時々雑録

ペース落ちてます。ぼちぼちと更新するので、気が向いたらどうぞ。
いちおう、音声学のことが中心のはず。

バーゲンのシーズン

2005年12月05日 | Bloomingtonにて
感謝祭が終わるとモノが安くなると聞いていました。今日、スーパーに買いだしに行きましたが、たしかにそういう感じはします。ふだんは2ドルちょっとのハムが、「10コで$10!」とか。(実際には1コ単位で買えます。買いました)玉ねぎも8コくらい入ったネットが、普段の半額の$1だったのですが、持ち帰れないのであきらめました。

 こちらに来てすぐに買い揃えた、シャンプー、ティッシュペーパー等々、ちょうどなくなりそうモノがでてきているので好都合。忙しいこともあって食料の補給以外の買い物はほとんどしていなかったのですが、またあれこれ買い物をすることになりそうです。

 こちらへの荷造りをするとき、「留学ドットコム」というウェブサイトを参考にしました。たとえば「耳かきはないからもって行け」とか「PC関連はアメリカが安いので不要」とか。アメリカに留学してそのまま居ついている方が作っているだけあって、ここBloomingtonでもその通り、ということが多いです。そのサイトの持ち物情報の中に「歯ブラシは日本のものを持っていったほうがいい」というのがありました。アメリカのものはサイズが大きすぎるから、という理由でした。

 しかし、日本で買って持ってきたものは磨耗し、歯みがきもなくなりそうなので、今日探しました。で、本当にみんなブラシがでかい。アメリカ人の口は私たちの2倍あるんですか、というサイズです。で、結局選んできたのが写真のもの。5~7歳用で、「秘密◎ンタイ●レンジャー」のようなヒーローの絵が入っています。ちょうど安売していたし、人に見せるわけではないので。。。

 感謝祭休み以降、スーパーはずーっとクリスマスソングを流しています。1週間前、スーパーの駐車場には2mほどもあるもみの木(?)がどかどか並べられていましたが、今日行くと半分以上売れていました。アパートやfraternity、sorority(よく分からんのですが、学生がやや秘密結社的な濃密な共同生活をする寮らしい)などで派手な電飾を始めたところもあり、キャンパス内にも電灯に赤いリボンが付けられました。今のところ見る限りでは、日本とそれほど変わらない「クリスマスシーズンの装い」です。

 いよいよ今学期最後の週、持ち帰りの期末試験が渡されるはずです。どんなものなのか、ご報告しようと思っています。

 続報(?) 歯ブラシ使ってみました。たしかに、ブラシ部分が小さくて、部分ごとにみがけていいのですが、柄の部分が短すぎて、持ちにくい! アメリカの5~7歳児の手は、さすがに私の手よりかなり小さいみたいです。いい考えだと思ったんですが...

サッカー観戦と時差

2005年12月03日 | サッカー
私はサッカー観戦が好きで、どこの国のものも見ます。韓国語を勉強するためソウルに3週間いたときは、Kリーグの水原・大田・城南の試合を見ました。学会でバルセロナに行ったときは、カンプ・ノウのスタジアムツアーに行きました(というよりバルセロナに行きたいから学会に応募した)。イタリアでは、ブレシアで引退直前のロベルト・バッジョの1ゴール2アシストを見ました。かなりバカです。実際にボールを蹴るのはヘタですが。

 Jリーグのチームでは、ホームグラウンドの駒場のすぐそばの高校(全国優勝したこともある)に通っていたので、浦和のファン。アメリカは実はサッカーの競技人口が多いのですが、サッカーは人気競技ではないので、サッカー観戦の楽しみはあきらめてます。IUのサッカーチームは前シーズンの全米チャンピオンにもなったくらい強いらしいので、一度見たいとは思っていますが、勉強が忙しくなって実現していません。

 日本では欧州のサッカーがTVで見られる環境にあったのですが、時差の関係で、たとえば日曜の夜に試合がある場合、日本時間でいえば月曜の早朝。それでもしばしば起きて見てましたが。ところがこちらは日本と14時間の時差があり、日本の深夜はこちらの昼間。ヨーロッパで昼にサッカーをやっている場合、こちらでは朝、夜やっている場合、こちらでは夕方です。なので、リアルタイムで結果を追いかけることも可能。

 W杯予選の最終日は(いちおう勉強しながら)リアルタイムで結果を追いかけていましたが、モロッコとチュニジアはすごかった。W杯出場権が両者の間を二転三転しました。インターネットで文字情報を見ているだけですが、それなりに楽しめます。ところがこんどは、日本のサッカーの試合時間がこちらにとって寝ている時間帯になってしまいました。Jリーグなどは、土曜の朝に起きてから結果を知ることになります。

 ところで写真ですが、今日は夕方から、言語学科に客員研究員としていらしている日本人のYさん(音韻論)のお宅にうかがって、夕食をごちそうになりました。浅漬けやら、シジミのお味噌汁やら、長らく口にしていないものをいただいて、幸せ。美味しかった... 許可をいただいて、食卓の写真を取らせていただきました。奥にいるのはご長男。IUの幼稚園に通っています。乗り物が大好きで、Bloomingtonのバスルートは完全制覇。どのバスがどのルートを通るか、彼に聞けば全部わかります。

 Yさんはワタシと(たぶん)ほぼ年齢が同じで、体験したことや知っていることが非常に近くて話がはずむのですが、もう一つ、Yさんご夫婦もサッカー大好き。奥さまの地元の鹿島のファンです。鹿島・浦和ともきわどく優勝の可能性を残して最終節、お二人は夜更かししてインターネット実況で情報をチェックするおつもりのよう。どこが勝っても、また楽しく話ができそうです。

 ついでに。Yさん宅でCartoon Networkの「Hi Hi Puffy Ami Yumi」を見ました。日本でも見られるようですが。彼ら自身が歌っているスペイン語版のオープニングテーマもあるんですね(♪Empezamos nuestro show♪とか歌ってました)。Latinoの子供もターゲット、ということでしょうか。また、アニメーションの中ではワキ役のおじさんは日本語なまりの英語なのに、Ami、Yumiはアメリカの普通の若い女の子っぽい英語。主人公まで日本語なまりでは、いくらなんでも子供たちも入れ込めない、ということなんでしょうか。

多言語世界

2005年12月02日 | Indiana大学
昨日の記事でKellyの社会言語学の授業での発表について書きました。これは単位を取りたい学生全てが一度ずつ行うもので、ほぼ終わりました。以下に発表者とテーマを並べました。順序はおおよその発表順。授業の進行とだいたい対応しています。発表者の名前や国が分からない場合があるし、抜けているものもあるかもしれません。国が書いてないものは、アメリカ人ということです。でもNicholasはスペイン語圏からの移民だと思います。

Nicholas (スペイン言語学) プエルトリコ移民のコードスイッチングにおける談話マーカー使用
Asta (理論言語学・リトアニア) リトアニアの言語事情
Sara (理論言語学) モロッコのダイアグロシア
Andrew (理論言語学) 契丹語の系統
Duce (理論言語学) 半島ポルトガル語とブラジルポルトガル語の比較
Junghyoe (理論言語学・韓国) 韓国の「ネット言語」
Sinem (教育学・トルコ) ネットワーク形成における言語使用
Karin (?・ドイツ) ドイツ語の呼びかけ語
?(?・?) スペイン語(中南米)のTuとUsted
Andrew (ドイツ語学科) 英語の/r/脱落
ヨシダ (理論言語学・日本) 日本語方言アクセントの共通語化過程
Liz (ロシア語学科・ロシア) ユダヤ人の言語文化伝承
Yen-Chen (理論言語学・台湾) 台湾のポライトネス
Abdulai (民俗学・ガーナ) ガーナとアメリカのポライトネス比較
Kristen (応用言語学) 研究指導の終え方(会話ストラテジー)
Susan (応用言語学) 留学生のデートの承諾&断り方(会話ストラテジー)
Jing-yueh (理論言語学・台湾) 中国語の性差別
Jose (フランス語学科・カナダ) トランスジェンダーの言語
Bart (理論言語学) アメリカにおけるマイノリティへの英語教育
Yi-ting (理論言語学・台湾) 台湾の英語教育

自身の調査研究について述べたもの、有名な論文の紹介、自国の言語事情の紹介など内容はさまざま。Astaはソビエト連邦からの独立以降のリトアニアの言語政策の変化について。Andrew(モンゴル人の奥さんがいる)は契丹語の系統にダウール語の「基層」がある可能性を探るもの。Saraはモロッコの二言語併用について、留学体験も織り交ぜて紹介。Karinの発表はドイツ語の呼びかけ語の厳密なルールについて。Sie(フォーマル)からdu(カジュアル)に変化させるとき、当人同士の明確な宣言&承認が必要なのだそうです。応用言語学科の二人の研究報告は、まるで、留学生のための大学生活ガイダンスのようでした。Sunanによれば、留学生のデートの断り方をネイティブに判断させたところ、より上手な回答をしたのは女性に多かったそうです。なんか納得。Joseはフランス語が母語のアフリカ系カナダ人で、ジェンダーと言語の研究の中でいまだ手付かずのホモセクシュアルの人たちの言語研究の可能性について。。。 内容も対照となる言語もバラエティに富んでいて、質問・コメントも盛り上がり、正直、授業より面白い。

 アメリカ人(それも白人)が圧倒的で、(他の大きな大学に比べ)やや多様性には欠けるIUですが、この授業はけっこう多彩。知らないことばかりで、教室にいるだけで「多言語世界」をのぞいた気になりました。私も日本で授業を担当していた頃には、日本語ボランティアで知り合ったイタリア人をゲストに迎えたりしましたが、比べ物にならない充実度でした。

 ただ、ちょっと残念なのはこの授業も含め、あまりアフリカ系の人がいないこと。この授業ではJoseの他にはガーナ人のAbdulaiだけ。彼は私とよく話をしてくれるのですが、サッカーが好きで、ガーナのW杯初出場を喜んでいます。アメリカがいよいよ代表デビューさせようとしている、16歳のアドゥもガーナ移民。彼はガーナ代表とアメリカ代表のどちらも選択できたのですが、迷わずアメリカ代表を選んだようですね。ガーナのナショナルチームはタレント軍団で、Abdulaiは「いいんだよ、あいつなんかいなくても大丈夫だ」と自信満々です。

 写真は今日の11時ごろ、キャンパス内。10月26日の記事の紅葉の写真とだいたい同じ場所ですが、すっかり葉も落ち、今日は雪。うっすら積もっていますが、その後気温が0℃くらいでとどまったし、降りも弱かったので積もりませんでした。まだ、リスやウサギはキャンパス内を飛び跳ねています。

たんなる日記みないなもの

2005年12月01日 | 
雑多に今日あったことを報告します。

 水曜日は社会言語学の授業日。今日は4回目のレポート提出。「ジェンダーと言語」についてのエッセイでした。自分の第一言語をテーマにしてよかったので、日本語を題材に。最近の日本語の性差についての論文とか、有名なDeborah Tannenの論文などを英語で読みました(はじめてTannenを読みました。本格派なんですね。いい論文でした!)が、『愛の流刑地』とか、『負け犬の遠吠え』とか、大阪大行動経済研の報告書『なぜあなたは不幸なのか』とか、日本語で書かれた資料も使って、好き勝手なことを書きました。ちょっとラクでした。

 授業では毎回1人ずつ発表があります。今日は台湾のYi-Tingが発表。台湾における英語学習熱について。事情は日本と似ているように感じました。ネイティブのAETが珍重されているけど、言語教育トレーニング無しに教えている人が多くて、あまり成果はあがっていない。でも、厳しいトレーニングを受けた台湾人の先生はあまり親や生徒に評価されない。塾へ通うことが推奨されているため、親の経済力による学力差拡大が進行中。中国語学習だけで手一杯の原住民系は英語まで手が回っていない等等。 いい発表でした。

 彼女にはKellyという英語のニックネームがあり、私はそれで呼んでいます。台湾では珍しいことではないそうで、英語教育の加熱ぶりが分かります。彼女を含めた、台湾からの1年生3人はみんなとても英語が上手です。私は知らなかったのですが、2001年から台湾は普通話(Mandarin Chinese)に加えて、Taiwaneseを公用語としたそうです。その狙いは明らかだと思いますが、EthnologueのWebには... その情報は載っていないですね。外務省の各国地域・情勢Webでは... 日本は正式には台湾を国として認めていなかったですね。あるわけがなかった。

 Kellyに尋ねると、「Mandarin Chineseが自分たちの文化だと感じているから、Taiwaneseを公用語にする意義は感じられない」とのことでした。でも彼らは、自分たちを「中国人」だとは思っていないようで、別の台湾の学生Yen-Chenの発表のときに、タイトルが"Politeness in Taiwan"なのに質問になったらもうみんな"In China..."、"In Chinese..."となるので、「台湾は中国じゃない!」とご立腹でした。

 写真は落ち葉掃除のシーン、めちゃくちゃな量が落ちっぱなしになっていて、ここの人は片付けてもきりがないから、落ち葉は放置するんだろうか、と思っていましたが、やっぱり片付けるようです。見にくいかもしれませんが、画面左側にある赤いトラクターみたいな車から空気を飛ばして、落ち葉を寄せ集めて、あとは人間がかき集める、という作業をやっていました。

 授業後、学生会館(書店・食堂・ゲーム場・映画館・銀行・ホテルなどの複合施設)に寄ったあとバスで帰宅。図書館のところでトルコ人のSinemが乗ってきました。知り合いの応用言語学のトルコ人の女性(名前は忘れました)も一緒に乗ってきたので、「ああ、二人は知り合いだったの~」と言うと、そうではなく、二人とも私の顔を見て近づいてきただけで、お互いは会ったこともなく、意識もしていなかったということです。

 私が指摘してはじめて、お互いがトルコ人であることを知ったらしく、偶然ながら私がトルコ人どうしを引き合わせることになりました。その後は話し込んでいました、トルコ語で。ちょっとだけ不思議な体験でした。応用言語学のトルコ人の女性はアンカラ出身。「この国の文化がどうも合わないから、Ph.Dまでは取らないで帰ろうかな...」と言っていました。一方のSinemはイスタンブール出身。日本人のフィアンセがいるのですが、日本語は話せません。

 脈絡のない内容でしたが、今日あったことでした。