2023年1月下旬には非常に強い寒気が南下しました。この寒気を形容するために「10年に1度」や「最強寒波」というキーワードが多用されたようです。そこで、上空1500m付近の寒気について高層気象観測のデータを基に調べてみました。
具体的には、高層気象観測(1991~2020年・09時と21時)を基に、輪島と秋田における「気温のヒストグラム(850hPa面・1月)」を作成しました(階級は3℃毎に設定しています)。その上で、今年(2023年)の「1月25日09時」の値を例に、ヒストグラム上の対応する階級を照合してみました。
輪島と秋田における「2023年1月25日09時」の値は、いずれもヒストグラムの中でも最も左側(最も気温の低い階級)に対応していました。平年の期間(1991~2020年)の中でも「トップクラスの低温」ということであり、あらためて今回の寒気が顕著だったことが実感できます。
ここで、蛇足ですが(受験ではお馴染みの)「偏差値」という概念を用いてみましょう。世間ではランキングを表す際に「○○偏差値」というワードを用いることがあります。そこで、上空の寒気の度合いを表す「偏差値」のようなものを考えてみます。
N個の観測値からなる母集団について「平均値:m、標準偏差:σ」である場合、ある観測値xの「偏差値SS」は
SS = 50 + 10×(x-m)/σ
で表されます。 一般的にSSの値は「25~75」の範囲におさまると言われています。
ここで、気温が低くなるほど偏差値が高くなるように修正すると
SS = 50 + (-10)×(x-m)/σ
となります。
秋田の場合は、
「x=-19.1,m=-9.6,σ=3.8」を適用して「SS=75.0」
輪島の場合は、
「x=-16.7,m=-7.0,σ=3.8」を適用して「SS=75.5」
ここで、上記の秋田・輪島のSSは厳密に言えば「正確な偏差値」ではありません。なぜならば「xが母集団に含まれていない」からです。本来の偏差値は評価対象(x)の「母集団内における相対的な位置」を表す指標です。
しかし、「平年」の期間(1991~2020年)を基準に評価した場合、偏差値75~76に「相当するレベル」とは言えるでしょう。少なくとも(漠然とした)「最強寒波」や「10年に一度の寒波」と言うよりも「インパクト」は伝わりそうな気がします。
具体的には、高層気象観測(1991~2020年・09時と21時)を基に、輪島と秋田における「気温のヒストグラム(850hPa面・1月)」を作成しました(階級は3℃毎に設定しています)。その上で、今年(2023年)の「1月25日09時」の値を例に、ヒストグラム上の対応する階級を照合してみました。
輪島と秋田における「2023年1月25日09時」の値は、いずれもヒストグラムの中でも最も左側(最も気温の低い階級)に対応していました。平年の期間(1991~2020年)の中でも「トップクラスの低温」ということであり、あらためて今回の寒気が顕著だったことが実感できます。
ここで、蛇足ですが(受験ではお馴染みの)「偏差値」という概念を用いてみましょう。世間ではランキングを表す際に「○○偏差値」というワードを用いることがあります。そこで、上空の寒気の度合いを表す「偏差値」のようなものを考えてみます。
N個の観測値からなる母集団について「平均値:m、標準偏差:σ」である場合、ある観測値xの「偏差値SS」は
SS = 50 + 10×(x-m)/σ
で表されます。 一般的にSSの値は「25~75」の範囲におさまると言われています。
ここで、気温が低くなるほど偏差値が高くなるように修正すると
SS = 50 + (-10)×(x-m)/σ
となります。
秋田の場合は、
「x=-19.1,m=-9.6,σ=3.8」を適用して「SS=75.0」
輪島の場合は、
「x=-16.7,m=-7.0,σ=3.8」を適用して「SS=75.5」
ここで、上記の秋田・輪島のSSは厳密に言えば「正確な偏差値」ではありません。なぜならば「xが母集団に含まれていない」からです。本来の偏差値は評価対象(x)の「母集団内における相対的な位置」を表す指標です。
しかし、「平年」の期間(1991~2020年)を基準に評価した場合、偏差値75~76に「相当するレベル」とは言えるでしょう。少なくとも(漠然とした)「最強寒波」や「10年に一度の寒波」と言うよりも「インパクト」は伝わりそうな気がします。