◎快楽は苦痛の種となり、老衰と病のない健康もない
(2021-11-25)
ダンテス・ダイジ-『今でない今、ここでないここで』の続き。
『ソロモン王の英知が
ソロモンの栄華と幸福を実現し
そして又ソロモンの英知が
その英知ゆえに
愚迷のうちに滅亡したように
死のないどのような生もあり得ない
愚かさを持たぬどのような智慧もなく
安心のある所に不安があり
愛のある所に憎悪が
勇気のある所に恐怖が
幸福のある所に不幸があり
快楽は苦痛の種となる
老衰と病のない
どのような健康もあり得ぬように
善は悪とともにいつもあり
宿善の功徳は
天人の天国を実現するが
その天人にも
五つの衰亡を避ける手だてはない』
(絶対無の戯れ/ダンテス・ダイジP117-118から引用)
夢の宇宙はあのように戯れ続け、人は人である以上、この世を天国的に生きようと希求し努力もする。地上天国、天人の天国は、時にこの世にあるいはあの世に実現もしたりするが、栄耀栄華の時代は衰亡を免れることはできず、折角積み上げた善行の果報も王侯を一代やったりすることで使い果たしたりもする。
戯れには人をとろかす夢幻の魅力もあるが、寝覚めぬ人の目を覚ます幻滅の顔もある。