人の生き方や誇りを考えるうえで大きな反響を得ている映画『明日への遺言』は,去る3月1日公開され,現在上映中だ。上に写真掲載した大岡昇平『ながい旅』が原作となっている。
監督は,黒澤 明監督に師事した小泉堯史(こいずみ たかし)氏。デビュー作『雨あがる』(2000年)で日本アカデミー賞最優秀作品賞,ヴェネチア国際映画祭緑の獅子賞を受賞,その後『阿弥陀堂だより』(2002年)や『博士の愛した数式』(2006年)でも高い評価を得ている。この名監督が満を持してリリースしたのが,この『明日への遺言』,期待作だ。
この『明日への遺言』には,一人の軍人,岡田 資(おかだ たすく)陸軍中将とその家族が描かれている。すでにお気づきの方もいらっしゃると思うが,この岡田資中将は,昨日本blogにアップした岡田陽先生のお父君だということがこの度分かった。陽先生はご長男にあたる。昨日「最近思わぬところで再会することになった」と書いたのは,実はテレビのうえでのこと,プロモーションビデオに陽先生が出演して,お父君のことを話されていたのだ(ちなみに,陽先生は大正期の八大教育主張のうち「全人教育論 」で知られた小原國芳先生のご令嬢と結婚されていたと記憶しているが,映画にもこのご令嬢がフィアンセとして役柄設定されている)。
「『明日への遺言』って,いい映画みたいだから,見てみようかなぁ」程度の気持ちで見るともなく眺めていた画面に,突然見知った顔が浮かび上がったときには驚いた。
「???ええ???」
テレビをよく聞いてみるとご長男ということが分かり,重ねて驚いた。恩師との思わぬ再会は,このような形で突然訪れたのだった。「見てみようかなぁ」から「絶対見なきゃ」に変化した映画は,次のように紹介されている。
[明日への遺言 公式Website]
以下Websiteより
---
これは,極限状況において,誇り高く生き抜いた一人の男と
それを見守る家族との深い絆と愛の実話である
--
夫は戦犯として
処刑の席についておりますが,
わたくしは今もなお
岡田資(たすく)の妻であることを
誇りに思っております
--
第2次世界大戦後
無差別爆撃を実行した
米軍搭乗員処刑の罪に問われ,
戦犯裁判にかけられた
東海軍司令官,岡田資中将。
法廷闘争を「法戦」と名づけ立ち向かう夫を
傍聴席から見守る妻・温子(はるこ)とその家族。
部下を守り全責任を負う
岡田資中将の潔い姿は
次第に,敵国の検察官や裁判官をはじめ
法廷内にいるすべての人を魅了し
心動かしていく。
そして判決が下る・・・
岡田資中将が
命を掛けてまでも伝えたかったこと
守りぬいたものとは
何だったのか・・・
--
温子,連日法廷の傍聴御苦労である,
会話を交わすことは規定が許さんが,
私にはそなたの顔の表情の変化を見れば,
其の意味は十分に通ずる。
笑顔を交換するだけで結構結構。
私は必ず戦いに勝ってみせる。
---
人はどうあるべきかを,押しつけでなく真っ正面から問いかけてくる作品のようだ。見てみたい。絶対見なきゃ。
監督は,黒澤 明監督に師事した小泉堯史(こいずみ たかし)氏。デビュー作『雨あがる』(2000年)で日本アカデミー賞最優秀作品賞,ヴェネチア国際映画祭緑の獅子賞を受賞,その後『阿弥陀堂だより』(2002年)や『博士の愛した数式』(2006年)でも高い評価を得ている。この名監督が満を持してリリースしたのが,この『明日への遺言』,期待作だ。
この『明日への遺言』には,一人の軍人,岡田 資(おかだ たすく)陸軍中将とその家族が描かれている。すでにお気づきの方もいらっしゃると思うが,この岡田資中将は,昨日本blogにアップした岡田陽先生のお父君だということがこの度分かった。陽先生はご長男にあたる。昨日「最近思わぬところで再会することになった」と書いたのは,実はテレビのうえでのこと,プロモーションビデオに陽先生が出演して,お父君のことを話されていたのだ(ちなみに,陽先生は大正期の八大教育主張のうち「全人教育論 」で知られた小原國芳先生のご令嬢と結婚されていたと記憶しているが,映画にもこのご令嬢がフィアンセとして役柄設定されている)。
「『明日への遺言』って,いい映画みたいだから,見てみようかなぁ」程度の気持ちで見るともなく眺めていた画面に,突然見知った顔が浮かび上がったときには驚いた。
「???ええ???」
テレビをよく聞いてみるとご長男ということが分かり,重ねて驚いた。恩師との思わぬ再会は,このような形で突然訪れたのだった。「見てみようかなぁ」から「絶対見なきゃ」に変化した映画は,次のように紹介されている。
[明日への遺言 公式Website]
以下Websiteより
---
これは,極限状況において,誇り高く生き抜いた一人の男と
それを見守る家族との深い絆と愛の実話である
--
夫は戦犯として
処刑の席についておりますが,
わたくしは今もなお
岡田資(たすく)の妻であることを
誇りに思っております
--
第2次世界大戦後
無差別爆撃を実行した
米軍搭乗員処刑の罪に問われ,
戦犯裁判にかけられた
東海軍司令官,岡田資中将。
法廷闘争を「法戦」と名づけ立ち向かう夫を
傍聴席から見守る妻・温子(はるこ)とその家族。
部下を守り全責任を負う
岡田資中将の潔い姿は
次第に,敵国の検察官や裁判官をはじめ
法廷内にいるすべての人を魅了し
心動かしていく。
そして判決が下る・・・
岡田資中将が
命を掛けてまでも伝えたかったこと
守りぬいたものとは
何だったのか・・・
--
温子,連日法廷の傍聴御苦労である,
会話を交わすことは規定が許さんが,
私にはそなたの顔の表情の変化を見れば,
其の意味は十分に通ずる。
笑顔を交換するだけで結構結構。
私は必ず戦いに勝ってみせる。
---
人はどうあるべきかを,押しつけでなく真っ正面から問いかけてくる作品のようだ。見てみたい。絶対見なきゃ。