貞元の末、徳宗皇帝は老い、人事は停滞し姑息な政策が続いていた。
現状に飽き足らない少壮官僚達は皇太子の周囲に集まり議論を重ねていた。
「特に宮市の件は深刻だ、宦官どもの押し買いに民の不満は大きい」
「殿下、殿下から陛下に申し上げていただけませんか」
「そうだな、強い民の願いだからな」と太子
「よろしくお願い致します、さすがは殿下だ」
と若手官僚達が喜ぶ。
しかし待詔の王叔文だけは沈黙していた。
やがて官僚達は下がっていった。
太子は叔文が黙っているのが気になっていた。
「おまえは反対なのか」
叔文は答えた
「太子の地位は高貴ではありますが、なんの実権もございません」
「即位されるまでは御自重されませ、誰が穴をほるかわからないのです」
太子はハッとした。
「おまえだけが、私のことを考えてくれているのだな」
叔文に対する信任はこれより重くなっていった。
現状に飽き足らない少壮官僚達は皇太子の周囲に集まり議論を重ねていた。
「特に宮市の件は深刻だ、宦官どもの押し買いに民の不満は大きい」
「殿下、殿下から陛下に申し上げていただけませんか」
「そうだな、強い民の願いだからな」と太子
「よろしくお願い致します、さすがは殿下だ」
と若手官僚達が喜ぶ。
しかし待詔の王叔文だけは沈黙していた。
やがて官僚達は下がっていった。
太子は叔文が黙っているのが気になっていた。
「おまえは反対なのか」
叔文は答えた
「太子の地位は高貴ではありますが、なんの実権もございません」
「即位されるまでは御自重されませ、誰が穴をほるかわからないのです」
太子はハッとした。
「おまえだけが、私のことを考えてくれているのだな」
叔文に対する信任はこれより重くなっていった。
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