◎最高峰を表現する
(2016-03-18)
ダンテス・ダイジの未公刊詩集「老子狂言」から
『流浪者の故郷
STRANGER IN THE STRANGE LAND
我れこの異郷にありて見知らぬ旅人となり
恋がれる故郷を忘れつつある
神は神の意志自体で、私に現れ、
あるいは一つとなる!
私にはなすすべがない・・・
私があらゆることどもを可能にできたとしても・・・』
(老子狂言から引用)
故郷は個人であり、異郷は神である。神人合一にあって、そこは異郷と表現される。
ここでは得意の「未知」や「見知らぬ」という言葉は出てこないが、想像される景色は同じだ。
「神は神の意志自体で、私に現れ」とは、如来という語感そのものだ。
そして神にありては、「忘れつつある』。
本当に「今ここ」にあるということは、この絶対的な孤絶感、言葉にできない未知に満ち満ちていること、そして全能であるが無力の如くである、『感覚』があるのだろう。その『感覚』のない「今ここ」は、逆に疑わしいと思う。