計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

2006年・今年一年を振り返る・・・

2006年12月26日 | 気象情報の現場から
 ・・・と言うわけで、印象に残った個人的な出来事「ベスト5」を選んでみました。第5位から順に紹介してみます。


第5位・独自研究の集大成・山形県の局地気象シミュレーションの大論文の製本

 全てはこの「山形県置賜地方の冬」に対する挑戦から始まりました。当初はホームページ「救急?『お天気』診察室」で「雪やこんこんあられやこんこん♪」と銘打って山形県米沢市の雪について解説し続けておりました。これが私の気象予報士としての原点となりました。当時は、基礎理論の土台となる熱流体方程式のハードルを越えることがどうしてもできず、この壁を乗り越えるまでに数年の歳月が流れました。


第4位・苦節一年・日商簿記検定3級に合格!

 財務諸表を通じてお金の動きを理解するためのスキルは、気象予報士云々の前にビジネスパーソンとして必須。実際に自社の決算報告書を見てみるとまだまだ見たことも無い勘定科目がゾロゾロ出てきています。ネットで色々な意見を拝見していますが、3級は入門レベル、実務は最低2級以上、と言うようにさらにもう1ランク上を目指さなくてはならないようです。経理・会計の専門家に転身する事は今の所、考えてはおりませんが、万が一にも転職やキャリアチェンジを余儀なくされるような場合や、そうでなくとも気象情報の経済効果を評価する上でもお金の知識は活きて来ると思います。少なくとも、幅広い知識があればビジネスの幅は広がる、と言う事です。
次は簿記をお休みして漢字検定2級。2月に受験予定なので・・・私これでも「受験生」なんですね、一応。


第3位・その日は突然訪れた?タウン情報誌の取材を受ける!

 記者が抱いていた「気象予報士=お天気キャスター」の既成概念への挑戦でもありました。「天気図だけでは局地的な天気の動きを予報するのは不可能、これらの基となる数値データを、弊社独自に分析した知見を組み合わせて局地的な予報を行う必要がある、この部分が気象情報会社の独自のノウハウとなるもの」との持論を展開。コンピューターシミュレーションを次々と見せて「天気図から大気の全体像が浮かび上がるがそれを基に、その時の局地的な大気の動きを予測するために独自のシミュレーション技術が必要となる。私がやっていることは、局地予報の理論的研究」と力説。「天気予報がこのような高度な計算によるものだったとは知りませんでした。良い勉強になりました。」とは記者の言葉です。


第2位・積年の悲願達成!CAMJ仙台で山形県内の数値シミュレーションの話題提供!

 気象予報士となってからのささやかな夢の中に、「東北地方に気象予報士会の地方組織が結成されたら、山形の天気に関する研究を発表したい」というものがありました。ホームページ「救急?『お天気』診察室」で「雪やこんこんあられやこんこん♪」と銘打って山形県米沢市の雪について解説し続けていたのは先述の通りですが、その当時は東北地方に気象予報士会の地方組織は存在しませんでした。時は流れて仙台支部が発足し、私も設立総会に遠方から応援に駆けつけたのでした。そして今年4月に満を持して山形県内の数値シミュレーションの話題提供に漕ぎ着けたのです。


第1位・24時間実況監視&局地予報業務の実施!!

 やっぱりこれがダントツ!!事実上の休日ゼロは・・・さすがにフラストレーション溜まりました。それ以上に、局地予報における決断とプレッシャーの連続。しかし、それを通じて得たものも大きかったように思います。

まあ、来年はもっともっとエキサイティングな年になりそうな予感・・・。静かな余生とは行かないようですねえ(←まだ早い!)。
コメント
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