近頃、負けを認めざるを得ない事がいくつもある。
例えば二十歳になったばかりの“ろん”。
ぽんが生まれる時、フリフリのドレスを身に纏い、我が家にお泊りにやって来た。
抱っこしようとしても、するりするりと私の手からすり抜けて
笑いながら逃げ回り、跳ね上がったスカートからフリルのパンツが見えた時
妙に恥ずかしくって顔が熱くなったのを思い出す。
・・・だって、フリルのパンツなんて男の子は履かないからね
チビ達の中の紅一点。大切なお姫様
・・・・・・・・・・・・・だった筈・・・
今時の女の子のファッションなんざ私には分からない。
なので、着るものに関してとやかくは言わぬ。けどね・・・。
中学生の頃は確か、洋楽にはまって私の全く知らないアーティストに夢中。
やがて、パンクロックにはまり、あちこちのライブに出かけては
首をフリフリ、ダイブがどうの、「やばいなぁ。」とその度に顔を輝かせ
「めっちゃ良かったわぁ!」と色々喋ってくれるのだけど、おばちゃんさっぱり分かりまへん。
異変が起き始めたのは大学に入ってから。
何とか言う声優さんの声に惚れてしまったらしく、観るもの全てアニメ。
滅多に家にいないので、居る時には録りためたアニメを必死で観る。
夜中はPCの前に座りっぱなしで、関連映像を観る。
ぴぃは私に冷たい視線を送る・・・し、知らんでぇ私は何にもしてないでぇ
しかし、声に惚れるなんざ、さすがに私の姪っ子ではないか
その彼女。「おまえなぁ・・・。」と私を絶句させる事は数知れずあるけれど、
どこか甘酸っぱい、ストロベリー色の風で私の心を満たす時もある。
彼女はいつも、かぁちゃんが元気だった頃と全く同じ口調でかぁちゃんに話しかける。
その日も、ベッドを少し上げて、教育TVをぼんやり眺めていたかぁちゃんに、
「なぁ、ばぁちゃん、チャンネル変えてもいい?」・・・当然かぁちゃんは反応しない。
「なぁって!チャンネル変えるでぇ。」・・・いや、そら返事はせぇへんって
三度目に彼女が言った時、私が「好きなん観たらいいやんか。」と言いかけて
振り向くと、
かぁちゃん、むくりと起き上がり、ろんをじ~っと見つめて少ししかめっ面をした後で
何と、こくりと大きくゆっくりと首を縦に振った。
え?・・・え?・・・え~っ?・・・うっそぉ!!
ろんは満足げに「ほら、ばぁちゃん、いいって言うてるわ。」と、
こちらもにっこり頷いて、再生ナビ画面に切り替える。
え?何?・・・今のは超常現象?
私にはそんな魔法は使えやしない。まさに完全敗北である。
しかし・・・ろん、なぁ、ろんよぉ・・・
お前、へらへら笑いながらアニメばっかり見るなよぉ
片付けの一つでも手伝えよぉ
だって、だって、おばちゃん・・・・・・・・・・・・。
観てしまうやないかぁ・・・銀魂
例えば二十歳になったばかりの“ろん”。
ぽんが生まれる時、フリフリのドレスを身に纏い、我が家にお泊りにやって来た。
抱っこしようとしても、するりするりと私の手からすり抜けて
笑いながら逃げ回り、跳ね上がったスカートからフリルのパンツが見えた時
妙に恥ずかしくって顔が熱くなったのを思い出す。
・・・だって、フリルのパンツなんて男の子は履かないからね
チビ達の中の紅一点。大切なお姫様
・・・・・・・・・・・・・だった筈・・・
今時の女の子のファッションなんざ私には分からない。
なので、着るものに関してとやかくは言わぬ。けどね・・・。
中学生の頃は確か、洋楽にはまって私の全く知らないアーティストに夢中。
やがて、パンクロックにはまり、あちこちのライブに出かけては
首をフリフリ、ダイブがどうの、「やばいなぁ。」とその度に顔を輝かせ
「めっちゃ良かったわぁ!」と色々喋ってくれるのだけど、おばちゃんさっぱり分かりまへん。
異変が起き始めたのは大学に入ってから。
何とか言う声優さんの声に惚れてしまったらしく、観るもの全てアニメ。
滅多に家にいないので、居る時には録りためたアニメを必死で観る。
夜中はPCの前に座りっぱなしで、関連映像を観る。
ぴぃは私に冷たい視線を送る・・・し、知らんでぇ私は何にもしてないでぇ
しかし、声に惚れるなんざ、さすがに私の姪っ子ではないか
その彼女。「おまえなぁ・・・。」と私を絶句させる事は数知れずあるけれど、
どこか甘酸っぱい、ストロベリー色の風で私の心を満たす時もある。
彼女はいつも、かぁちゃんが元気だった頃と全く同じ口調でかぁちゃんに話しかける。
その日も、ベッドを少し上げて、教育TVをぼんやり眺めていたかぁちゃんに、
「なぁ、ばぁちゃん、チャンネル変えてもいい?」・・・当然かぁちゃんは反応しない。
「なぁって!チャンネル変えるでぇ。」・・・いや、そら返事はせぇへんって
三度目に彼女が言った時、私が「好きなん観たらいいやんか。」と言いかけて
振り向くと、
かぁちゃん、むくりと起き上がり、ろんをじ~っと見つめて少ししかめっ面をした後で
何と、こくりと大きくゆっくりと首を縦に振った。
え?・・・え?・・・え~っ?・・・うっそぉ!!
ろんは満足げに「ほら、ばぁちゃん、いいって言うてるわ。」と、
こちらもにっこり頷いて、再生ナビ画面に切り替える。
え?何?・・・今のは超常現象?
私にはそんな魔法は使えやしない。まさに完全敗北である。
しかし・・・ろん、なぁ、ろんよぉ・・・
お前、へらへら笑いながらアニメばっかり見るなよぉ
片付けの一つでも手伝えよぉ
だって、だって、おばちゃん・・・・・・・・・・・・。
観てしまうやないかぁ・・・銀魂