◎それなりの医学
(2006-07-12)
ロブサン・ランパは、トゥルッリクという活仏の生まれ変わりと認定された人物であり、人為的に額の中央にとがった金属で穴を開け、第三の目(アジナー・チャクラ)を外科手術で開眼させられた人物である。この本を読むまでは、怪しげな呪術者が無理やり額に穴を開けて、おそらくはエーテル体のアジナー・チャクラを開けているのではないかと想像していたが、この事例は活仏に対して、チベット国立医学研究所が正式に手術しているものであった。
要するに、むやみに相手を選ばずアジナーを開眼させているのではなく、チベット医学の根拠に基づいて、精神的に霊的に、準備のできた者に対してだけやっているのである。アジナーが開眼すると、相手の思念がわかり、相手の前世もわかり、今後の運命もわかる。そうした一種残酷な物の見え方に堪えうる者だけに対して手術しているという印象を持った。手術後も3週間以上の安静を行ってアフターケアもしっかりしている。それなりにちゃんとした科学なのである。
逆に、交通事故か何かで、前額部骨折や前額部穿孔になった人が、たいがい相手の思念がわかり、相手の前世もわかり、今後の運命がわかる状態になるということはないので、賢明な現代人諸氏は、真似することはないだろう。
ロブサン・ランパは、後に先代のダライ・ラマに頼まれて、中国からの使者のオーラを見てその思念を報告しなさいと命じられた。ロブサン・ランパは、「自分自身で、相手の思念や、相手の前世や、今後の運命を見る能力のない人間がそれを知ったところで意味がない」と考えていたので、ダライ・ラマの命といえども見たことの一部しか述べなかった。
「あの人々は邪悪なる意図を持っています。彼らの霊気の色は不実を示しております」とだけ。
最近、他人の前世を見てくれるという触れ込みの人が多いように聞くが、本当に前世を見たのでしょうか。前世が見れるならば、きっと今後の運命も、今の想念も見れる力量があるのでしょう。