呉から岡山へ移動した夜は、駅の近くのビジネスホテルに泊まりました。
ビジネスホテルと言ってもルームサービスが無いだけで、部屋のグレードもサービスも、シティホテルと同じ。
フロントや各階には古美術陶器などが飾られ、とてもセンスのいいホテルです。
窓の大きな三角の形をした部屋で明るすぎるほど。
朝食は和食中心の美味しいブッフェが下のレストランで(800円!)いただけます。
おまけにチェックアウトが12時。
このホテルのチェックアウト時、総支配人の丁寧なご挨拶がありました。
呉のホテルでもスイートになっていたし、何やら今回どうしてこのようにVIP扱い?
その理由は直ぐに判明。
実はこの朝11時にお掃除のおばちゃんが「ピンポーン」と鳴らすやいなや、
ドアを開けて入ってきてしまったのでした。
幸いあられもない恰好をしていたわけでもなく、あらあらで済んでしまったのですが、
あられもない恰好をしていてあらあらで済まなかった場合、とんでもない騒ぎになっていたでしょう。
そういう事態を重く見たホテル側が最大級のお詫びにでてこられたということのようです。
そのうち迎えにきたTOと総支配人の間で「大変失礼をば」「いえいえ」の応酬があり、
なんと総支配人自らトランクを迎えの車まで運搬していただきました。
いいホテルですね。
この後、知人の案内で岡山一帯を楽しむ旅が始まりました。
まず、岡山観光定番、後楽園と岡山城。
当たり前の写真はさっくりと割愛。
カメとネコ。
岡山城に続く土手には棚のような出っ張りがあって、誰も来ないそこは「猫棚」として機能していました。
一応岡山城と後楽園(の一部)。
岡山城の代々城主の肖像ですが、ラスト3人はなんと写真です。
地元の方に聴くと、現在末裔の方はやはり池田さん。
皇族につながっていて、名誉職をたくさん兼任しているようですが、
メインのお仕事は遊園地?だか動物園だかの園長さんだったようです。
右は園内で息子と半分ずつ食べた桃アイス。
やたら猫が幸せそうな後楽園でしたが、この後知人に連れて行かれたのがここ。
まあ何て事は無い、招き猫のアンティークやらモダンなのやらを集めただけのもので、見るのは一瞬でおしまい。
あとはグッズを売っているのと、お茶を飲む休憩所があって、
その壁や天井に願い事を書いた短冊を貼る、というのが唯一のイベントです。
息子作。
ネコ好きのくせに、ウケを狙うためだけにこんなことをわざわざ書く、
それが息子です。 かりん、君は欲張り過ぎだ。
・・・・・・かなうといいですね。
と言う風に散々人のお願い事で楽しんで、次の場所は。 名前は・・・熊野神社だったかな。
(連れて行ってくれた方すみません)
このいちょうは樹齢600年。
こういうものには畏れのような敬虔な気持ちを抱いてしまいます。
もうすでに人格、いや神格が宿っている巨木です。
ここではとても印象的なことがありました。
なんと、高校生の弓道大会(全国大会)をやっていたのでした。
しばらくあぜんと言った感じで眺めていましたが、全国大会だけあってレベルが高い。
どうしてこの距離の、この的の真ん中に当てられるのか、と横から見ているとさらに驚異的な技に思えます。
そして、きりりと袴をつけ、黒髪を束ねた女の子たちのりりしいこと、可愛いこと。
「やっぱり日本の女の子はいいなあ」
と目を細めて見ていました。
そもそも土手に矢がささるのが当たり前のレベルです。
上手い子は百発百中で的に中てていました。
この後、地元で有名な安富牧場のアイスクリームを食べに行きました。
ベゴニアの鉢植えにお洒落な木のベンチ、ここで馬を見ながらアイスを・・・・・。
うっ・・・・・。
やはり、牛馬の匂いとアイスクリームは合わないわ。
中で食べるとしましょう。
これも息子と半分ずつ。
さっきの桃アイスとは段違いに美味しかったです。
さて、そして本日のメインエベント。
まずは民宿にチェックイン。
周りは正真正銘のカントリー。
ここにいる間は、そう、インターネットどころではなかったわけですね。
周りは小川が流れ、山に囲まれたうっそうとした林。舗装されていない道。
「おお~」
思わずその美しき田舎ぶりに感嘆の声が。
この民宿は、季節のお料理をみんなで味わう、温泉宿。
荷物は自分で部屋まで運びますし、時間になったら
「早くお風呂入ってください」
なんて奥さんが言いに来ます。
バスタオルすらありません。
そう、ここで楽しむのはマツタケを中心としたお料理。そして一夜の語らい。
ナイフがついていましたが、ちぎって割いてポンポン鍋に放り込んでいきます。
これ以外にもマツタケのお浸し、画像土瓶蒸しも。
この巨大マツタケ、おそらくデパートで買えば数万円レベルと思われます。
これを親子三人でいただくという贅沢。
知人グループと二手に分かれて食べたのですが、あちらは4人グループだったので、
随分一人当たりのマツタケ配分量に差があって申し訳なかったです。
そもそも三人のうち一人(息子)はまったく食べず、
残りの約一人ももともとマツタケが好きでというわけでもないという・・・
<(_ _)>すまぬ
食後、わたしはへやで返却しなくてはいけないDVD(剣岳)を観ていましたが、
息子はおじさんたちとなじみまくりだったようです。
ご自慢のラジコン模型を見せてもらい、自分のコンピュータゲームも披露して、すっかりご満悦。
旅行後、かれに「この旅行で一番楽しかったのは何だった?」と聴くと、ためらいなく
「あの人のうちみたいなホテル」
と答えました。
プールの付いたお洒落な温泉宿よりも、
屋上スパのあるシティホテルよりも、
暗いお風呂に大きな虫がいて、トイレ洗面所は共同の民宿が良かったとは。
でも、なんとなく「結構まともな子供に育っているのかも」と安心する答えでした。
親としては嬉しかったです。
ゴージャスホテルより、行きとどいたサービスより、
みんなでわいわい遊んだことがかれにとって楽しかったのなら。
というわけで、最後の夜。
明日もう一日、頑張れ。
(と自分を叱咤しながら続く)