詩人PIKKIのひとこと日記&詩

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日本人と日本列島の秘密ー世界最古の文明・文化、並立的王権と様々な差別形態

2010年05月06日 | 歴史
日本人とはいったいなんだろうと考えると、その第一の特徴は、物への細やかな愛情や物作り&交易への情熱なのかもしれないなと思う。そしてそれらは平和なしには不可能なので、平和憲法は生まれるべくして生まれたものだと思う。(人類史上最悪の大量無差別兵器原爆被害もまた・・)

前者は、縄文時代以来のアニミズム的伝統・・貝塚という生き物ばかりか道具をさえも霊送りした伝統のせいかもしれない。日本独自の「草木鳥獣悉皆成仏」という仏教的な宗教観もまた。

開高健は数十年前にこう書いている。
『《人》に絶望した人は《物》をこそ優しいと感ずるはずなのである。なぜなら《物》は原子爆弾のボタンであろうと、自転車修理用のペンチであろうと、ねにそこに確固とした形をとって存在し、つつましく沈黙し、《人》に触れられるまでは決して動こうともせず、変貌しようともせず、転向しようともしない。・・
《物》は冷酷であるがゆえに謙虚であり、実力にみち、優しいのである。
このことを知っているのは労働者と農民だけで、知識人(官僚公務員も・・)たちはまったく《物》に触れたことがないのだ』(『ああ。二十五年』開高健より)

ただ、現在の日本人自身がその歴史や文化について正確な情報を持っていない・・いや持つことを権力者たちから邪魔されてきたのはとても残念なことであり、それを現在でも阻害している宮内庁の天皇陵等の発掘禁止や、文部省による一種類の教科書への体制翼賛的な検閲制度や、同様に体制翼賛的マスメディアの言論支配は早急に改善すべきだ。このままでは、日本人は有り余る宝物や食料を前にしながら餓死してゆく・・哀れな奴隷の境遇から永遠に脱出不可能だからだ。

特に注目すべきこの列島民の特徴と思うのはー
(1)最後の氷河期から約一万年間という世界最古の文明・文化。その技術(土器等)や文化は現在まで断続することなく継続中。日本海を取り巻く海洋交易(黒曜石、貝製品、アスファルト等)の伝統もまた。
(2)大陸から金属加工・稲作という文明がもたらされて以降の、この列島の五つの文化圏の形成と王権の並存。(差別の形態がその五つでは別種の形態を)
①西日本(大化の改新で「日本」国と最古の王権「古代天皇制」成立) ②東日本(武士という日本で唯一の倫理に担い手成立) ③東北 ④アイヌ文化圏(北海道、樺太、千島列島、北東北) ⑤沖縄
(3)上記の①②⑤は独自の王権形成。③は②に被征服を(ここだけが差別構造がほとんど皆無)。④⑤は明治初期まで独自の文化圏や王権を。
(4)経済的には14世紀頃までに①②③が共通の市場を形成して、貨幣流通どころか、手形までがその頃すでに成立。(「日本人」という民族もこの頃成立・・北方への元寇に対抗して同様にアイヌ民族成立)
(5)日本列島は従来の学説のような自給自足的な農耕社会ではなく、むしろ交易交流を主体とする社会というべき。(百姓は農民というよりも手工業、交易民で、人口の半分以上が伝統的にそうだった)
(6)大陸のように、権力交代の際に一族皆殺しというケースがほとんど皆無だったので、伝来したあらゆる人類の文化・文明遺産がこの列島には保存された。(唯一の例外は、皆殺しにされた聖徳太子一族くらい)