唐朝の宰相は尚書・門下・中書の長官である尚書令・侍中・中書令であったが、尚書令は太宗が秦王時
についていたため、欠官とされることが多く、次官の左右僕射が宰相とされることが多かった。
そして太宗時には参知政事などが付帯された他官の任用も多く見られた。
高宗初期より同中書門下三品があらわれ、主に中書省・門下省の次官たる中書・門下侍郎や六部尚書な
どに付帯されて宰相任用が行われていった。
やがて則天武帝によって、官僚の大量粛清が行われ、下位の官人を登用するため、六部侍郎に同中書門下
平章事を付帯するなどに変化していった。
ところでこの同中書門下三品の「三品」であるが、官位としての「三品」というより、「三品官以上の」
という意味合いが強い。下記の例にあるようにしばしば上位本官にも付帯されているからである。
理解しかねるのは「侍中・中書令」など正任宰相に付帯されている場合が数例ある。これは誤記載か、
それとも誤任用なのかは不明である。
[本官官位の記載なしは正三品]
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年 事 項 本官官位
貞觀23 九月乙卯,開府儀同三司參掌機密李勣為尚書左僕射、同中書門下三品。 従二品
永徽2 正月乙巳,黃門侍郎宇文節同中書門下三品。
永徽2 正月乙巳,中書侍郎柳奭同中書門下三品。
永徽2 八月己巳,侍中張行成為尚書右僕射、同中書門下三品 従二品
永徽2 八月己巳,侍中于志寧為尚書左僕射、同中書門下三品。 従二品
永徽3 正月己巳,同州刺史褚遂良為吏部尚書、同中書門下三品。
永徽3 三月辛巳,兵部侍郎韓瑗守黃門侍郎、同中書門下三品。
永徽3 九月,守中書侍郎來濟同中書門下三品。
永徽4 九月甲戌,吏部尚書三品褚遂良為尚書左僕射、同中書門下三品,仍知選事。 従二品
顯慶1 三月丙戌,戶部侍郎杜正倫為黃門侍郎、同中書門下三品。
顯慶1 七月癸未,中書令崔敦禮為太子少師、同中書門下三品。 従二品
顯慶4 四月丙辰,左僕射三品于志寧為太子太師、同中書門下三品。 従一品
顯慶4 乙丑,守黃門侍郎許圉師兼檢校左庶子、同中書門下三品。
顯慶4 五月己卯,守黃門侍郎兼檢校左庶子三品許圉師為中書侍郎同三品。
顯慶4 丙申,兵部尚書任雅相同中書門下三品
顯慶4 八月壬子,普州刺史李義府兼吏部尚書、同中書門下三品。
顯慶4 癸亥,度支尚書參知政事盧承慶同中書門下三品。
龍朔2 八月壬寅,右相許敬宗為太子少師、同東西臺三品,仍知西臺事。 従二品
龍朔2 十月庚戌,西臺侍郎上官儀同東西臺三品。
麟2 三月甲寅,司戎太常伯姜恪同東西臺三品。
乾封2 六月乙卯,西臺侍郎楊武戴至同東西臺三品。
乾封2 六月乙卯,東臺侍郎李安期同東西臺三品。
乾封2 六月乙卯,司列少常伯趙仁本同東西臺三品。 正四品
總章2 二月辛酉,東臺舍人參知政事張文瓘為東臺侍郎同東西臺三品。
總章2 二月辛酉,右肅機李敬玄為西臺侍郎同東西臺三品。
總章2 三月丙戌,東臺侍郎郝處俊同東西臺三品。
咸亨3 十二月,金紫光祿大夫致仕劉仁軌為太子左庶子、同中書門下三品。 正四品
上元2 八月庚子,東臺侍郎三品張文瓘 為侍中 同中書門下三品。 正二品
上元2 八月庚子,東臺侍郎三品郝處俊 為中書令 同中書門下三品。 正二品
儀鳳1 三月癸卯,黃門侍郎來恆同中書門下三品。
儀鳳1 三月癸卯,中書侍郎薛元超同中書門下三品。
儀鳳1 四月甲寅,中書侍郎李義琰同中書門下三品。
儀鳳1 六月癸亥,黃門侍郎高智周同中書門下三品。
儀鳳2 四月,太子左庶子張大安同中書門下三品。 正四品
永隆1 四月戊辰,中書侍郎王真同中書門下三品。
永隆1 四月戊辰,黃門侍郎裴炎同中書門下三品。
永隆1 四月戊辰,黃門侍郎崔知溫同中書門下三品。
開耀1 七月甲午,劉仁軌罷左僕射,以太子少傅同中書門下三品。 従二品
弘道1 戊寅,黃門侍郎平章事劉景先守 侍中 同中書門下三品。 正二品
弘道1 戊寅,兵部侍郎同承受進止平章事岑長倩兵部尚書同中書門下三品。
弘道1 戊寅,檢校太子右庶子平章事郭待舉左散騎常侍同中書門下三品。
弘道1 戊寅,吏部侍郎同承受進止平章事魏玄同黃門侍郎同中書門下三品。
光宅1 正月癸巳,左散騎常侍韋弘敏為太府卿、同中書門下三品。
光宅1 二月丁丑,中書侍郎、豫王府司馬劉禕之為中書侍郎、同中書門下三品。
光宅1 閏五月甲子,禮部尚書武承嗣為太常卿、同中書門下三品。
光宅1 十月丁亥,左肅政臺御史大夫騫味道檢校內史、同鳳閣鸞臺三品。 ?
垂拱1 庚戌,檢校內史同鳳閣鸞臺三品騫味道 守內史 同三品。 正二品
垂拱1 二月乙巳,禮部尚書武承嗣同鳳閣鸞臺三品。
垂拱1 二月乙巳,右肅政臺御史大夫韋思謙同鳳閣鸞臺三品。
垂拱1 二月乙巳,秋官尚書裴居道同鳳閣鸞臺三品。
垂拱1 壬申,鳳閣侍郎平章事韋方質同鳳閣鸞臺三品。
垂拱1 六月,天官尚書韋待價同鳳閣鸞臺三品。
垂拱2 六月辛未,納言蘇良嗣守文昌左相、同鳳閣鸞臺三品, 従二品
載初1 戊寅,左肅政臺御史大夫平章事王本立同鳳閣鸞臺三品。
載初1 十月丁卯,春官尚書范履冰同鳳閣鸞臺平章事。
載初1 十月丁卯,鳳閣侍郎邢文偉同鳳閣鸞臺平章事。
天授1 一月戊子,納言武承嗣為文昌左相同鳳閣鸞臺三品。 従二品
天授1 一月戊子,内史岑長倩為文昌右相同鳳閣鸞臺三品。 従二品
延載1 四月壬戌,夏官尚書武威道大總管王孝傑同鳳閣鸞臺三品。
についていたため、欠官とされることが多く、次官の左右僕射が宰相とされることが多かった。
そして太宗時には参知政事などが付帯された他官の任用も多く見られた。
高宗初期より同中書門下三品があらわれ、主に中書省・門下省の次官たる中書・門下侍郎や六部尚書な
どに付帯されて宰相任用が行われていった。
やがて則天武帝によって、官僚の大量粛清が行われ、下位の官人を登用するため、六部侍郎に同中書門下
平章事を付帯するなどに変化していった。
ところでこの同中書門下三品の「三品」であるが、官位としての「三品」というより、「三品官以上の」
という意味合いが強い。下記の例にあるようにしばしば上位本官にも付帯されているからである。
理解しかねるのは「侍中・中書令」など正任宰相に付帯されている場合が数例ある。これは誤記載か、
それとも誤任用なのかは不明である。
[本官官位の記載なしは正三品]
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年 事 項 本官官位
貞觀23 九月乙卯,開府儀同三司參掌機密李勣為尚書左僕射、同中書門下三品。 従二品
永徽2 正月乙巳,黃門侍郎宇文節同中書門下三品。
永徽2 正月乙巳,中書侍郎柳奭同中書門下三品。
永徽2 八月己巳,侍中張行成為尚書右僕射、同中書門下三品 従二品
永徽2 八月己巳,侍中于志寧為尚書左僕射、同中書門下三品。 従二品
永徽3 正月己巳,同州刺史褚遂良為吏部尚書、同中書門下三品。
永徽3 三月辛巳,兵部侍郎韓瑗守黃門侍郎、同中書門下三品。
永徽3 九月,守中書侍郎來濟同中書門下三品。
永徽4 九月甲戌,吏部尚書三品褚遂良為尚書左僕射、同中書門下三品,仍知選事。 従二品
顯慶1 三月丙戌,戶部侍郎杜正倫為黃門侍郎、同中書門下三品。
顯慶1 七月癸未,中書令崔敦禮為太子少師、同中書門下三品。 従二品
顯慶4 四月丙辰,左僕射三品于志寧為太子太師、同中書門下三品。 従一品
顯慶4 乙丑,守黃門侍郎許圉師兼檢校左庶子、同中書門下三品。
顯慶4 五月己卯,守黃門侍郎兼檢校左庶子三品許圉師為中書侍郎同三品。
顯慶4 丙申,兵部尚書任雅相同中書門下三品
顯慶4 八月壬子,普州刺史李義府兼吏部尚書、同中書門下三品。
顯慶4 癸亥,度支尚書參知政事盧承慶同中書門下三品。
龍朔2 八月壬寅,右相許敬宗為太子少師、同東西臺三品,仍知西臺事。 従二品
龍朔2 十月庚戌,西臺侍郎上官儀同東西臺三品。
麟2 三月甲寅,司戎太常伯姜恪同東西臺三品。
乾封2 六月乙卯,西臺侍郎楊武戴至同東西臺三品。
乾封2 六月乙卯,東臺侍郎李安期同東西臺三品。
乾封2 六月乙卯,司列少常伯趙仁本同東西臺三品。 正四品
總章2 二月辛酉,東臺舍人參知政事張文瓘為東臺侍郎同東西臺三品。
總章2 二月辛酉,右肅機李敬玄為西臺侍郎同東西臺三品。
總章2 三月丙戌,東臺侍郎郝處俊同東西臺三品。
咸亨3 十二月,金紫光祿大夫致仕劉仁軌為太子左庶子、同中書門下三品。 正四品
上元2 八月庚子,東臺侍郎三品張文瓘 為侍中 同中書門下三品。 正二品
上元2 八月庚子,東臺侍郎三品郝處俊 為中書令 同中書門下三品。 正二品
儀鳳1 三月癸卯,黃門侍郎來恆同中書門下三品。
儀鳳1 三月癸卯,中書侍郎薛元超同中書門下三品。
儀鳳1 四月甲寅,中書侍郎李義琰同中書門下三品。
儀鳳1 六月癸亥,黃門侍郎高智周同中書門下三品。
儀鳳2 四月,太子左庶子張大安同中書門下三品。 正四品
永隆1 四月戊辰,中書侍郎王真同中書門下三品。
永隆1 四月戊辰,黃門侍郎裴炎同中書門下三品。
永隆1 四月戊辰,黃門侍郎崔知溫同中書門下三品。
開耀1 七月甲午,劉仁軌罷左僕射,以太子少傅同中書門下三品。 従二品
弘道1 戊寅,黃門侍郎平章事劉景先守 侍中 同中書門下三品。 正二品
弘道1 戊寅,兵部侍郎同承受進止平章事岑長倩兵部尚書同中書門下三品。
弘道1 戊寅,檢校太子右庶子平章事郭待舉左散騎常侍同中書門下三品。
弘道1 戊寅,吏部侍郎同承受進止平章事魏玄同黃門侍郎同中書門下三品。
光宅1 正月癸巳,左散騎常侍韋弘敏為太府卿、同中書門下三品。
光宅1 二月丁丑,中書侍郎、豫王府司馬劉禕之為中書侍郎、同中書門下三品。
光宅1 閏五月甲子,禮部尚書武承嗣為太常卿、同中書門下三品。
光宅1 十月丁亥,左肅政臺御史大夫騫味道檢校內史、同鳳閣鸞臺三品。 ?
垂拱1 庚戌,檢校內史同鳳閣鸞臺三品騫味道 守內史 同三品。 正二品
垂拱1 二月乙巳,禮部尚書武承嗣同鳳閣鸞臺三品。
垂拱1 二月乙巳,右肅政臺御史大夫韋思謙同鳳閣鸞臺三品。
垂拱1 二月乙巳,秋官尚書裴居道同鳳閣鸞臺三品。
垂拱1 壬申,鳳閣侍郎平章事韋方質同鳳閣鸞臺三品。
垂拱1 六月,天官尚書韋待價同鳳閣鸞臺三品。
垂拱2 六月辛未,納言蘇良嗣守文昌左相、同鳳閣鸞臺三品, 従二品
載初1 戊寅,左肅政臺御史大夫平章事王本立同鳳閣鸞臺三品。
載初1 十月丁卯,春官尚書范履冰同鳳閣鸞臺平章事。
載初1 十月丁卯,鳳閣侍郎邢文偉同鳳閣鸞臺平章事。
天授1 一月戊子,納言武承嗣為文昌左相同鳳閣鸞臺三品。 従二品
天授1 一月戊子,内史岑長倩為文昌右相同鳳閣鸞臺三品。 従二品
延載1 四月壬戌,夏官尚書武威道大總管王孝傑同鳳閣鸞臺三品。