計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

いよいよ2007年度が始まりました。

2007年04月01日 | 何気ない?日常
 いよいよ、私が計算気象予報士の道に進んで3年目に突入です。

 このようなブログを書いている立場で白状するのもなんですが、私は学生時代「熱力学」「流体力学」という分野は苦手でした。すでに知られているように流体の基礎方程式であるNavier-Stokes方程式は非線形偏微分方程式であるため、数学的に解くことが難しいのが実状です。これを解いて流体の挙動を明らかにするには、やはり数値解析の助けが必要です。数値解析と言いますと大学や企業などのスーパーコンピュータを思い浮かべる方も多いと思いますが、近年のコンピュータ技術の発展により、最近では身近なパソコンでも3次元の流体現象までを解析できるようになってきました。

 物理や数学の教科書では、まず現象を解析する基礎方程式を導入しています。この方程式を解析的に導くのは結構なのですが、この部分の説明が全く訳がわからない。流体の場合はNavier-Stokes方程式ですが、初学者にとって、あの長い長い非線形偏微分方程式は見ただけでもう難しい!!と言ってダウンしてしまうシロモノです。各言う私も、学生時代には一気に流体力学が苦手になりました

 大学院時代に連続体力学の講義を受けて、Navier-Stokes方程式の本質も「ma=F」にあることを知ってからはパッと意識が変わりました。思うに、Navier-Stokes方程式の本質を分かりやすく解説している参考書はあまり無いのかも知れません。さらに、私が受講した流体力学の講義では、Navier-Stokes方程式は流体特有のものである(ma=Fとは無関係)というスタンスで教えられたので、本質に気付くことが出来なかったのもまた事実です。

 そして、この非線形偏微分方程式の壁を突破できても、アルゴリズムの解説でまたもや苦しめられます。私は学生時代の数値解析の講義は殆ど理解できませんでした。それでも、今こうやって熱流体のシミュレーションが出来てしまうのです!なぜでしょう?それは肝心の「目的」を掴んだからなのです。それは理論を「理解し覚える」ものでははくて「使いこなす」ものだという視点です。

 教科書には確かにいろいろな知識が書いてあります。その理論が学問的芸術に値することは否定しませんが、何の為にそれを学ぶのかと言えば、それを「使って」問題を解決するためなのです。その目的を忘れて、訳の分からぬ数式を延々語られても・・・よくわからないのです。アルゴリズムの原理や背景・理論は分かりました。それでどうやって使うの?という説明は無い。例えていうなら、新しいソフトを購入してきて、さて使おうと思ったらマニュアルが無いようなもの。お客はどうやって使えばいいんだ!って話になりますよね。

 そして、最後の関門(かどうかは分かりませんが)としてプログラミングが挙げられます。基本的な言語としてはVB、C、Fortranなどがありますが、その辺は知っているとして・・・アルゴリズムを如何にコンピュータのプログラムの形に落とし込むか、という問題があります。これについて解説している講義や書籍は格段に減ります。大学によっては講義すらないかもしれません(卒業研究で行う場合が多い)。書籍にしてもコードを見せてくれる書籍は非常に少ないのが実状です。しかも、そのような本でも数値解析の手法がかなり高度なために、初学者にとってはまさに最後の最後でブラックホールに吸い込まれるかのような無我の境地です。

 そんなあの頃も、今思えば懐かしい・・・。研究自体はもう10年近くになります。

(p.s.)

 実は、私の学生時代の友人がこの夏の参議院選挙に無所属で出馬します!私も先月から「選挙対策本部長」として色々と動いております。しかし・・・何事も初めての事なので、周囲のスタッフの方々に支えて頂きながら何とかやっています。支持者との意見交換やマニフェストの立案など、気象業務と選挙活動の二足のわらじで奔走しております。まさか、自分が選挙運動にこのような形で関わろうとは思ってもいなかったのですが・・・。

 かつて若かりし頃は政治や経済、国際問題についても色々と熱い議論を交わした・・・と言うよりも彼から色々と教わり、学んでいたようなものでした。そんな彼がふらりと私を訪ねてきて「参院選に出馬する。協力して欲しい。」と聞いたとき、あの頃の思い出が鮮明に蘇って来ました。彼は大学を卒業後、一旦は就職しましたが法科大学院に進み勉強に励んでおりました。そのまま司法試験でも受けるものと思っていましたが・・・。

 まあ、この私が応援するからには何が何でも国会議事堂に行ってもらいますよ!!
(コメントに続く)・・・もうわかるよね
コメント (1)
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