アメリカ人技師・ジャックは会社の都合で東南アジアのとある国へ、家族と共に転勤。 見知らぬ景色や異国の空気に戸惑いながらもその日はホテルで一泊を過ごす。
しかし、その矢先。現地の反乱軍が蜂起。国の首相が暗殺され大規模なクーデターへ発展。
街は混乱状態に陥り、ジャックが泊まっていたホテルにも反乱軍が突入。外国人を標的にした無差別な虐殺が始まる──。
「地下に潜む怪人」のジョンエリックドゥードル監督作。
何気にびっくりw たまたま見た映画だったんだが、こんな所で巡り合うとは。
地下に潜む怪人は傑作ですからね。ジャンルは違えど、この映画も期待を裏切らない面白さ。
随所にホラー監督らしいカメラワークや演出、緊迫感の作り方上手かったです。
「ホテルムンバイ」や「ジェノサイドホテル」のような、外国人が狙われるテロをモチーフにした作品ということで現実感もあり。
東南アジアのエキゾチックさも白人視点で丁寧に描かれていた。
異国情緒や異世界の雰囲気。白人の目にはこういう風に写ってるんですね。そこら辺、興味深くもありました。
「インドへの道」みたいな、白人と有色人種の何とも言えない肌感覚の違いと言いますか。
未知との遭遇、異文化との邂逅。それに対する不信感や懐疑心が生々しく表現されてる。
ちょっと誇張気味ではあるんですが、ここら辺は日本人にも理解しやすいんじゃないか。
同じアジア人とはいえ、東南アジアって怖いイメージあるし。
クーデターやデモが頻発してる地域なのもあって、それに自分が遭遇したらと思うと……。
実際、春にミャンマーで起きてますし。スーチーVS国軍。
今年に限ってはどこの国もキナ臭かったですが。アフリカとかぐちゃぐちゃですもんね。
自分の身に置き換えて考えるとより楽しめると思う。
シンプルなアクション映画としても面白かった。
舞台になる国はカンボジアがモデルらしくて、カンボジアはアメリカから空爆を受けたり元々反米意識が高いらしい。
劇中の反乱軍もポルポトの大虐殺とか考えると、そういう極左思想も残ってそうだしね。全体的にストーリーに説得力がある。
「娘がイラつく」とか「アジア人を見下してる」とか、レビュー見るとそんな内容多かったけど、特段見てて気になるとこはなかったかな。
あっさりピンチを切り抜けたり、ご都合主義な展開はあるにはある。見応えとしてはそこまでガッツリってわけじゃないから拍子抜けする人もいるとは思うけど、サクサク見れる分俺は好きかな。
まぁ、ピアースブロスナンさんが活躍し過ぎなのは否めないw
この映画の難点を上げるとしたら唯一それ。
まず存在感があり過ぎる。オーラというか、完全に周りを食ってますからね。劇中通してずっと浮いてた。
設定もイギリスCIAということで、もはやジェームズボンドじゃないw サービスにしてもやり過ぎ。
いっそのこと、この人が主人公で良かったんじゃないか?
内乱が勃発したカンボジアへ要人を救出しに潜入するとか。そういう内容でも面白かったかもね。
まぁ、とはいえ、まずまずの完成度。
久々に素で楽しめた映画でした。では、また。
ジェノサイドホテル↓
地下に潜む怪人↓