◎あらゆる個生命達の、夢と真実と愛のストーリー
ダンテス・ダイジの未公刊の詩集老子狂言から。
『Dream Truth
この世のあらゆることには、
完成ということがない。
それは、時計が回るように回帰する。
人生それは、また時計のように成熟し得る。
時計には、個生命としての生老病死がある。
あらゆる個生命達の、
夢と真実と愛のストーリー。
THIS IS DREAM-TRUTH. 』
(老子狂言/ダンテス・ダイジから引用)
私が18歳で東京に出てきた時、初めて三重複線の電車を見て、その壮観に驚いたものだ。回帰と言えば、人は何回かの輪廻転生を経て、ニルヴァーナへの突入あるいは神人合一をイメージする人が多いかもしれない。
上掲『時計が回るように回帰する。』について、今の私が見る限り回帰には、三重の回帰がある。
一つは、始まりはダンテス・ダイジ自身が示したように、未悟の愛妾ナツノやほとんど未悟の人生だった初期アトランティスのダンテス・ダイジの迷いと求道の人生。そして13番目の覚者ダンテス・ケンタウロス・アメンティの人生。そして、以後のヘルメスとしての人生、クリシュナとしての人生、雨宮第慈などの人生、そしてネオ・アトランティスの次の人生など7、8回の地上転生をへて、地球の転生コースを終えるというような複数転生で、大悟覚醒に至るというような回帰。事実インドのヨーガでは大悟覚醒後の再転生はない。
またダンテス・ダイジの韻文では『一瞬間を梅毒病みの娼婦として生きた』という一節や釈迦の後世が新宿のトルコ嬢(ソープランド)であったことを示唆するものもあり、聖者の前世が風俗嬢であっても何の抵抗もあるまい。覚者とは人類全体の実感、宇宙の実感を生きるものだから。またこの一説があることは、彼のやさしさそのものである。※
もう一つの回帰は、チベット密教で言うものであって、肉体死の瞬間に人は神(母の光明、原初の光)に出会っているが、実はその時神人合一(回帰)しているのであって、気がつかない人が大半なだけ。
いま一つの回帰は、隙間理論であって、現象の一刹那は、人間は、『隙間』『現象』『隙間』『現象』『隙間』『現象』と流れている。『隙間』がニルヴァーナであって君自身の側、『現象』が有であって君の頭の側。ここに君の頭と君自身が並立して、個人と全体(神)の二重性が見える。
このように三重の回帰の説明が可能だが、実際のダンテス・ダイジの説明は、“今ここ”(過去現在未来と時間空間物質が一緒)に終始している印象があり、ひどくわかりにくいが、禅問答よりはましか。
※関係する謎の部分。
『二度とこの世に生まれることはないと
解脱涅槃を成就した仏陀が
新宿のホステスの私生児として生まれ
酒と麻薬の中に
トルコ風呂の女として死んだ
蟻達を殺して面白がっている子供は
蟻の時を持ち
蟻は人間の子供としての時を持つ時
昆虫を殺すことを楽しむ』
(【絶対無の戯れ/ダンテス・ダイジ】の詩『ただいのちだけが』の一部、P128-129から引用。)