計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

離散的な数値データの空間補正処理

2007年04月27日 | 計算・局地気象分野
 やれやれ、嵐のような統一地方選挙戦も終わりましたね・・・f(^^;)。残念ながら私は当選できませんが・・・(そもそも立候補してないので無理も無いのです。これで当選したら・・・ワタシもビビル・・・)

 さて、最近の研究紹介ですが今回は「離散的な数値データの空間補正処理」についてです。前回は不規則に配置された数値データを基にそのパラメータの空間分布を推定するものでした。それに対して今度は、規則的な格子状に配置された数値データの変化をより滑らかに補間(補正・内挿)する数値処理の解析技術を研究しています。
 ここで紹介している図は、見て分かると思いますが、左が補正前、右が補正後のデータのイメージ図です。どんな計算方法を使っているのかは敢えて書きません。分かる人は分かる筈。見当もつかない!という方は、自分なりに色々と検討してみると良いでしょう。

 今はインターネットが発達しているので色々な気象データを入手することが出来ます。私が現在行っているのは、これらのデータを如何にして乱流数値シミュレーションやニューロ・モデルに組み込んでいけるのか、延いてはどのように予報に結び付けていくのかという分野です。

 最近はGPVをニューロ・モデルに入力値として与えて、特定地点の降水確率を予報すると言う実験も繰り返していますが、小さな大気現象に伴う降水はそもそもGPVでも捉えきれていないので、ニューロ・モデルでもあまりはっきりとは出てきません。そこで、数値予報図で上空のトラフの動向などを睨みながら検討して、なるほど~~・・・と妙に納得してみたり・・・。

 人間の判断を介さないフル・オートメーション・ウェザー・プレディクト・システムというのはおのずと限界があるのかなぁ・・・。だからと言って気象予報士を大量に投入するとなると、精度向上以前に人件費やら労働形態の諸問題も絡んでくるわけで・・・精度とコストはトレード・オフになるのかもしれません。

 その前に、人間の判断則をモデルに組み込む方法を考えろ!ですか・・・f(^^;)。
コメント
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