◎ジェイド・タブレット-外典-12-1
◎悟りへの22段のパス⇒タロット・カード-1
◎ニルヴァーナから迷いまで
世の中には、第七身体ニルヴァーナから第一身体肉体・物質レベルまでを網羅しているシンボル体系は意外に多くないものだ。七つの身体論、禅の十牛図などはその例だが、タロット・カードもその一種である。系譜としては、西洋錬金術あるいはユダヤ教神秘主義だが、その正統性は端倪すべからざるものがある。
タロット・カードは、西洋の悟りへの22段のパスであって、いわば禅の十牛図のようなものである。
さて、今日の運勢占いとして大アルカナ22種のうち1枚を引く人もいるだろうと思う。最近のタロットの絵柄はこなれてきて、伝統的なタロットのタロットである所以の特徴をも壊してしまった破格の図柄のものも多数出てくるようになった。その一方で、カモワン・タロットを丁寧に復刻したホドロフスキーのような伝統重視のタロットもある。
禅の十牛図は、十が確定ではなく、四牛図もあれば、六牛図もある。チベット密教には十五段の牧象図もあるからタロットが二十二人図であっても一向に構うまい。
悟りとは、第六身体アートマンと第七身体ニルヴァーナのこと。物事の順序には、迷い(マーヤ)を一番に置くタイプと、悟り(ニルヴァーナ)を一番に置く逆順のスタイルがある。
そこでまず、タロットの何がニルヴァーナであって、何がアートマンなのかということになる。0番愚者がニルヴァーナであって、21番世界がアートマン。旅の始めは迷いの1番魔術師。
それとあまり意識されていないかもしれないが、ホドロフスキーは、左右対称のシンメトリーは悪魔的であって、左右非対称が神的であることを発見したと述べている。彼は日本の御所とパリのノートルダム大聖堂でそのことを確認した(タロットの宇宙/国書刊行会P32)。これがタロット・カードが1ステップ1枚で直線として構成されている理由である。
※参考:大アルカナ22枚の順序(カモワン版)
0 愚者(道化師)
1 魔術師
2 女教皇(女司祭長)
3 女帝
4 皇帝
5 教皇(法王、司祭長)
6 恋人達(恋愛、恋人)
7 戦車(征服者)
8 正義(裁判の女神)
9 隠者
10 運命の輪(運命、運命の車)
11力(剛毅)
12 吊された男
13 死神
14 節制
15 悪魔
16 塔(神の家)
17 星
18 月
19 太陽
20 審判(永劫)
21 世界(宇宙)