アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

ツンモ=人間発熱機の威力

2022-11-24 19:03:44 | 超能力・霊能力neo
◎肉体でできること

河口慧海が、ヒマラヤの峠で大雪に降り込められた時に、坐禅と呼吸法で肉体を暖め、一晩を明かしたことには驚かされたものだ。

昔のチベットでは、そんなことはツンモと呼ぶ行法によって普通に行われていた。

ツンモは火炎の観想と、ある呼吸法による。
『他の多くの場合と同様、ここでも、土着のボン教の呪師から借用したやり方が使われている。ボン教の呪師の一人は、トランス中に熱を起こすのは呼吸ではなく、太陽の観想によるものだと語ったことがある。

わたしが信じないでいると、彼はこう付け加えた。
「暗示によって人を殺すこともできれば、自己暗示によって自分を殺すこともできる。こんなやり方で死を呼び起こせるのなら、熱を起こすなど簡単ではないか」

吸気と止息、吐気は、定められた通り、機械的に行うことになっている。ツンモの行者は火焔の観想を決して中断せず、また観想に付随させる真言の唱えも絶やさない。行者たちは、いとも容易に火焔の勢いを観想できる。このプロセスが自然に進み、徐々に熱感が全身に広がってくる。

ツンモ行の生徒たちは、行の終りにテストされることがある。

凍えるような真冬の夜、修行を終えた生徒たちは、川か湖の岸に連れて行かれる。川が凍っていれば、氷に穴が空けられる。月夜の晩、それも強風の吹きすさぶ晩が選ばれる。このような晩は、冬場のチベットでは珍しいものではない。

生徒たちは裸のまま氷の上で座禅を組み、その上から氷水に濡らした敷布を掛けられて、これを乾かさなければならない。乾けばすぐさま敷布は氷水に浸されて、また行者の身体に巻きつける。こんなことが朝まで繰り返される。こうして一番沢山敷布を乾かした者が勝者となる。

一晩で40枚も敷布を乾かした者もいるという。このような話の中には誇張もあるかもしれない。また場合によっては敷布と言っても名ばかりで、かなり小さな布切れが使われることもあるだろう。しかし、わたし自身は、大きめのショールくらいの布を何枚も乾かしてしまう行者を見た。

(中略)

ツンモ行によってどの程度の成果が得られるのかを完全に把握することは難しいが、いずれにせよ、この中には真実の現象もある。前にも述べた通り、隠者たちは真冬の最中でも裸もしくは裸同然の姿で平然と生きている。彼らを見たのはわたしばかりではない。エベレスト探検隊も彼らを目撃したと記録しているのである』
(チベット魔法の書/A.デビッドニール/徳間書店P238-241から引用)

超能力比べみたいなのは論外ではあるが、これは、体感マイナス30度、40度のところで、修行したり生きていくために必要な技だった。ミラレパもツンモを使って生き延びたエピソードがある。

人が、こんな技が必要なシチュエイションに追い込まれることのないことを祈りたい。
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