詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

ムー大陸の所在位置と「アイヌの世界観」山田孝子(講談社選集)

2007年03月25日 | Weblog
日本列島の約半分(北海道・北日本)と樺太・千島列島の先住民族だったアイヌ民族についての本を一冊だけあげたら・・と聞かれたら、僕は躊躇無くこの本を推薦したい。

アイヌ民族についての歴史以外のあらゆる分野が過不足無く言及されている。
とりわけその宗教観・世界観は懇切丁寧だ。
特に僕が興味深かったのは、ニブヒという北樺太や黒龍江流域に住む古アジア諸語形民族との世界観や熊祭等の類似点だ。

アイヌの伝承にもーアイヌはもともとはカムチャカ半島に住んでいた民族が、北海道へと南下してきて、そこで日本人と混血したのだという伝承が残っている。
これは、日本人の共通の先祖&共通の文化・文明というべき縄文人の成立過程とも同一なのではと思う。

そして、一万数千年間の縄文時代にも存在し続けた中部地方を境界とする東西差の理由としてはー
「ムー大陸」とでも呼ぶべきスンダ大陸(氷河時代に大陸状態だった東南アジアから華南にかけての氷河時代の最先端文明地帯)からの文明・文化と・・
後に、蝦夷やアイヌ民族として・・世界最古の土器と日本海交易圏(南島の貝と黒曜石主体の)とを2本の柱とする縄文文明・文化を今日まで伝えてきた・・新大陸やシベリア・ヨーロッパ先住民(ケルト等)とも共通する北方古モンゴロイドとの文明・文化とが、日本列島で出会って数千年間かけて熟成されてきたのが縄文文明・文化だったのではないかと思う。
それゆえに日本列島は、世界中のあらゆる文明・文化との共通性をもつという稀有の普遍性を持ち続けてきたのではないかと思う。

動物文学の最高傑作!「野生の呼び声」ジャック・ロンドン

2007年03月25日 | Weblog
犬に関しての本としても、「世界の中心で愛を叫ぶ」というSFと双璧ではないかと思った。

特に「十代の若者たちに読んで欲しい本100冊」を選ぶなら・・真っ先に挙げたい本だ。
それほど、十九世紀末のアラスカのゴールドラッシュについての貴重な記録でもあると思う。

この本の他に、僕が100冊に選ぶ日本文学はー
現在に近い順からー
中沢新一「カイエ・ソバージュ全5巻」、谷川健一「日本の神々」、浅田次郎「プリズンホテル」、ヤン・ソギル「夜を賭けて」、司馬遼太郎「坂の上の雲」、山本周五郎「さぶ」、山之口獏詩集、坂口安吾「(題名度忘れ・・・歴史物)、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」、柳田國男、南方熊楠、夏目漱石、正岡子規・・

他の作家にはない批評眼のようなものが判断基準になってるのかもしれないナー