散歩写真をBGP(Back ground Photo)に
日々の徒然、主にたべもの。
わたしの居場所~M's Lunch Boxes



気軽にふらっと…がモットーになった最近の旅行。
直前になって 要チェックしていた法師温泉の宿に空きがみつかり予約。

例によって サイコロの旅よろしく 数年前のガイドブックと
道なき道を行く(10年以上更新されていない)ナビとともにスタート。


法師温泉は 群馬の水上エリアに属するものの、
谷川岳とか片品とも色合いが違う温泉峡。
宿は今回泊まった長寿館一軒のみ。
周辺施設なし、ガイドブックにも宿こそ常連ですが
観光情報はなし。

月夜野インターで下りて 猿ヶ京温泉経由で三国街道をひた走るだけ。

途中 体験施設が立ち並ぶ「たくみの里」にて散策するも
体験とは縁遠い枯れたわたくしたちには どうも居心地悪いとはいえ
須川宿という宿場の名残りを残す町並みや古民家や蔵は楽しめます。



お気に入りの窓もいただきました。



休憩所には 素敵な明かりも。



そば処八兵衛さんにて美味しい10割蕎麦を頂いて早々に移動することになります。

近くの泰寧寺というお寺には 
素敵な山門があるらしいっつうんで(「もやもやさま~ず」っぽく読んでください)
のどかな田園風景の中 夫選曲のちょっと懐かしい歌声をBGMに進んで行く。
実は このお寺 わたくしは言われるまで全くのノーチェックでした。



まさに田んぼの中にぽつんとある 飾り気のないお寺で、
人っ子一人おりません(わたくしたちのちょっと前方に ご高齢のご夫婦が一組いらしただけ)
しかしながら 一歩足を踏み入れると何とも言えない空気感がある。



技巧に走っているわけではないのに 自然と整ったお庭には
せせらぎがあり 静かに天を映す池があり



誰もいない緑の中に 蝉しぐれと古びた橋。



急な石段をえっちらおっちら昇っていくと 
先に入られていたご夫婦が早々と戻ってこられて
「素敵だったわよ~」と一言。



きらびやかではないのに 見るものを圧倒する様な職人肌の技巧をこらした山門が
すこーしずつ見えてきます。
階段の途中から全景を見るのが一番きれいだと思っていると
やはり夫も同じように感じていたらしく しきりに携帯で撮影を始める(笑)

ちょっとささくれた感じの(実はp的にはこれは萌えポイント高し)山門の天井には
見上げると5つの面に見事な絵が描かれています。



竜神と4人の天女。
気をつけていないと 通り過ぎてしまうかもしれません。

わたくしたちのあとからは来る人もまったくおらず 貸切状態の境内には
名残りの紫陽花と静かな表情の野仏さま。 



熊に注意とかかれた札を横目で見ながら 渓流に沿って足場の悪い道を行くのもよし、
苔むした岩と木漏れ日のレースは 午後のご褒美。



門をくぐるなり「鎌倉とはなんか違うぞー」と歓喜の声を上げていた夫も満足の素敵なお寺です。
紫陽花のシーズンは混むのだろうか?
季節を変えてまた来てみたい場所になりました。

やわらかい野仏様の表情に癒された後は
かつては観光地としてにぎわったであろう猿ヶ京温泉峡に立ち寄ってみます。

こちらは驚くほど閑散としており 廃墟と化したホテルが立ち並び
赤谷湖周辺の遊歩道も 電球のない提灯がぶら下がり
ボート乗り場とは名ばかりで 乗り場に近づくこともできなくなったボートがさびしげでした。



そういえば二人でボートなんか乗ったことがないや などと話しつつ
もし賑わっていたら乗っていたかもしれない(笑)

というのも この橋の下洞窟のようなところがなかなか魅力的だったので
本当は行ってみたかったのだ。



写真では近くに見えますが 実はかなりズームをして撮っています。
水際へはとても危険で 近づけませんでした。



遊歩道に咲くさびしげな花たち。
若い世代にも温泉人気はありますが やはり道路事情などで人が来なくなりだすと
どんどんさびれていく温泉地。
窓から破れたカーテンが見えたり きれいに整えられたスリッパがむなしく残っている光景を見ると
どうすることもできないのですが 心痛むものがあります。
先の「たくみの里」なども そういった観光客を集めるために
地元の人たちが取り組んだプロジェクトなんだろうなぁ。

などと 大人の分別臭い呟きをしつつ 山道をくねくねと法師温泉へ向かいます。

……………つづきます。










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