唐宰相一覧［除皇族］120.孫元亨

孫元亨。字は？。
新旧とも伝なし。
家系も伝わらない。
萬歳通天元年検校夏官侍郎より同鳳閣鸞臺平章事となるが、
酷吏吉頊・来俊臣らが箕州刺史劉思禮等の謀叛を誣告、
それに乗じて豪族の大規模な粛清が行われた。
相李元素とともに坐して殺され、族滅となる。
［宰相履歴］
萬歳通天元年四月同鳳閣鸞臺平章事～神功元年正月殺

唐宰相一覧［除皇族］119.武什方

韋什方。字は？。
則天の武姓を名乗り武什方。
新旧共に伝はない。
何事も予言できると則天を欺いた洛陽麟趾寺の老尼と
共謀し嵩岳山人として尊崇される。
500歳を自称し、則天の愛人薛懷義にも取り入る。
延載元年正諫大夫同鳳閣鸞臺平章事として相となるが
すぐ辞して山に帰る。
その後も則天の寵遇を得るが、老尼の失脚とともに自殺した。
［宰相履歴］
延載元年七 月正諫大夫同鳳閣鸞臺平章事～八月歸山

唐宰相一覧［除皇族］118.杜景佺

杜景儉。字は？。初名は元方。
冀州武邑人
若くして明經に合格、性嚴正。
殿中侍御史に進むが、
益州錄事參軍に出る。
司賓主簿となり司刑丞・秋官員外郎に進み酷吏に従わず。
鳳閣舎人から洛州司馬に進む。
ついで鳳閣侍郎同鳳閣鸞台平章事で相となる。
功績はないが正直で諂うことはない。
延載初に李昭を庇い溱州刺史に貶せられる。
また司刑卿に戻る。
聖暦二年鳳閣侍郎同鳳閣鸞台平章事として復相。
契丹入寇後の武懿宗の厳しすぎる処置を正す。
秋官尚書に転じるが、禁中の状況を漏洩したため司刑少卿に貶。
并州長史にでるが途次に病卒。贈相州刺史。
子の澄は文名があるが鞏縣尉で終わる。
［宰相履歴］
①延載元年八月檢校鳳閣侍郎同鳳閣鸞臺平章事～萬歳登封元年正月貶溱州刺史
②神功元年閏十月鳳閣侍郎同鳳閣鸞臺平章事～聖暦元年罷

唐宰相一覧［除皇族］117.楊再思

楊再思。字は？。
鄭州原武人。
若くして明經に合格し玄武尉。
天官員外郎を経て左右肅政台御史大夫、。
延載初に鸞台侍郎同鳳閣鸞台平章事として相となる。
證聖初に鳳閣侍郎に転じ兼太子右庶子。
ついで內史となる。
弘農縣男より累進して鄭縣侯、國公に至る。
宰相としては功績なく、ただ権力者に迎合する。
媚びる能力には長けて、皇帝の欲する所に従う。
則天の寵を受けた張易之兄弟に附き検校右庶子。
長安四年本官檢校京兆府長史、檢校揚州大都督府長史。
中宗が即位するとこれに媚び、
戶部尚書兼中書令より侍中となり實封三百戶。
冊順天皇后使として韋后に媚び賞される。
武三思に従い、誣告された王同皎を殺す。
再び中書令・吏部尚書となる。
景龍三年尚書右僕射となり光祿大夫を加。
其年に卒する。贈特進并州大都督。
保身に長け、ただ迎合して長期の相暦を極めた。
子の植は司勳員外郎。
［宰相履歴］
①延載元年八月鸞臺侍郎同鳳閣鸞臺平章事～聖暦二年八月罷
②長安四年七月守内史～神龍元年二月戸部尚書同中書門下三品
～四月検校揚州大都督～六月検校中書令～十月行侍中～景龍元年九月中書令
～三年二月右僕射同中書門下三品～六月薨

唐宰相一覧［除皇族］116.周充元

周允元。字は汝良。
祖父上は梁義・衡二州刺史、襲蓬陵侯。
父周基は進士。
豫州安城人人。
若くして進士に合格。
延戴初左肅政御史中丞に進み、
検校鳳閣侍郎鳳閣鸞台平章事として相になる。
相としての事跡は不明。
證聖元年に卒する、贈貝州刺史。
［宰相履歴］
延載元年十 月檢校鳳閣侍郎同鳳閣鸞臺平章事
～萬歳登封元年二月薨

唐宰相一覧［除皇族］115.王孝傑

王孝傑。字は？。
京兆新豐人。
軍人として累進。
高宗末，劉審禮西討吐蕃の副總管となり敗北し捕虜となる。
吐蕃の王は孝傑が父に似ているとして釈放。
則天時に右鷹揚衛將軍となる。
久しく吐蕃にいたためその権威となる。
長壽元年武威軍總管として吐蕃を伐ち，安西四鎮を回復する。
功績により左衛大將軍。
明年，夏官尚書同鳳閣鸞台三品として相に連なり、清源縣男。
延載初、瀚海道行軍總管となる。
證聖初、朔方道總管として吐蕃を伐つが敗北し免官。
萬歲通天年契丹李盡忠・孫萬榮が反し、清邊道總管として伐つ。
後軍總管蘇宏暉が敗走し戦死する。
追贈孝傑夏官尚書耿國公。
子の無擇は左驍衛將軍に至る。
［宰相履歴］
延載元年四月壬戌，夏官尚書武威道大總管同鳳閣鸞臺三品
～八月為瀚海道行軍總管～萬歳登封元年正月為朔方道行軍總管
～七月肅邊道行軍大總管～萬歳通天元年三月免

唐宰相一覧［除皇族］114.蘇味道

蘇味道。字は？。
趙州欒城人。
若くして進士に合格し咸陽尉。
吏部侍郎裴行儉に推薦される。
延載初に遷鳳閣舎人となり、
檢校鳳閣侍郎同鳳閣鸞台平章事として相となり、
ついで鳳閣侍郎に正任。
證聖元年法に触れて下獄するが、謹慎を賞され集州刺史に止まる。
すぐまた天官侍郎。
聖暦初、鳳閣侍郎同鳳閣鸞台三品として復相。
多識であるが、定見はなく有力者に媚びた。
長安中，父の改葬装に際して不法があり弾劾され坊州刺史。
すぐ益州大都督府長史に昇進。
神龍初に張易之・昌宗に附いていたため郿州剌史へ貶。
また益州大都督府長史となるが途次に58才で卒する。贈冀州刺史。
［宰相履歴］
①延載元年三月鳳閣侍郎同鳳閣鸞臺平章事朔方道行軍司馬
～萬歳登封元年正月貶集州刺史。
②聖暦元年九月鳳閣侍郎同鳳閣鸞臺平章事～長安元年七月充使往幽平等州按察兵馬
～二年十月同鳳閣鸞臺三品～四年三月貶坊州刺史

唐宰相一覧［除皇族］113.陸元方

陸元方。字は希仲。
蘇州吳縣人。
曾祖の琛は陳給事中黃門侍郎。
明經と八科舉に合格し監察御史。
則天時、殿中侍御史。
すぐ鳳閣舎人仍判侍郎事に昇進する。
酷吏來俊臣に誣告されるが特赦される。
長壽二年鸞台侍郎同鳳閣鸞台平章事として相となる。
延載初に鳳閣侍郎に転じる。
證聖初に李昭に坐し貶綏州刺史。
ついで春官侍郎に復し、天官侍郎兼司衛卿・尚書左丞を歴任。
崔玄暐等を起用する。
聖暦二年鸞台侍郎平章事として復相。
則天の意に逆らい罷免され太子右庶子。
文昌左丞に転じて病卒。
機密を守り清謹であり私利を図らなかった。
贈越州都督。開元十八年，贈揚州大都督。
子の象先も相となる。
［宰相履歴］
①長壽2年9月鸞臺侍郎同鳳閣鸞臺平章事～萬歳登封元年正月貶刺史
②聖暦2年8月鸞臺侍郎同鳳閣鸞臺平章事～久視元年正月罷

唐宰相一覧［除皇族］112.唐休

唐璿。字は休。
京兆始平人也。
曾祖の規は周驃騎大將軍・安邑縣公。
祖の宗は大業末に梁師都に殺される。
若くして明經に合格。
永徽中に吳王府典簽，營州戶曹。
調露中に奚、契丹を撃ち有功、朔州長史・豐州司馬。
永淳中に突厥より豐州を守る。
垂拱中に安西副都護、吐蕃を防ぐ。
西州都督に遷り安西四鎭を復す。
聖歷中に司衛［衛尉］卿兼涼州都督右肅政御史大夫持節隴右諸軍州大使。
久視元年秋に吐蕃を破る。
右武威、右金吾二衛大將軍を兼ねる。
西域の防衛の権威となり、
長安三年夏官尚書同鳳閣鸞台三品として相となる。
ついで太子右庶子に転じ宰相。
契丹が侵攻し、また夏官尚書兼檢校幽營等州都督兼安東都護。
中宗が即位し輔國大將軍同中書門下三品封酒泉郡公。
まもなく特進を加え尚書右僕射。
是歲秋中書令充京師留守に遷る。
にわかに檢校吏部尚書を加える。
太子時代の功績により實封參百戶・宋國公。
景龍二年致仕するが、
尚宮賀婁氏が権勢を振るうと子にその娘を娶らせる。
それにより太子少師同中書門下三品監修國史に復するが非難される。
景雲元年特進充朔方道行軍大總管となり突厥に備える。
景雲二年致仕。
延和元年七月、86歳で卒する。贈荊州大都督，謚曰忠。
子の先慎が襲爵し陳州刺史に至る。
次子の先擇は右金吾衛将軍。
［宰相履歴］
①長安3年7月夏官尚書同鳳閣鸞臺平章事～4年3月行右庶子
～8月兼幽營二州都督安東都護～神龍元年4月輔國大將軍同中書門下三品
～5月尚書左僕射同中書門下平章事～10月京留守仍判尚書省事
～2年3月致仕
②景龍3年12月太子少師同中書門下三品～景雲元年7月致仕

唐宰相一覧［除皇族］111.豆盧欽望

豆盧欽望。字は？。
京兆萬年人。
曾祖通は隋相州刺史・南陳郡公。
祖は隋文帝外孫、唐に帰し禮部尚書、左衛大將軍，芮國公。
父仁業は左衛將軍。
蔭位により昇進し、則天時に越州都督・司賓［鴻臚］卿に至る。
長壽二年內史として相。
時に李昭の執政に従う。
證聖元年皇甫文備が誣告し昭に坐し趙州刺史へ。
しかしすぐ司禮卿に戻り、秋官尚書・芮國公。
河北道宣勞使として巡察。
廬陵王が皇太子に復すると皇太子宮尹。
聖歷二年文昌右相同鳳閣鸞台三品として相。
ついで太子賓客として罷相。
中宗が即位すると、太子時代の関係で尚書左僕射知軍國重事
兼檢校安國相王府長史となり、兼中書令・知兵部事・監修國史を併任。
謹慎であるが弊政を糺すことはできず保身に努める。
神龍二年開府儀同三司檢校安國相王府長史。。
景龍三年五月致仕
十一月80歳で卒する。贈司空并州大都督，謚曰元。
［宰相履歴］
①長壽2年9月守内史～萬歳登封元年正月貶刺史
②神功元年8月文昌右相同鳳閣鸞臺三品～聖暦元年2月罷？
③聖暦2年8月文昌右相同鳳閣鸞臺三品～久視元年2月罷？
④神龍元年5月右僕射同中書門下三品～6月軍國重事中書門下平章
～8月兼檢校安國相王府長史～2年12月開府儀同三司平章軍國重事
～景龍3年11月薨