詩人PIKKIのひとこと日記&詩

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黒澤明監督の好きだった映画監督&ファシズムの両輪の一つの裁判員制度

2010年05月18日 | 日記
故黒澤明監督には色々不思議な点が多い。予算があったら、一番映画化したいのが「平家物語」だというのはわからないではない。でもトルストイの「戦争と平和」を30回も読んだといい、それを薦めていたのには驚いてしまった。原作も映画も、たちまち鼾をかいて寝てしまうのが常だったので・・

黒澤明監督の好きだった映画監督は、ジョン・フォード(「わが谷は緑なりき」「怒りの葡萄」「荒野の決闘」が良かった!)以外は、とても不思議だなと思う。そのどの監督もぼくの大好きな監督や映画ばかりだけど・・

①「大地のうた」ーインド映画。黒澤監督が”世界映画史上最高の名作”と言い、レイ監督の自宅まで訪問。日本とも共通するインドの大地と文化を感じる映画だった。
②「旅芸人の記録」ーてっきりイタリア映画だと勘違いしてたけどギリシャ映画だった。アンゲロプス監督は黒澤監督もビックリのワンシーン・ワンカットの連続だった。
③「友だちの家はどこ?」ーぼくの好きなイラン映画中でも特に好きなアッバス監督について黒澤監督は、”この作品が示した映画表現の簡潔さに好意をよせている”と。
アッバス監督の子供たちへのあこぎな”やらせ”はすさまじい!のひと言。(わざと宿題をやることができないようにさせて子供を泣かす等)

「それでもボクはやっていない」(周防正行)を読んでいたら、その巻末に監督と対談していた木谷明氏がテレビに。
なんでも裁判員制度が始まって一年とかで裁判員制度&裁判批判の持論を・・
「十人の真犯人を逃すとも、一人の無辜を罰するなかれ」という言葉や、「裁判員にきちんとに説明しなければならない(黙秘権・弁護人選任権等について説明後、逮捕容疑について被疑者の弁明の前に)」。

そういう事を前近代的な警察検察や裁判所がいいかげんにやってきたので、冤罪が絶えないのだと思う。これを改善するためには取り調べの可視化しかない。
死刑か無期懲役かを数日間の内に決めなければならない裁判員の負担軽減のためにも・・
映画のシナリオ完全収録の上に、自作解説も載っているので、映画好きには是非この本を薦めたい。