◎ジェイド・タブレット-外典-12-2
◎悟りへの22段のパス⇒タロット・カード-2
タロットのアルカナを秘儀と訳している場合がある。大アルカナとは大秘儀であって、普通の人間が神になるプロセスと技法を示しているからには、まさに大秘儀である。
大秘儀とは密教的であるからして、その寓意の読み方は、一語につき3種類はあるもので二語並べば9種類になるとは、呂洞賓の示唆するところである。
大アルカナ22枚が悟りへの22段のパスであるとして、それの鍵を誰に問うかといえば、ホドロフスキーだろう。一つの技に打ち込めば、やがて神に至る。それは、剣道、柔道、合気道、古武道、茶道、舞踊、ダンス、音楽など武道、芸道をはじめとして、仕事を一心に精密にやり続ける事上磨錬においてすら神が開顕されることがあることに同じ。
ホドロフスキーは、まさにタロットを肌身離さず触り、タロットの一枚一枚を愛(め)で冥想し、何度も並べ返してみては、神意のインスピレーションを得てきたことが、文章の端々でわかる。
さて彼のカモワン版大アルカナ俯瞰は次のようなものであって、無番号の愚者と最終21番の世界を別格とし、残り20枚を前半と後半に二分割する。
『大アルカナの第1の列(IからX)は特定可能な状況にある人間あるいは動物を表している。ほとんどの場合、これらのカードの上端は中心人物(たち)の頭部の位置と一致している。
例外はアルカナVI「恋人」で、天の部分は 太陽と幼児のような小天使によって占められている。この列は歴史的ないしは社会的な意味を暗に含む絵を描いており、「光」と呼ぶこともできる。
大アルカナの2番目の列(XIからXX)では 人物と状況がより寓意的になり現実に即した特徴は少なくなっている。この列は「闇」と呼ぶこともできるだろう。なぜなら夢に近い精神的または 霊的な世界の内部で繰り広げられるようにも思われるからである。
天使や悪魔といった神話的な人物も登場する。さらにアルカナXVI「神の家」以降では空を満たしているのはエネルギーの顕現、天体、神の使者たちである。』
(タロットの宇宙/アレハンドロ・ホドロフスキー/国書刊行会P42-43から引用)
ホドロフスキーは、前半10枚を光、後半10枚を闇と言っているが、これは前半が生の世界で後半が死の世界だろう。そしてXXI世界が第六身体アートマンにして、無番号愚者たる第七身体ニルヴァーナを別格に置く。これぞ悟りへの22段のパスの風光である。