皆さん、この映画のタイトルなり評判なりをちらっとでも今まで聞いたことありました?
無いでしょう?
日本ではほとんど誰も知らないと言ってもよいこのアメリカ映画、
(そう思ってるのがエリス中尉だけだったらゴメンナサイ)
悪名高きドゥーリトル爆撃隊の東京大空襲を描いたものです。
3枚買うと3千円というコーナーで見つけなければ今後も知らないまま人生を終わっていたかもしれないのですが、買ってしまったのでご報告します。
何も知識のないまま観始めたのですが、なんだか次第に
「嫌な感じ」
に見舞われてしまいましてね。
日本と戦争していて日本を爆撃する映画なら当たり前じゃないのか、と思われた方。
その「嫌な感じ」というのが、日本人としての嫌な感じであるのは当然なのですが、少し不思議だったんですね。
およそ戦後の戦争映画は、かつての敵国といえど今は仲良しゆえ、ちょっとは相手の気持ちも考えて作られていて、相手が悪いとかではなく
「仕方なく戦っただけだから。戦争だったんだよ」
というところに着地しようとしている様子がどこかにあるものですが、
これにはそれが無いというのがその感じの原因です。
爆撃隊のブリーフィングで日本に駐在武官として長らくいたという佐官が写真を見ながら説明する。
「この工場は何とか言う兄弟がやっていた。嫌な奴らで嫌いだった」
・・・ここ笑うところですか?
搭乗員が
「不時着はどうやったらいいですか」
するとその佐官、顔を曇らせて
「日本に不時着だけはするな」
って、なんだよこれ。
爆撃後中国の沿岸に不時着して医者を頼むと中国人が
「このへんに医者はいない。日本人の意者ならいるが」
「日本人でも何でもいい」
「日本人は夜は絶対に来ない」
って、なんなんだよこれ。
で、異常に中国人を持ちあげてるんですね。
なんかみんな純粋で気持ちが優しく、天使のよう。
英語を話す中国人の医者もその父親も、もう当てつけのように?いい人ばかり。
中国を飛行機で発つとき何故か後ろにあの「中国国歌」。
なんなんだあこれは!
と、やおらウィキで調べだしたところ、なんと、この映画が製作されたのは
1944年
うぉっと、国威発揚映画でしたか。
そいつは失礼しましたね。
道理で日本人が観たらむかむかするはずだ。
さて、ご存知のように、日本では鬼悪魔と言われたドゥーリトル爆撃隊、隊員は家庭もあり愛する人もいる一人の人間、ってことで、主人公ローソン中尉の新婚の妻とのロマンスを中心にストーリーが進みます。
不時着で脚を切断するものの、生きて妻に会える、と機上でうるうるするローソン中尉。
意識がもうろうとする中で幸せな日のクリスマスを思い出したり、もうべったべたです。
また、この片足をなくしたローソンに天使のような中国人が
「みんなにプレゼントあるよ」
といって中国靴を渡すのですが、中尉の脚に気付きはっとするとか、
岩石のようなおばはんが何故か皆が去るとき滂沱の涙を流しているとか、
一体中国人をなんだと思いたいんだアメリカ人?
って言いたくなる甘ったるい感じが横溢しておりましてね。
そういえば小林よしのり氏が
「中国という大陸に対する根拠のないロマンシチズムと可哀そうな中国人を労わってる優しい俺たちに陶酔している」
と当時のアメリカ人が中国に対して持っている幻想を切って捨てていましたが、まさにそんな感じ。
あのおばはんはきっとみんなが出ていくのが哀しくて泣いてるんじゃないと思うぞ。
エリス中尉にはわかる。
(ちなみに、この攻撃は中華民国軍の支援を受けて行われました)
もちろん国威高揚の言い訳映画ですから、東京の空襲で罪もない子供まで死んだ、なんてことはこっから先も出てきやしません。
最高に気持ち悪いシーンが、中国人の天使のような子供たちがみんなでアメリカ国歌を歌うんです。
学校の校庭を逃げる日本人の子供に機銃掃射を浴びせたのはだあれ?
民家と知っていながら爆撃したのは誰かなあ?
でも、ご安心ください。
パイロットが
「庭師が日本人で、いい人だった。
日本人のことは別に好きでもないが嫌いでもない。
なのに今こうして世界一の都会を爆撃しようとしている。
不思議なものだ」
と言ってみたり、
ドゥーリトル隊長に訓示で
「一般市民を巻き添えで殺すことはやむを得ない。道徳心に責められるな」
と言わせて、子供を殺したことを映画で正当化していますよ。

作戦成功し、准将に進級して意気揚々のドゥーリトル。
しかし、現実は日本軍に捕虜になったうち三名が「一般人への攻撃」を行ったということで処刑されており、これがまた反日プロパガンダに使われました。
大統領の演説では彼らが一般人の意図的な殺害を理由に処刑されたことは伏せられています。
さらに言えば、この件に対しアメリカは戦後、戦犯裁判で関係者に「報復」しています。
さて、映画的には特殊撮影が当時にしては秀逸、ということです。
爆撃されている街はどう見ても日本には見えませんでしたが(笑)
それから、空母ホ―ネットで出撃時に撮影された発艦シーンが実際に映画の中で使用されており、この年の10月、ホ―ネットは瑞鶴の村田重治少佐率いる雷爆撃隊(少佐含む二機自爆攻撃)をはじめとする日本機動部隊からの攻撃でずたずたになり、最終的には米軍側の処理弾を受けても沈ます、撃沈命令により現場に赴いた秋雲と巻雲の雷撃によって引導を渡されています。
だから、ホ―ネット実物の甲板を見てみたいかたには、この映画お薦め。
つか、ここしかお薦めする箇所が無い。
いや、個人と戦争のあり方などはね、一般的で、よくわかるんですよ。
戦争している相手だから決して遠慮していないって言うのもね。
でも、とにかく
むかつく。

日本の地図にTHE END って被せんじゃねえ!(怒)
無いでしょう?
日本ではほとんど誰も知らないと言ってもよいこのアメリカ映画、
(そう思ってるのがエリス中尉だけだったらゴメンナサイ)
悪名高きドゥーリトル爆撃隊の東京大空襲を描いたものです。
3枚買うと3千円というコーナーで見つけなければ今後も知らないまま人生を終わっていたかもしれないのですが、買ってしまったのでご報告します。
何も知識のないまま観始めたのですが、なんだか次第に
「嫌な感じ」
に見舞われてしまいましてね。
日本と戦争していて日本を爆撃する映画なら当たり前じゃないのか、と思われた方。
その「嫌な感じ」というのが、日本人としての嫌な感じであるのは当然なのですが、少し不思議だったんですね。
およそ戦後の戦争映画は、かつての敵国といえど今は仲良しゆえ、ちょっとは相手の気持ちも考えて作られていて、相手が悪いとかではなく
「仕方なく戦っただけだから。戦争だったんだよ」
というところに着地しようとしている様子がどこかにあるものですが、
これにはそれが無いというのがその感じの原因です。
爆撃隊のブリーフィングで日本に駐在武官として長らくいたという佐官が写真を見ながら説明する。
「この工場は何とか言う兄弟がやっていた。嫌な奴らで嫌いだった」
・・・ここ笑うところですか?
搭乗員が
「不時着はどうやったらいいですか」
するとその佐官、顔を曇らせて
「日本に不時着だけはするな」
って、なんだよこれ。
爆撃後中国の沿岸に不時着して医者を頼むと中国人が
「このへんに医者はいない。日本人の意者ならいるが」
「日本人でも何でもいい」
「日本人は夜は絶対に来ない」
って、なんなんだよこれ。
で、異常に中国人を持ちあげてるんですね。
なんかみんな純粋で気持ちが優しく、天使のよう。
英語を話す中国人の医者もその父親も、もう当てつけのように?いい人ばかり。
中国を飛行機で発つとき何故か後ろにあの「中国国歌」。
なんなんだあこれは!
と、やおらウィキで調べだしたところ、なんと、この映画が製作されたのは
1944年
うぉっと、国威発揚映画でしたか。
そいつは失礼しましたね。
道理で日本人が観たらむかむかするはずだ。
さて、ご存知のように、日本では鬼悪魔と言われたドゥーリトル爆撃隊、隊員は家庭もあり愛する人もいる一人の人間、ってことで、主人公ローソン中尉の新婚の妻とのロマンスを中心にストーリーが進みます。

不時着で脚を切断するものの、生きて妻に会える、と機上でうるうるするローソン中尉。
意識がもうろうとする中で幸せな日のクリスマスを思い出したり、もうべったべたです。
また、この片足をなくしたローソンに天使のような中国人が
「みんなにプレゼントあるよ」
といって中国靴を渡すのですが、中尉の脚に気付きはっとするとか、
岩石のようなおばはんが何故か皆が去るとき滂沱の涙を流しているとか、
一体中国人をなんだと思いたいんだアメリカ人?
って言いたくなる甘ったるい感じが横溢しておりましてね。
そういえば小林よしのり氏が
「中国という大陸に対する根拠のないロマンシチズムと可哀そうな中国人を労わってる優しい俺たちに陶酔している」
と当時のアメリカ人が中国に対して持っている幻想を切って捨てていましたが、まさにそんな感じ。
あのおばはんはきっとみんなが出ていくのが哀しくて泣いてるんじゃないと思うぞ。
エリス中尉にはわかる。
(ちなみに、この攻撃は中華民国軍の支援を受けて行われました)
もちろん国威高揚の言い訳映画ですから、東京の空襲で罪もない子供まで死んだ、なんてことはこっから先も出てきやしません。
最高に気持ち悪いシーンが、中国人の天使のような子供たちがみんなでアメリカ国歌を歌うんです。
学校の校庭を逃げる日本人の子供に機銃掃射を浴びせたのはだあれ?
民家と知っていながら爆撃したのは誰かなあ?
でも、ご安心ください。
パイロットが
「庭師が日本人で、いい人だった。
日本人のことは別に好きでもないが嫌いでもない。
なのに今こうして世界一の都会を爆撃しようとしている。
不思議なものだ」
と言ってみたり、
ドゥーリトル隊長に訓示で
「一般市民を巻き添えで殺すことはやむを得ない。道徳心に責められるな」
と言わせて、子供を殺したことを映画で正当化していますよ。

作戦成功し、准将に進級して意気揚々のドゥーリトル。
しかし、現実は日本軍に捕虜になったうち三名が「一般人への攻撃」を行ったということで処刑されており、これがまた反日プロパガンダに使われました。
大統領の演説では彼らが一般人の意図的な殺害を理由に処刑されたことは伏せられています。
さらに言えば、この件に対しアメリカは戦後、戦犯裁判で関係者に「報復」しています。
さて、映画的には特殊撮影が当時にしては秀逸、ということです。
爆撃されている街はどう見ても日本には見えませんでしたが(笑)
それから、空母ホ―ネットで出撃時に撮影された発艦シーンが実際に映画の中で使用されており、この年の10月、ホ―ネットは瑞鶴の村田重治少佐率いる雷爆撃隊(少佐含む二機自爆攻撃)をはじめとする日本機動部隊からの攻撃でずたずたになり、最終的には米軍側の処理弾を受けても沈ます、撃沈命令により現場に赴いた秋雲と巻雲の雷撃によって引導を渡されています。
だから、ホ―ネット実物の甲板を見てみたいかたには、この映画お薦め。
つか、ここしかお薦めする箇所が無い。
いや、個人と戦争のあり方などはね、一般的で、よくわかるんですよ。
戦争している相手だから決して遠慮していないって言うのもね。
でも、とにかく
むかつく。

日本の地図にTHE END って被せんじゃねえ!(怒)