生。
死者は二万人以上。その中でもっとも被害が大きかったレニナカン(ギュムリ)という町で地震に遭遇した人々のお話……

めちゃくちゃ面白かった。面白いと言ったら語弊があるが感動しましたよ。
地震にあった人それぞれの物語ってことで、同じ群像劇だとゴジラを越えてるかもしれない。 

基本的にはロベルトとベレズノイという二人の人物を中心に進む。この二人は過去に因縁がありまして、地震の直後、行動を共にしてその精算しつつ、最後にはベレズノイの子、ワーニャをロベルトが引き取り和解をしていくと。
他にも登場人物が一杯出てきてね。特に俺はアコピオンが好きです。自力で馬車を引くシーンで泣きそうになった。

不倫男もカッコいい。不倫したくせに!w 何を命懸けでヒーローしてんだよ。
後はモブだけど、つるはし男も。狙ってやってんじゃねぇかなとw 「俺、今めっちゃカッコいいんじゃね?」ってw 共産国(当時)のくせにアメリカみたいなことしやがるw

地震で建物が泥みたいに倒壊していくシーンは戦慄しました。その中に容赦なく巻き込まれる人々。
ゴジラの場合、壊すのは良いんですが人死にの場面が少なくて。登場人物も官僚とか、問題に対処する指揮者、比較的に安全席の人間の話なんで。

もしゴジラが本当に出現した場合、政府や自衛隊がどう対応するか、そのシミュレーション。
あんまりドラマは挟みこまれていない。

一般人とか末端の人間の描写がほぼ皆無。逃げるシーンが迫力あっただけに、後もう一歩。そこら辺が不満だった。
だけど、グラウンドブレイクは人間が大自然に対して為す術のない姿が存分に描かれて、右往左往しながら抗う姿ってのがね……俺はどっちかというとこっちの方が好きかも分からんな。

ただ、グラウンドブレイクもキレイな部分だけを切り取ってる所はあるかな。
この地震が起きた同年2月にアルメリアはカラバフ戦争というアゼルバイジャンとの領土争いを起こしています。

地震の最中も戦争は継続で、アゼルバイジャンから一応は支援があったんですけど……。
アルメリア人は「ムスリムの血を体内にはいれん」と輸血を断ったり、アゼルバイジャンからの物資を散々無駄にするんよね。

アルメリア人も頑固やな。なにフィッシャータイガーみたいなこと言ってんだよ!!w
アゼルバイジャンもその反応を見て、「地震おめでとう!」なんて広告を付けた列車を走らせたり。互いに子供なんですよ。

緊急時でもそんなんだから戦争も血で血を洗う報復の連鎖。
アルメリアはロシアイラントルコと大国に囲まれて翻弄される色々と災難な国です。

だから、そこら辺の前後の話や国内の事情をもっと映画に組み込んでくれたらなと。
まぁ、ロシア映画だからプロパガンダも入ってんのかもしれんが。

ゴジラとセットで見ると面白いかもしれん。ゴジラは組織や国際情勢、そういう煩雑な所を逃げずに、かつ分かりやすく描いているから。
劇中で矢口が廃墟に手を合わせていましたが、きっとそこにいたはずの、ゴジラの足元にいた名も無き人間のお話……。

では、また。

ハイエナロードについて、そのパシュトゥンワリ

2018-04-24 11:03:00 | 中東映画
アフガニスタン紛争、復興事業に参加するカナダ軍。
しかし、その場所はかつてアレキサンダーも嘆いたほど、あらゆる生き物が殺し合う死の大地……製作費15億円のカナダ映画。

カナダ軍全面協力。カナダアカデミー賞3部門受賞の大作です。と言っても録音賞とか、監督脚本みたいな主要な賞は取れてないって時点で御察しくださいw
まぁ、静かな映画。地味ね。賞が全てではないが、それ相応それなり。恋愛とか省いてもっとハードボイルドなやつが見たかった。

ストーリーは皮肉ちゃ皮肉でよく練られてる。
自分が放った弾丸が、自分が正しいと思った判断が恩人の死に場所を奪い、結果的に自分で自分を殺すことになる……

今思えば「索敵しろぉ!!」って感じw こんな簡単に敵に近付かれていいんか。
最後は市民軍が攻めてきたの? 一応友軍……のはずなんよな。タリバンとか、ビンラディンフセインカダフィ。複雑で、誰を殺したところで中東の戦いは終わらないんすよね。

そこに今の戦争の現実がある。正直、関わらなきゃいいのに。結局、国内の話ですから。
ちょっとずつ磨り減るように人間が死んでいく。原住民はその何十倍も死んでるわけなんですがね。

他国が介入するからまたややこしくなる。そうと分かっていても色々な思惑があるわけで……戦いを止められないのは先進国も同じかもしれない。
では、また。

シンゴジラについて、その呉爾羅

2018-04-18 03:31:00 | 特撮
世間では2018年度が始まりですが、俺の中ではやっと2016年が終わったとこですw
シンゴジラですよワー!! 期待通り。見なくても分かる、面白いやつやん!w

各所で言われてるようにゴジラが主役。それをリアリティを持って対処する。
俺の見たのだとエンドオブシリーズとか。政府やら軍やらの高官がズラリ並んで会議する。ハリウッド映画だとよく見るシーンですが、シンゴジラのそれはもう……

このまま怪獣マニュアルとして使えそうw
完成度。実際に官僚やら自衛隊と一緒に脚本を作っただけのことはある。まさに官民一体w 空想なのはゴジラだけ。凄い。

早口には辟易したw 全体のテンポが良いんでそこまで気にはならないが。
震災を経た後だからこその映画なんでしょう。やはり見てて意識させられる。そういう共感を得た大ヒット。

庵野監督らしい作品でもある。フツーに流れるしねエバBGM。「流れるんだ……」とw
進化って設定も面白い。最初見た時はゴジラ分かんなかったw 後で出てくるんかと思ったら第一形態。

あれ出てきた時のインパクトは凄かったよな。ゴジラのイメージ一気に変わった。
続編出来たら絶対劇場で見に行くわ。もうエバなんて作らなくていいよw シンゴジラに集中してくれ。

庵野監督またやってほしいな~。色々気苦労は多かったらしいが。
完成したのも公開ギリギリだったらしいし、これだけの大作だから「疲れたもうやらん」ってのも仕方ないのかもせん……

尻尾のあれとか、意味深なエンディングにしといて逃げるのは卑怯だとは思うがなw 楽しみにしてます。
ハリウッド版はモスラやキングギドラが出るVS物みたいだから、シンゴジラはまた違ったシナリオになるんかな。

何にしてもホント楽しみやわ。物語としては東京オリンピックが無事に終わって~みたいになりそうだな。
そこからどう来るか。続編決定、早く来い!! では、また。

野火について、そのレイテ決戦

2018-04-14 04:53:00 | 日本 戦争映画
太平洋戦争。ガダルカナル、インパール作戦と並ぶ地獄と化したレイテ島の戦い。
補給が断たれ飢餓に苦しむ中、追い詰めらた兵士。食物がない。あるのは人間の死体だけ……

市村昆版よりも人肉食というテーマを存分に押し出した塚本晋也版。
市村版だと歯が取れちゃうんですよね。塚本版は本当に食べちゃう。

後、主人公は生き残る。原作者の大岡昇平氏もレイテ島で捕虜になったみたいで実体験を元にしてるそう。
生き残ること。単純に言い表せられないのが物語の引きを良くしてますよね。

自ら主演もこなした監督の個性が強いからか、異世界。独特の雰囲気を持っています。艶やかさすらある……
人肉食自体が異文化というかどこか遠い世界の話に聞こえるようでいて、どうしても他人事には聞こえないそんな違和感。

今でこそ飢えることのない国で生きてますが、現代にも通じる極限の選択。
これを責められる人間はいないと思う。

ちなみに実際の太平洋戦争の人肉食はあくまで噂です。特に確たる証拠があるわけではないそうです。
レイテ島は8万4千の兵士が入り、5千人しか生き残れなかった過酷な戦場。それが許されるかってたら話は別なんでしょうかね……

主人公の田村はキリスト教って設定もあるみたい。それで小説では苦悩していたって。
これは市村版にも塚本版にもなかったんよなー。この設定活かしたらもっと面白くなってたのに。なんで使わなかったんだろ?

とはいえ、新旧でどっちにも良さがある映画。日本の戦争映画は悲惨さとかそういうのを伝えようとする作品が多いけど、野火はそんなんじゃないんすよね。
それ以上の、極限の世界。表面的な感傷ではなく人間性を問う作品になってます。ぜひ見てみてください。

では、また。

エミリーローズについて、その真の故郷

2018-04-07 07:48:00 | ホラー映画
悪魔払いの末に少女が死んだ。ドイツで実際に行われたその責任の是非を問う裁判。
悪魔から少女を救えなかった神父。犯した罪とは、受けなければいけない罰とは……

洋画ホラーのド定番、悪魔払いを描いた作品ですが新しい切り口。
ウォーレン夫妻やメリン神父とか、エクソシストというヒーローをここでは過失致死で裁きます。そんな非科学的な!!w

もうちょい肝心の悪魔払いのとこが長ければってとこ以外は概ね満足。
今までにない映画ですし。神や悪魔の所在を現代社会の法律や科学や医学に当て嵌めて明らかにしようという試み。

欧米では衝撃作として話題になったらしいです。かく言う俺も最後まで見て驚きました。
多分、キリスト教圏の方々とは驚きが違う。これは人それぞれ解釈が分かれると思う。

「真相より可能性が大事!」って弁護士が言うことか? とか。まぁ、それは置いとくとしてw
問題はマリアだよな。皆これをどう見たの? 嘘か本当か。まぁまぁ、それも置いとくとして!!w

目に見えないものを信じるとして、果たしてメアリーの元に現れたのは本当に聖母だったのか……?
だってさ、目の前に苦しんでる人がいるのに助けねーもんなw 信仰って何の為にあるんだろう……

神の在り方を揺るがすことだと思うんですよねー。じゃあ、何の為に神様っているの? 人を殺すため? 苦しめるためか?
メアリーは死して悪魔の存在を証明しましたが……この裁判で一番得したのって悪魔じゃねーのかなって。

実際のドイツの裁判では神父は有罪判決。本来は半年の拘留刑だったらしい。でも、神父は罰金だけ払って牢屋には入らなかった模様。
これで本当に厳罰が下されてたら人の中にある精神世界に楔を打ち込むような……神を信じる人間がもっと減ってたと思うんですよね。

悪魔からしたらそれは商売上がったりじゃないですか。
メアリーに取り憑いたように、深い信仰や神への愛が必要なんですよね。悪魔にとって。

仏教圏とか、日本は宗教観がフワッとしているし悪魔の付け入る隙はありませんよね。
神を信じることが前提であり、そここそ悪魔の住処なんじゃないかなって思う。

試練という言い方。苦しんで信仰に殉じた末にあるのは……
こうやって疑心暗鬼にさせるのも悪魔の利するところか? うわぁー、もう嫌だ!!w

それでも神を信じるか?ってこと。
考えさせる映画です。では、また。



http://oka-jp.seesaa.net/article/418628540.html
『ファティマに現れたのは、おそらく「聖母ではない」ことをヤシンタの霊に気づかされる。さらにそこから導かれた輪廻転生のメカニズム』

この記事を思い出した。
己が身全てを捧げても、それでも神を信じられるかどうかが試練なんでしょうね。

なぜ苦しみを求めるのかは分からんがなw
なんで神様信じてるって対価が欲しいからやってんだろ!!w

ぶっちゃけそうっしょ?
良い事あるかもしんないから祈るんでしょうが!!