◎金でしか評価しない者に神のことを言ってもしょうがない
国民負担率とは国民の所得に占める税金や社会保険料などの負担割合のことで、財務省によれば、令和5年度の国民負担率は、46.8%となる見通しで、今後の消費税増などで、五公五民が現実のものとして見えてきた。
金を人間の価値と見がちな現代人にとって、これは自分の価値をさらに政府によって貶められることになるし、労働の対価が半分以上自分の懐に入らないのでは、さすがにお人よしで気前のよい日本人でも勤労意欲は下がるだろう。日本は、実質社会主義と言われて久しいが、国民の貧困化がここまで進み、戦後アメリカに貢ぎODAなどで中国や発展途上国に税金をばらまいてきたが、かえって中国は恫喝を繰り返し、依然としてアメリカの日本への苛斂誅求はやまない。日本外交は失敗なのだろう。
五公五民は、江戸時代の徳川吉宗以来と言われるが、つい最近の戦後まもなくの新円切り替えという名の預金封鎖は、実はそれ以上のものだった。
日本は非正規労働者が多数を占め、共稼ぎでないと子供二人を大学にやるのもかつかつなほど貧困化が進んだ。
働けどはたらけど なおわがくらし楽にならざり。石川啄木は、放蕩三昧だったが、真面目に勤倹にやっている国民の半数以上がこの状態では、如何ともしがたい。
こうなると政府への信頼は残念ながらますます低下し、与党にも野党にも期待できないということだと、政府の管理を脱しようと考える人が徐々に増えて行くのではないか。
さらに今日明日にも、中国の台湾進攻をきっかけに中国が敵国化(在日米軍が対応するので)する日程が見えているという状況もあり、行き詰った日本には何かが起きる潜在パワーが充満していることを感じている人も多いのではないか。
グルジェフは、何か質問がある人にまず百ドル払わせた。そのくせ、回答は一言二言。追加で質問があれば、また百ドル。ところがグルジェフは、もらった金を貯めるのではなく、すぐ使ってしまいがちだった。
それを見た他の人がグルジェフに何のためにそうしているのかを問うと、グルジェフは、人生のあらゆるものを金でしか評価しない者に、ただで神のことを言っても、それは何の価値もないとした。そういう人たちは、金を払うことなく受け取ったものは価値がないと思っている(出典:神秘の次元/和尚/日本ヴォーグ社P233)。イエスが、金持ちが天国に入るのはラクダが針の穴を通るより難しいということもこれと同じ消息。
価値あるものを受け取るには、人は何かを支払わなければならない。悟りなるニルヴァーナを受け取るには、人はすべてを差し出さねばならない。
ただし全財産を差し出しても、悟りや天国への入場などかなわないことは、昨今のカルトやスピリチュアル詐欺でおなじみの手口である。また高額な寄付、お布施、会費を払っても、金の対価として出てくるものに本物の秘儀はない。グルジェフはそこを突いてきている。
ネットでは、楽に金が儲かる怖いバイトがあるとか、起業すれば9割は失敗して借金を背負うことになるのに、起業すれば大金持ちになると宣伝。転職すれば、転職斡旋業者だけが確実にもうかるのに、転職すればバラ色の人生だなどと転職を勧める。欲望の堂々巡りで出口なく、占星術やタロットやスピ占いで気をまぎらわせるにも限界がある。
金の不足で、毎日の生活が大変な人が多い。
真実は金にはないが、日々冥想するしかない。