ちょっとさびしい猿ヶ京を後にして 今宵の宿法師温泉長寿館へ向かう。
くねくねと山道を登っていくだけの行程。
水上駅から猿ヶ京乗り換えで 宿の前までバスがありますが
朝夕の数本だけなので秘湯感も充分。
国の登録有形文化財になっている法師の湯をはじめ、
与謝野晶子などの文人が好んで泊ったと言うお部屋や
建物と建物の間を流れる法師川、
周辺には コンビニとか自販機もない静寂な空間が
わくわくさせてくれます。
玄関横には囲炉裏もあり 暖を取る季節ではないですが
しゅんしゅんとお湯が沸いています。
いわゆる昔の帳場も再現。
泊り客向けの展示ゆえの不自然さは否めませんが p的には萌えポイント満載。
なんかねー 今回はどの写真を見ても
事前の予習で見た資料に出ているのと同じような写真になってしまってつまらない…。
こんな素敵な渡り廊下の下には 法師川が爽やかな音を立てて流れています。
あ これ覚えていますか?国鉄のポスター。
今回泊まったのは 残り一室で滑り込み、
法隆殿という平成元年に改築された比較的新しいお部屋。
キッチンと掘りごたつのついた四畳半に 8畳間と踏み込みというちょっと贅沢。
窓からは 本館や薫山荘などほかの建物が望め、
一日中観ていても飽きません(わたくしだけかも?)
玄関前に冷やされたラムネ。
旅サイトなどでも紹介されていたのでカメラを持った人たちが
いろいろな角度で写真を撮っていました。
あまりにベタなので(笑)わたくしはちょっと離れて。
さて すこし散策してみましょう。
建物わきの小道。
ここに足を踏み入れると 驚くほど涼しい空気が漂ってきます。
あちこちに水の流れ。これはもしかしてわさびかしら?
宿の周辺も緑深く まるですべてがこのお宿の敷地のように思える法師温泉峡ですが
宿から少し歩いたところににある逢初の滝、そしてそこからさらに山深く歩いて行くと
三国峠へ向かうハイキングコースになっています。
(今回は 宿から軽装で散策に出たので峠越えはしませんでした)
プライベート河原という感じの斜面に逢初の滝。
草むらには 蛭がいるから要注意とのことで
そちらに気をとられてほとんど写真も撮らずに歩いていましたが
散策路の目印に ころり観音さま。
長寿の宿に泊って 末はころりと逝きましょうということかしらん。
世間ではお盆休暇の賑わいというのにここは別世界。
さてさて 短い距離ですがアップダウンを楽しむと
ちょうどご飯のお時間。
山に着たら山の物を…が一番のご馳走と思っているので
素朴ながら手のかかったおかずにひとつひとつ感動しながら頂きました。
先付 紫厳・山芋千切り おくら掛け
吸い物替り 山芋入りすっぽん汁(写真なし)
前菜 馬たたき 枇杷入こみ(びわの甘煮の中にクリームチーズ?) 天子南蛮漬け
畳いわし うどの味噌漬け 沢ガニのから揚げ(香ばしい!)
造り 河ふぐレモン 刺し身こんにゃく トロ湯葉 幻の魚いとう
酢の物 姫マスのスモークカルパッチョ
揚物 鯉唐揚げあんかけ
焼物 生鮎塩焼きだて酢
鍋物 上州牛陶板焼き
煮物 鶏冶部煮 冬瓜 人参 玉三竹 絹さや
冷し物 じゅんさいの冷し小茶碗
他に南魚沼コシヒカリと よしこさんのお手製漬物(美味)とフルーツ。
お腹いっぱいになりました。
外はとっぷり陽も暮れて
お部屋からのぼんやりとした障子越しの明かりだけの世界。
虫の声もまだ聞こえない しんとした夜が来ます。
お風呂は 重要文化財の法師乃湯と それを模して新しく造られた玉城乃湯。
女性専用の長寿乃湯。
法師乃湯は夜の2時間オンリー女性専用。
こちらに泊る人は絶対これに入りたいので 8時を過ぎるとわらわらと女性たちが集まってくる。
こちらのお湯は 37℃と低めなのでこの時期入るにはとても気持ちいい。
源泉が 湯船の底にあるという源泉直結のお湯です。
岩の割れ目から じわじわっと沸いてくる ありがたいお湯なのです。
法師乃湯は 以前行ったまるほん旅館のように檜の浴槽よこの棚が脱衣所の名残り。
今は男女別の脱衣所がありますが 基本混浴です。
ぼんやりとした提灯の明かりだけが照らす中 さらりくせのないお湯に長時間つかれます。
浴槽に渡された枕木は 頭をのせてのんびり入浴するためのものだそう。
玉城乃湯は 造りは法師乃湯と同じでまた木の色も新しく。
しかしながら カランやシャワーはなくて 木製のボタンをプッシュすると
木製の蛇口から一定時間お湯が流れるタイプ。
髪の毛洗うのもちょっと大変ですが 湯治場の雰囲気を壊すことなくいいお風呂です。
女性専用の長寿乃湯も 入ってみたくて
真夜中にひとりで入ってみました。
先のお風呂に比べると小ぶりですが 充分楽しめる大きさ。
かけ湯用のお湯も常にかけ流し状態でストックされていて嬉しいし
何度入っても疲れることなく やわらかいお湯はやっぱりいいです。
お風呂の写真はぜひこちらでご覧になってみてください。
季節を変えてぜひもう一度行きたい宿になりました。
………ちょっとだけつづきます。
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