CAEとは「Computer Aided Engineering」の略で、主に「コンピュータによる設計支援」等と訳されます。コンピュータによる高度な科学技術計算を用いて、様々な工業製品の変形・熱流動等の挙動に関する予測(数値シミュレーション)を行なう事で設計開発に役立てようとするものです。
従来の製品開発では、工学便覧に載っているような簡易計算で行っており、実物(試作品)が出来るまでその設計の良し悪しがわかりませんでした。そのため、実際に試作品を製作して、耐久試験や性能評価を何度も行って製造方法の妥当性を検証したりしていました。このような方法では、コストもリードタイムも多く必要とし、また試作できる回数も限られることから最適な設計の追求も十分ではない等の課題がありました。
この手法に替わるものとして、コンピュータ上に工業製品を模擬した物理モデルを構築し数値シミュレーションを行う事で設計内容の検証を行う手法が確立されました。これにより現実には観察が難しい現象のシミュレーションも行なえるようになりました。現在では構造解析や熱流体解析、電磁気解析をはじめ多種多様なCAEソフト(ツール)が市販されているようですし、受託解析を行う企業もあるようです。
但し、CAEが発達したからと言って実物での評価が全く不要と言う事になりません。モデルに反映されていない条件や見落としている何かが無いとは言い切れないからです。モデルはあくまでモデルに過ぎず、実物に取って代わるものではありません。ただ、設計段階においての当該設計の是否を判断する上では大きな判断材料となる事は確かです。この事は数値予報モデルも一種のCAEツールである、と考えれば理解しやすいのではないでしょうか。
私も以前、半導体の設計部門に所属していたので、論理回路設計に関わった事があります。その設計でもEWS上での専門ツールを用いた論理合成や半導体回路の動作シミュレーションを繰り返しました。
半導体の論理回路はAND回路やOR回路、NOT回路の組み合わせ・・・いや、実際のCMOS集積回路はNOT、NAND、NOR等の負論理の組み合わせで表現されます。しかし、その設計段階ではプログラミング言語のようなコーディングを行い、そのコードをツールを使って負論理(論理ゲート)の組み合わせに変換して行きます(論理合成)。
そして、半導体素子を動かすプログラムをアセンブラ言語で記述して、合成された論理回路が期待通りの動作をするかを、シミュレートします(論理シミュレーション)。さらには、特定の論理ゲート(もしくはセル)に遅延を与えて(物理的な特性をモデル化)、信号の伝播への影響を調べる事もあります。
このような過程を繰り返して論理回路を決定すると、今度はその論理回路を実際のCMOSトランジスタの組み合わせで表現します(デバイス設計)。この段階で半導体素子の仕様寸法内の収まるようにCMOSの配置(レイアウト)も設計するためレイアウト設計とも呼ばれます。ここでも専用のツールが登場します。
さらに試作品(サンプル)も製造して電気的、機能的性能の評価も行います。その際には一つ一つのサンプルが正常に動作するか否かをチェックする必要があります。ここでは巨大な機械・テスター(1台数千万~1億円程度!)を用います。一つ一つにサンプルをテスターに設置して、テスターを操作してサンプルに様々な電気信号を与えます。その入力に応じてのリアクションが期待通りのものかどうかを逐次判定し、当該サンプルが正常が否かを判定するのです。
設計段階では物理的・論理的なモデルを多用したツールが多用されますが、それでも見落としや不具合が発生する事があります。ヒューマンエラーもありますが、ツールのモデリングが不十分と言う事もあります。当時は「ツールを過信するな」とは良く言われたものです。
新卒での就職活動の折、気象業界を志望して夢破れましたが、それからは目からウロコが落ちたかのようにバイオ系企業やメーカーにも応募するようになりました。その時、CAE解析にも関心はありましたが、そのような専門企業は既に採用が終わっていた(または敷居が高すぎて応募に至らなかった)と言う経験があります。
それ以来「CAE解析」という言葉に触れる事はありませんでした。しかし考えてみると、今やっている事がCAE解析につながっていると言う事に気付きました。今は直接に工業設計に携わっているわけではありませんが、もう少し、工業的な応用にも目を向けて行きたいと感じました。
従来の製品開発では、工学便覧に載っているような簡易計算で行っており、実物(試作品)が出来るまでその設計の良し悪しがわかりませんでした。そのため、実際に試作品を製作して、耐久試験や性能評価を何度も行って製造方法の妥当性を検証したりしていました。このような方法では、コストもリードタイムも多く必要とし、また試作できる回数も限られることから最適な設計の追求も十分ではない等の課題がありました。
この手法に替わるものとして、コンピュータ上に工業製品を模擬した物理モデルを構築し数値シミュレーションを行う事で設計内容の検証を行う手法が確立されました。これにより現実には観察が難しい現象のシミュレーションも行なえるようになりました。現在では構造解析や熱流体解析、電磁気解析をはじめ多種多様なCAEソフト(ツール)が市販されているようですし、受託解析を行う企業もあるようです。
但し、CAEが発達したからと言って実物での評価が全く不要と言う事になりません。モデルに反映されていない条件や見落としている何かが無いとは言い切れないからです。モデルはあくまでモデルに過ぎず、実物に取って代わるものではありません。ただ、設計段階においての当該設計の是否を判断する上では大きな判断材料となる事は確かです。この事は数値予報モデルも一種のCAEツールである、と考えれば理解しやすいのではないでしょうか。
私も以前、半導体の設計部門に所属していたので、論理回路設計に関わった事があります。その設計でもEWS上での専門ツールを用いた論理合成や半導体回路の動作シミュレーションを繰り返しました。
半導体の論理回路はAND回路やOR回路、NOT回路の組み合わせ・・・いや、実際のCMOS集積回路はNOT、NAND、NOR等の負論理の組み合わせで表現されます。しかし、その設計段階ではプログラミング言語のようなコーディングを行い、そのコードをツールを使って負論理(論理ゲート)の組み合わせに変換して行きます(論理合成)。
そして、半導体素子を動かすプログラムをアセンブラ言語で記述して、合成された論理回路が期待通りの動作をするかを、シミュレートします(論理シミュレーション)。さらには、特定の論理ゲート(もしくはセル)に遅延を与えて(物理的な特性をモデル化)、信号の伝播への影響を調べる事もあります。
このような過程を繰り返して論理回路を決定すると、今度はその論理回路を実際のCMOSトランジスタの組み合わせで表現します(デバイス設計)。この段階で半導体素子の仕様寸法内の収まるようにCMOSの配置(レイアウト)も設計するためレイアウト設計とも呼ばれます。ここでも専用のツールが登場します。
さらに試作品(サンプル)も製造して電気的、機能的性能の評価も行います。その際には一つ一つのサンプルが正常に動作するか否かをチェックする必要があります。ここでは巨大な機械・テスター(1台数千万~1億円程度!)を用います。一つ一つにサンプルをテスターに設置して、テスターを操作してサンプルに様々な電気信号を与えます。その入力に応じてのリアクションが期待通りのものかどうかを逐次判定し、当該サンプルが正常が否かを判定するのです。
設計段階では物理的・論理的なモデルを多用したツールが多用されますが、それでも見落としや不具合が発生する事があります。ヒューマンエラーもありますが、ツールのモデリングが不十分と言う事もあります。当時は「ツールを過信するな」とは良く言われたものです。
新卒での就職活動の折、気象業界を志望して夢破れましたが、それからは目からウロコが落ちたかのようにバイオ系企業やメーカーにも応募するようになりました。その時、CAE解析にも関心はありましたが、そのような専門企業は既に採用が終わっていた(または敷居が高すぎて応募に至らなかった)と言う経験があります。
それ以来「CAE解析」という言葉に触れる事はありませんでした。しかし考えてみると、今やっている事がCAE解析につながっていると言う事に気付きました。今は直接に工業設計に携わっているわけではありませんが、もう少し、工業的な応用にも目を向けて行きたいと感じました。