おジャ魔女どれみと徒然

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峠について、その最後のサムライ

2023-08-07 22:44:00 | 時代劇

 史上最強、一番のホラー映画、爆誕。
 台湾アメリカインドネシアと見てきましたが、やっぱりJホラーは最強ですねw

 まさか司馬遼太郎がホラーも書いていたとは、知らなかったなあ。
 はい、フザけるやめw 司馬遼太郎原作『峠』の映画化です。

 新潟長岡の偉人・河井継之助、その最後の1年。
 最初は北越戦争をダイナミックに描いてくれると思ってたから、そこは拍子抜け。戦争映画ではないので。

 それに映画の作りとしても不親切かなとは。
 冒頭で大政奉還やら鳥羽伏見やら、そっからスパッと長岡へ飛んで、河井継之助の説明はなし。

 いきなりドラマの最終話から始まる感じ。河井がどういう生い立ちで~とか一切描かれない。
 小説読んでないから、原作遵守なんかそれは分からない。が、思い切った省略なんでは?

 歴史知識ない人はイラつくし、やっぱり不親切。
 俺は歴史好きだから特に問題はなかったが。ここで評価が分かれると思う。

 前振りはないけど、河井の最後の1年に全振りというか。比重を置いた作品としては完成度は高い。かなり極端な作りをしてる。
 ただ、幕末はどうしても薩長に偏った作品多いし、こういう佐幕派の作品の存在は貴重。

 映画自体の質も手抜きではないし、最後まで見たら面白かったな思う。
 てか、低評価してる奴ら、薩長の子孫かなんかの連中やろw

 それに何より印象的なのが、この映画、ただただ怖かったです。
 そういや役所さん、『十三人の刺客』の時、「侍はもうコリゴリだ」って死んでいったんよね。

 山本五十六の時も、アメリカとの講和に望みを賭けながら、どこか絶望していた。
 役所さんが演じる武人ってそんな奴ばっかじゃね?w 河井はその究極形態みたいな感じ。

 まぁ、河井の最後が最後だから仕方ないけど、諦めの境地なんよ。
 「侍は俺で最後」。溜め息つきながら、そう言い切る。

 その様が怖い。侍として戦い死ぬ。
 生き様も死に様も、今現在まで伝わる悲壮な覚悟。

 その上で河井は問いかける。「俺は死ぬけど、お前はどうする?」と。それを戦うことで示す。
 別に自殺教唆ってわけじゃない。「一緒に死のう」とか、そんな情けないことは一言も言ってない。

 もっと根本的な問いなんすよね。
 生きるも死ぬも自由だけど……その先は、分からない。

 哭悲はアトラクションでしたが、この映画は現実ってのがね。おそらくこれは今の日本の姿でしょうから。
 江戸幕府300藩のなかでも小さな長岡藩の話でしたが、そこから160年経って日本全体の話にまで膨れ上がったんじゃないか。見ててそう思った。

 160年前は幕府や侍が滅ぶ、特定の組織や階級が滅ぶだけの話だったのが、今や日本人1人1人に突き付けられた選択になってしまったのでは。
 悪魔やゾンビより、生きるか死ぬか選択させられる方が怖くないか?w
 
 俺はこの映画見て、他人事とはどうしても思えなかった。
 では、また。



空海について、その「己が風になれ!!」

2021-08-20 20:35:00 | 時代劇

 やたら低評価が多い気がするんですが、天台宗とか奈良仏教の手先の仕業ですかね?w

 空海の自伝映画。面白かったです。
 空海の生涯は伝説であったり、よく分かってない部分も多いわけで、それを承知の上なら物語として楽しめるんじゃないかと。

 満濃池の下りはすげー脳筋で笑っちゃった。「昼夜問わず100日と思え!」とかw
 けっこうポップな作りになってんすかね。三時間の割には見易く出来てると思う。

 桓武ー平城ー嵯峨天皇と、当時の平安の事情も説明してくれて親切設計。
 鳴くよウグイス平安京の時代。何で遷都したのかとか、薬子の変とか、この時代のことよく知らない人には勉強にもなる。恥ずかしながら俺はこの映画見て初めて知ったこと多かったです。

 遣唐船の実物や中国ロケも凝った演出。
 嵯峨天皇×空海×橘逸勢の三筆トリオ。この組み合わせはもっと見たかった。この三人を主軸にしても良かったのでは?

 元々は勝新太郎さんが主演予定だったらしいですが、そのバージョンも気になりますね。とんでもない怪僧を演じそうw
 まぁ、北大路欣也さんという落ち着くべき所に落ち着いたかなと。これも弘法大師の導きか。

 最後はお遍路好きには嬉しいラスト。俺も何気に元お遍路ですから。もう10年前の話ですが……
 前回は88ヶ所はコンプリートしましたが高野山は時間の都合で行けず……それがずっと心残りだった。

 この映画見たのもなんかの縁のような気するな。本当に近々行こうと思ってんですよ。
 そしたらこのブログで実況しようと思ってます。楽しみに待っててくださいw

 では、また。
 


禅について、そのZEN

2021-05-19 02:21:00 | 時代劇
日本曹洞宗の開祖・道元禅師の物語。
最初の中国語はびっくりした。さすが角川演出。他にも誇張・強調しすぎなシーン多かったですけど面白く見れました。

波多野とか急に出てきたり、後々調べないと分かんないことも多くてちょっと端折りすぎなとこもあるかな?
道元を知る・禅の思想を知るという点で本当の入門や導入って感じ。仏教に詳しい人は見応えないと思いますが初心者だったら楽しめる。実際に俺は見た後、坐りたくなってきたw

中村勘九郎さんの演技が素晴らしい。
道元という人は只管打坐という一見簡単そうな教義を打ち立てたと思いきや正法眼蔵という学術書も著す二面性や深い見識を持ってたわけですが、その中の人柄や人間的な部分をよく表せてたと思う。

「禅」ってタイトルがちょっと詐欺かもしんないw
道元の伝記物とかヒューマンドラマみたいなもんですかね。

寂円↔️公暁の友情であったり、道元の最後は母親の遺言を果たしたってことでもあるんかな。
そういうストーリー展開も好感が持てる。おりんの入宋はやりすぎだと思うがw

これから道元という人を知りたいとか禅って何?って人にはおすすめの一本。
では、また。



柘榴坂の仇討について、その掃部様

2020-11-13 18:21:00 | 時代劇
綺麗な時代劇。雪景色や町並みやら。風景も雑な所が一切ないな。
井伊直弼もあの世で浮かばれるやろ。こういう映画撮ってもらえたらw

時代劇ってなんか現代的な価値観を無理に当てはめて、説教臭い作品も多いけど。
この作品はその当時の面影大事にしている感じが伝わってくる。

浅田次郎原作いいな。大河も作ればいいのに。壬生義士伝も面白かった。
斎藤一主人公で新撰組とか、面白いんちゃう? 中井貴一とか佐藤浩市とか出演したら俺はめっちゃ興奮するw

禄も汚名も全て打算と言い切った男が最後に目にするものとは……
これはぜひ自分で確かめてください。

結論言っちゃうと呆気ないし陳腐ではありますよw 肩透かしですw
でも、結局、人を想うってそういうことですから。

では、また。