ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

旅しながら淡々と写真を貼る 台湾

2012-01-01 | つれづれなるままに

新年好!しんにぇんはお~。
あけましておめでとうございます。

今年のお正月は台湾で過ごすことになった我が家です。
先の地震では異常なくらいたくさんの義捐金が寄せられ、
中国に配慮する政府に援助を断られても民間対応で救助隊を送ってくれた台湾。
旅行することでささやかな恩返しを、と言うのは大げさですが、
この安近短の近隣諸国の中では最も日本を理解してくれる親日の国に、一度行ってみるべく、
12月頃バタバタと予定を決め、29日から台北にいます。

羽田からはわずか3時間。
「善き人のためのソナタ」を泣きながら観るうちに、台湾松山空港に到着。

台北の空港は松山空港と言い、わたしたちはつい「まつやま」と読んでしまいますが、
「ソンシャン」です。
松山空港は昔旧日本軍の航空基地で、ここから多くの特攻機が飛び立ったそうです。
そう言えば、というかそう言わずとも台湾と言えば台南航空隊のあった高雄基地があるところ。
「台南に行きたい」
台湾旅行が決まったときこうつぶやいてみたのですが
「なぜ?」
「たいなんこうく」「ああ、また次のときにね」
あっさり却下されてしまいましたとさ。

空港からホテルに向かうタクシーの中で、どう聴いても演歌!という感じの歌が流れていて、
「なんかこんな日本の歌あったっけ?」とTOが言うので、不肖わたくしが
「チェイカ・シ―・タイワンダ?」(これ台湾の?と超ブロークン)
と聞くとおっちゃんが「とえとえ」(そやそや)と答えたのですが、
そのときのTOの妻に対する尊敬のまなざし。

「えっ!中国語しゃべれたの?」
「超基礎だけ」
「すげー。フランスに行ったときもいきなりしゃべりだして驚いたけど今回も驚いた」
実は、語学の勉強が趣味だった時期があるんです。

ホテルは前半は台北、後半は日月譚湖のほとりの「ラ・ルー」に宿泊予定。
そこは少しは台南よりなので、気持ちだけでも高雄基地に近づけるかなと淡い期待を。
ここ台北ではウェスティンに泊っています。
 
メインダイニングはなんと祇園という和食の店。右はビュッフェのご案内です。
ランチ1250台湾ドルですから、だいたい3700円というところでしょうか。
ここには「中華」が日常食の国ですので、上海料理と北京料理のレストランが別にあります。
 
この日上海レストランで食べたコースの前菜と、やたら躍動感あふれる非常口案内板。
うっかりコースを頼んだら途中で小一時間くらい待たされ、終わったときには3時間経過していました。
この日は日本人の客も多かったようで、キッチンが忙しかったみたいです。



羽田からわずか3時間とはいえ、この日は疲れていたのでそのまま部屋で寝てしまいました。
次の日のホテルの朝ごはんバッフェは、さすが中国。
 

紅茶漬けの卵、おかゆ、麺が標準装備。

中国語の本に「揚条(ヤウチャオ)」とかいう揚げパンのことが載っていました。
中国人は朝この油パンを豆乳に浸して食べるそうで、一度食べてみたかったの。
興味半分で一本取ってみましたが、「カチカチになった油揚げ」って感じ。
あまりおいしくありませんでした。


 

ジムから見える大きな看板なのですが、お姉さんの胸のあたりにあるものは何?
これは、この看板のあるビルのクーラーの室外機なんですね。
看板に穴を開けてしまいました。
日本なら最初から看板を作るときにサイズを考慮するんでしょうけど・・・。



こちらのちょっときれいな女性は議員立候補者。政治家です。
中山、松山地区の候補者という意味でしょう。
こう言う国ですから、人々が政治にかける関心は日本より高いのかもしれません。
街中どこに行っても候補者の大きな看板が目につきました。

 
英語学校。
中国語ではアメリカのことを美国(メイクォ)といい、英語を美語と言います。
看板には
「あなたのお子さんもたちまちアメリカ人レベルの英語がはなせるようになりますよ」と。

吉野家、洋服の青山、大戸屋(!)セブンイレブン、ファミリーマート、セブンイレブン・・・。
日本語の看板も多く、町並みの日本との違和感のなさは全く驚くばかりです。
そしてこちらでも教育熱心さを反映して、街中に英語塾や進学塾が溢れています。

 
省エネを呼び掛ける看板も。
「少し節約すれば、北極熊の絶滅を防ぐことができるのです」
だそうです。

この日のお昼は台湾人の蔡さんの案内で点心のお店に行きました。
蔡さんは、TOの知り合いが紹介してくれた方。
昔早稲田大学に留学し、今は息子さんが九州の医大で研修中とのことです。
名刺を頂いたら「台湾棒球会長」
棒球、ってご存知ですか?そう、野球のことですね。
それでは台湾、野球とくれば?
そう、蔡さんは王貞治さんの台湾の知人。
王貞治は昔はもちろん、今も「台湾の英雄」なんだそうですよ。
王さんが台湾に来ると必ず立ち寄るという点心のお店につれて行っていただきました。

因みに、台湾の棒球は「全然ため」とのことです。

 

なんなんだこのカオスな世界は。
観光客も多いですが、台湾っ子もここの点心が大好き。
蔡さんはここのオーナーと知り合いで、この悪夢のような混雑をすり抜け、待つことなく
テーブルに連れて行ってくれましたが、
おそらくこんな案内が無ければ行くことなどなかっただろうなあ。

立ったまま注文を書きつけている蔡さん。
これならオーダーミスもなく、非常に合理的です。
何でもこのお店、新宿高島屋にも入っているそうですが、蔡さんが言うには
「やっぱりここのとは全然違う」
ということです。
因みに、周りの団体は全て日本人で、店員は全員見事に日本語がしゃべれました。
学生のバイトのようでしたが、中国本土の態度の悪いウェイトレスと違い、皆、
健気なくらい一生懸命働いていて、愛想も良く、そして可愛い子が多かったです。
 

あまり美味しそうに見えませんが、点心は見かけではありません。
どれも適度に薄味が人気の秘密かと。
この後蔡さんと別れて街を散策しました。

中国茶道?(飲むだけだと思うけど)をやっている姉に
「東方美人」というお茶をお土産にする約束をしたのでお茶屋を探して街に出たのですが、
探すも何も、その辺一帯お茶屋さんばっかり。

「有機栽培」を売り物にしているらしいこの小さなお店で、はちみつ紅茶とほうじ茶、
二軒目の大きな店で「東方美人」をゲットしました。
この東方美人ですが、ウンカという虫にわざわざ葉っぱをかじらせるんですって。

昔、ウンカにかじられてしまい、もう廃棄するつもりの茶葉を試しに飲んだところ、
「なにこれ、うめー!」「ウンカのかじったお茶の方がうめー!」
ということになり、それからというもの、計画的にかじらせて甘くしているのだそうです。
でも、よく考えたら、いやよく考えなくても、これ、
「虫の唾液がお茶を甘くしている」って理屈よねえ・・・・。

でも確かに、甘いんですよ。
お茶というより、紅茶のような、そして紅茶より渋みのないまろやかさ。
やはり貴重なものなので、150グラムが日本円で2200円しました。
お土産用と我が家用に二つ購入。
お茶やさんも日本語が普通にしゃべれました。
 

街角。ここ、広尾の交差点そっくりじゃないですか?
(左後ろが広尾病院、前方広尾駅)


広い道路の中央にこんな分離帯。
 

勿論こんな魔窟の入り口みたいな一角もまだまだたくさんあります。
右は小さな商店街ですが、大阪や京都にこんなところありそうですね。
 

映画のタイトルが漢字。当たり前ですが。
左はカウボーイ&エイリアン。ホリブル・ボスのポスターは「肉食欲女」がツボでした。
 

ミッション・インポッシブル(不可能的任務)とシャーロックホームズ。
因みに、トム・クルーズは湯(女偏に母)克魯斯福爾摩斯がホームズ、そして
上の小さい字の小労勃道尼ですが、労勃が小ロバート、道尼がダウニー

小ロバート・ダウニー=ロバート・ダウニー・ジュニア。

ウェスティン館内には地下に超ゴージャスな映画館があり、
広々としたソファーでウェイトレスの運ぶ飲食物を楽しみながら映画を鑑賞できます。


 

東京風菜。東京風の美容整形外科?
と思ったら、東京風菜の方は和食、整形外科とは別でした。
こちらでも仕事をしてるエクステリア関係の方の話によると、こちらのお金持ちは
「何から何まで日本製、日本から取り寄せた材料を使って作ったもの」にこだわるそうで、
ある意味ヨーロッパ製のものより日本製を使うことがステイタスなんだそうです。
街にも日本語が溢れていますし、皆日本語喋れますし、勿論みな日本人には好意的。
思っているよりずっと、台湾の人は日本好きのようです。

 

コンビニなどは全く日本と同じ。
DHCの化粧品やハイチュウなんかの日本のお菓子もあります。
この日、セブンイレブンに入ってみたら、ここにもありました。コンビニおでん。
この煮タマゴが、少し日本とは違う匂いを放っておりました。

 

ホテルの隣にスターバックスがあったので、入ってみました。
看板の感じも、世界共通ですね。
さすがお茶の国。スターバックスで飲める中国茶。

なんとこれ、「東方美人」なんですよ。
このスターバックス、期待したのですがwi-fiは使えませんでした。
ホテルもwi-fiではなくケーブル式で、一度に一人しかインターネットが使えません。
そこで、ホテルのクラブラウンジへ。


ここなら親子家族全員けんかすることなく?パソコンが使えます。

この日、TOがお茶を買うのに現金を使い果たし、ホテルの部屋に取りに行かないと
タクシー代が払えない!という状態になってしまったのですが、
運転手さんは嫌な顔一つせずホテル前で待ってくれ、
わたしが「トエブチー(ごめんねー)」を連発して謝るとにこにこして「いいですよー」。
運転手さんはほとんど英語も日本語もダメな人が多いのですが、わからないと
「書いてください」
ウェスティンはなぜか六福飯店と称するのですが、書けば一発で通じる漢字の国のよしみ。

でも、わたしたちが映画のポスターを観て大笑いするように、中国人が日本に来て、
日本での漢字の使われ方に大笑いすることって、多分いっぱいあるんだろうなあ。


続きます。