唐宰相一覧［除皇族］110.韋巨源

韋巨源。字は？。
北周の京兆尹總の曾孫。
祖匡伯は襲鄖國公で隋の舒國公。
宰相安石と同系。
則天時に司賓少卿に進み、司府卿に転じる。
長壽二年文昌右丞同鳳閣鸞台平章事として相となる。
三年夏官侍郎平章事に。
吏才があり文書行政に通じ細部まで点検した。
證聖初に李昭に坐し鄜州刺史へ。
ついで地官尚書神都留守。
長安二年刑部尚書となり太子賓客を加えられ再び神都留守。
神龍初，工部尚書・同安縣子。
又吏部尚書同中書門下三品として復相、郇縣伯に進む。
安石が中書令となり、近親であるため罷相。
ついで韋后の親族であるため侍中・中書令・舒國公に進む。
「垂拱格」「格後敕」などの選定にあたる。
武三思や韋后に媚びる。
景龍三年尚書左僕射に転じる。
まもなく尚書令？同中書門下三品監修國史。
景雲元年韋后の乱に殺される、80歳。
睿宗が即位し贈特進荊州大都督。諡「昭」
則天時には一族安石・待價が相となり、
大官になるもの數十人で栄えた。
［宰相履歴］
①長壽2年9月文昌右丞同鳳閣鸞臺平章事～萬歳登封元年正月貶刺史
②久視元年正月納言～10月罷
③神龍元年7月太子賓客同中書門下三品～9月罷
④神龍2年2月守刑部尚書同中書門下三品～景龍元年7月吏部尚書
～9月侍中～3年2月尚書左僕射同中書門下三品～9月都留守～景雲元年6月誅

唐宰相一覧［除皇族］109.婁師

婁師。字は宗仁。
鄭州原武人。
進士に合格し江都尉。
揚州長史盧承業に評価される。
上元初に監察御史となり対吐蕃策を提案。
仮に朝散大夫となり吐蕃を討ち功績があり
殿中侍御史兼河源軍司馬並知營田事。
天授初に左金吾將軍兼檢校豐州都督仍依舊知營田事として営田に功績。
長壽元年夏官侍郎判尚書事。
二年同鳳閣鸞台平章事として相となる。
河源積石懷遠等軍及河蘭鄯廓等州檢校營田大使として吐蕃防衛にあたる。
秋官尚書にうつる。
萬歲登封元年，左肅政御史大夫平章事・原武縣男。
證聖元年吐蕃に素羅汗山で大敗し、貶原州員外司馬。
萬歲通天二年再び起用され鳳閣侍郎同鳳閣鸞台平章事。
兼檢校右肅政御史大夫仍知左肅政台事として契丹防衛に。
神功元年納言・譙縣子となる。
ついで充隴右諸軍大使仍檢校河西營田事として吐蕃防衛。
聖歷二年突厥入寇，復令檢校并州長史仍充天兵軍大總管。
是歲九月に70才で卒する，贈涼州都督，謚曰貞。
才能を表に出さず、常に温厚謙譲を貫き敵を作ることを避け、
則天の疑いを招かず、酷吏の糾弾に遭わなかった。
「人から唾を吐きかけられたら、だまって拭わずいろ、
拭うことは反抗を示すことだ」
という言葉がそれを表す。
狄仁傑を推薦したことでも知られる。
［宰相履歴］
①長壽2年1月夏官侍郎同鳳閣鸞臺平章事
～延載元年2月秋官尚書充河源積石懷遠等軍營田大使
～萬歳通天元年1月左肅政臺御史大夫肅邊道行軍總管～4月貶州司馬
②神功元年正月守鳳閣侍郎同鳳閣鸞臺平章事～5月清邊道行軍副大總管
～6月安撫河北～9月守納言～聖暦元年4月隴右諸軍大使仍檢校河西營田事
～2年3月納言～4月天兵軍副大總管～充隴右諸軍大使～8月薨

唐宰相一覧［除皇族］108.李昭徳

李昭。字は？。
雍州長安人。
強幹として有名な御史大夫乾祐の子。
若くして明經に合格。
御史中丞に進む。
永昌初坐事貶振州陵水尉。
還って鳳閣侍郎に進む。
長壽二年夏官侍郎になる。
是歲鳳閣鸞台平章事として宰相に。
ついで檢校內史。
敏腕で神都の造営・改作にあたる。
薛懷義が突厥を討つときに行軍長史。
魏王武承嗣が親王でありながら宰相を兼ねることを諫言。
承嗣は太子少保となり，罷相。
延載初に鳳閣舎人張嘉福が武承嗣の立太子を求めるが阻止。
來俊臣や侯思止など酷吏の不法を弾劾、思止を誅する。
しかしその專權を弾劾され失脚し、
延載初に欽州南賓尉に貶され、また配流される。
ついでまた起用され監察御史。
萬歲通天二年酷吏來俊臣と争い共に誅殺される。
士庶は昭を惜しむ。
神龍中に贈左御史大夫。
宗建中三年加贈司空。
［宰相履歴］
長壽元年8月夏官侍郎同鳳閣鸞臺平章事～延載元年3月検校内史
～朔方道行軍長史～9月貶県尉

唐宰相一覧［除皇族］107.崔神基

崔神基。字は？。
貝州人。
則天擁立の功臣御史大夫義玄の子。
父を嗣ぎ襲清丘縣公。
長壽元年2月司賓卿同鳳閣鸞台平章事として相。
9月酷吏王弘義が誣告し他の宰相達とともに嶺南に流罪。
中宗が復位すると大理卿になる。
弟神慶は太常卿。
［宰相履歴］
長壽元年8月司賓卿同鳳閣鸞臺平章事～9月流

唐宰相一覧［除皇族］106.袁智弘

袁智弘。字は？。
河東人，
［旧唐書・新唐書に伝はない］
「留司格」を冊定官として撰する。
長壽元年2月秋官尚書同鳳閣鸞臺平章事として相。
9月酷吏王弘義が誣告し李游道、王璿、崔神基、李元素とともに流罪。
［宰相履歴］
長壽元年2月秋官尚書同鳳閣鸞臺平章事～9月流

唐宰相一覧［除皇族］105.姚璹

姚璹。字は令璋。
散騎常侍思廉の孫。
幼くして父を亡くす。
經史を学習し、才辯がある。
永徽中に明經に合格し太子宮門郎。
孟利貞と「瑤山玉彩書」を作成し秘書郎。
調露中に中書舎人・吳興縣男に至る。
則天臨朝し夏官侍郎となる。
從父弟敬節が李敬業の乱に坐し、桂州都督府長史に貶。
嶺南において則天に迎合した奏事を行い、
天官侍郎に復し業績がある。
長壽二年文昌左丞同鳳閣鸞台平章事として宰相。
宰相記録として「時政記」を書き、每月史館に送る。
しかし九月，坐事で司賓少卿に貶せられる。
延載初にまた納言として復相。
從父弟が法を犯すが罪せられず。
天樞を造営する。
證聖初，秋官尚書同平章事に転じる。
是歲，明堂火災時に則天に迎合。
天樞が完成し銀青光祿大夫。
武三思が榆關道安撫大使として契丹に備え、副使となる。
神功初に事に坐し益州大都督府長史に貶せらる。
劍南の官吏の規律を正す。
新都丞朱待辟の事件を追及し大獄を起こす。
地官尚書、冬官尚書兼西京留守を歴任。
長安中に致仕，縣伯に進む。
工部尚書に改称。
神龍元年74才で卒する。贈越州都督，謚曰成。
［宰相履歴］
①長壽元年8月天官侍郎同鳳閣鸞臺平章事～9月罷
②延載元年8月守納言～萬歳通天元年7月榆關道安撫副大使～神功元年8月罷

唐宰相一覧［除皇族］104.李元素

李元素。字は？。
亳州譙人。
宰相敬玄の弟。
吏才が有り武徳県令
長壽元年檢校地官侍郎から銀光禄大夫文昌右丞同鳳閣鸞台
平章事として相となる。
翌月酷吏王弘義の誣告により流される。
また文昌右丞に復帰し
延載元年鳳閣侍郎同鳳閣鸞台平章事としてまた相となる。
神功元年武懿宗の指示を受けた酷吏吉頊・來俊臣の誣告により、
則天の豪族一掃策として多くの名家とともに族滅される。
神龍初、復官爵。
子の志は隴州刺史に至る。
［宰相履歴］
①長壽元年8月地官侍郎同鳳閣鸞臺平章事～9月流
②延載元年10月守鳳閣侍郎同鳳閣鸞臺平章事～神功元年正月殺

唐宰相一覧［除皇族］103.王璿

王璿。字は希琢。
琅琊王氏の出
祖父は楚州刺史。父儉は御史中丞・歸仁縣男。
［新旧とも傳はない、旧紀には相暦なし］
父は則天擁立の功臣であり、蔭位で始まる。
長壽元年8月營繕［將作］大匠から夏官尚書平章事として相となる。
翌月、酷吏王弘義の誣告により流される。
相位には23日しかついていない。
則天の無定見と宰相の濫造が見られる。
陷，一起流放到了岭南，在相位仅三十三日。
以降は不明だが、長安3年に金紫光禄大夫行殿中监
兼検校奉宸令・琅耶縣子の地位にあったかもしれない。
［宰相履歴］
長壽元年8月夏官尚書同鳳閣鸞臺平章事～9月流

唐宰相一覧［除皇族］102.崔元綜

崔元綜。字は？。
鄭州新鄭人。
祖の君肅は黃門侍郎、鴻臚卿。
蔭位で始まり、
秋官［刑部］侍郎として酷吏の一員であり
天授初に鸞台侍郎同鳳閣鸞台平章事として相となる。
生真面目で精力的に執務し、
外面は温厚だが、内面は酷薄。
罪状はあくまで追及して懼れられた。
事に坐し振州に流された。
赦され監察御史から中宗時に尚書左丞・蒲州刺史に至った。
老齢で致仕し、導引の術を好み90歳まで長生きした。
［宰相履歴］
長壽元年8月秋官侍郎同鳳閣鸞臺平章事～延載元年8月流

唐宰相一覧［除皇族］101.李游道

李游道。字は？。
［新旧とも傳はない］
趙郡李氏南祖の出で父は刑部侍郎叔慎。
蒲州刺史素立の従兄。
長壽元年司刑［大理］卿検校陝州刺史より
冬官［工部］尚書平章事で相に連なる。
その後三品に昇格か？
9月酷吏王弘義に誣告され流される。
以降不明。
子の景宣は台州刺史。
［宰相履歴］
長壽元年1月冬官尚書同鳳閣鸞臺平章事～9月流

唐宰相一覧［除皇族］100.楊執柔

楊執柔。字は？。
宰相恭仁の弟弘農公續の孫。
父思止は潞州刺史。
新舊書とも略記のみ。
則天の母系［恭仁叔父達之女］の親族に当たるの
で優遇される。
父系の武氏との釣合により。
長壽元年夏官尚書より平章事として宰相となる。
同中書門下三品になったとい説もある。
特に才もないので罷され地官尚書に遷る。
ついで卒する。
子の滔は吏部侍郎。
弟の執一は右金吾衛大將軍。
［宰相履歴］
長壽元年1月夏官尚書同鳳閣鸞臺平章事～8月罷

唐宰相一覧［除皇族］99.裴行本

裴行本。字は？。
新舊書とも傳はない。
河東人。
祖父獻は隋朝扶州刺史臨汾郡公
天授二年九月冬官［工部］侍郎より同鳳閣鸞臺平章事
として相となる。
翌年酷吏來俊臣に狄仁傑等とともに謀叛と弾劾され流罪。
後は不明。
［宰相履歴］
天授2年9月冬官侍郎同鳳閣鸞臺平章事～長壽元年1月流

唐宰相一覧［除皇族］98.狄仁傑

狄仁傑。字懷英。
并州太原人。
祖孝緒は尚書左丞。
父知遜は夔州長史。
明經に合格し，汴州判佐となる。
河南道黜陟使工部尚書閻立本に薦され并州都督府法曹。
儀鳳中に大理丞。一萬七千人を裁判したが
不服を言う者はなかった。
高宗にも直言し侍御史。
司農卿韋機の山陵を華美として弾劾。
酷吏左司郎中王本立をも弾劾する。
さいで朝散大夫，度支郎中に進む。
高宗が汾陽宮に行幸し知頓使。
寧州刺史になり，善政をしく。
御史郭翰が巡察しその政を賞賛する。
冬官侍郎充江南巡撫使となり淫祠を毀す。
文昌右丞から豫州刺史。
越王貞謀叛時の緣坐者・籍沒者を赦す。
宰相張光輔の不興を買い復州刺史に貶される。
光輔失脚後、洛州司馬となり
天授二年九月地官侍郎判尚書同鳳閣鸞台平章事として相となる。
來俊臣が誣告し下獄。
彭澤令に貶される。
萬歲通天年契丹が侵攻し冀州を陥す。魏州刺史となり鎮撫。
幽州都督に遷る。
神功元年鸞台侍郎同鳳閣鸞台平章事として宰相。
銀青光祿大夫を加えられ兼納言。
ついで檢校納言兼右肅政台御史大夫。
聖歷初に突厥が趙、定等州に侵攻し、河北道元帥として
防禦するが勝てず。
ただ河北道安撫大使として河北を鎮撫。
軍還り內史となる。
桓彥範、敬暉、竇懷貞、姚崇等次代の基礎となる
有能な人士を多く推薦し、
中宗を呼び戻すことを乞うなど。
則天に尊重され進言が聴かれることが多かった。
久視元年に71歳で卒する。贈文昌右相，謚曰文惠。
中宗が復位すると贈司空
睿宗時、追封梁國公。
子光嗣は戸部郎中に終わる。
［宰相履歴］
①天授2年9月守地官侍郎同鳳閣鸞臺平章事～長壽元年1月貶県令
②神功元年閏10月鸞臺侍郎同鳳閣鸞臺平章事
～聖暦元年8月兼納言～9月河北道行軍副元帥檢校納言
～10月河北道安撫大使～久視元年正月内史～9月薨

唐宰相一覧［除皇族］97.歐陽通

欧陽通。字は不明。
「九成宮醴泉銘」で有名な書家詢の子。
父没後、母徐氏に父の書を教えられる。
本人も能書家である。
儀鳳中、中書舍人になる。
母喪において孝を讃えられる。
殿中監。渤海縣子に進む
累進して、天授2年夏官尚書より司禮卿・判納言事として宰相。
まもなく岑長倩とともに武承嗣の立太子に反対し
たため來俊臣に誣告され誅殺される。
神龍二年復官。
「道因法師碑」などが残存。
［宰相履歴］
天授2年8月司禮卿兼判納言事～10月殺

唐宰相一覧［除皇族］96.任知古

任知古。字は？。
［新旧とも傳はない］
朝議郎行麟台郎に進む。
天授二年鳳閣侍郎同鳳閣鸞臺平章事として宰相に連なる。
長壽元年狄仁傑等とともに酷吏来俊臣に誣告される。
誅殺は赦され江夏県令に左遷。
↓以下は別人かも知れない
玄宗時、侍御史として威權を振るうが、嚴挺之に弾不敬を劾され
萬州員外參軍に左遷される。
［宰相履歴］
天授2年6月鳳閣侍郎同鳳閣鸞臺平章事
～長壽元年正月貶県令