怒涛の台湾シリーズ、第二日目です。
台湾棒球教会の会長である蔡さんを紹介してくれたのは、いわゆる名士と呼ばれる方で、
日本国内はもちろん、台湾での美味しいものにも精通されています。
その方の紹介で訪れたのが、ここ
台南担仔麺。(タイナン タンツーミェン)
何でも台湾で一番美味しいと評判の海鮮料理の店だとのこと。
こういうアーケードの中にあるということで探しながら歩いて行ったのですが、
まるで大阪の東通り商店街(だったかな)みたいでしょ?
そしてなぜか「銀座」という名前のマッサージ店が。
賭けてもいいけど、この経営者は日本とは何の関係も無いと思われます。
アメリカの鮨屋でも「銀座」「東京」「大阪」なんてつけるのはまず間違いなく、中国人か韓国人。
この看板のハングル占有率から推察するに、オーナーは、
台湾での日本人気にあやかろうとした韓国人と見た。
さて、お店に到着。いきなり、水槽の前に連れて行かれました。
日本語の達者なおじさんが水槽の「トゥデイズ・キャッチ」の中からお客の注文を受けてくれます。
しかし、日本人にはこの方法、あまりウケないのでは、とちらっと思いました。
我々日本人、生きてもぞもぞしているものを見ていきなり
「美味そう~」と唾液腺に直結させてよだれを垂らすほど直線的な食物観は持っておらんのよ。
シャコがうじゃうじゃしている水槽なんて、TOも息子も気味悪そうにうち眺めるばかり。
わたしは昔香港で水槽のシャコを「これ」と選んで蒸してもらい、屋台で食べたことがあるので、
「トコブシと、サワラと、ロブスター」という具合にさっさと選びました。
一応主婦もやっていたりするので。
しかし、それらを選んだあと、先ほどのアーケードの道向かいの客席に案内されると、それがゴーヂャスなヨーロピアン調のインテリア。
天井にはシャンデリア、家具はイタリア製。
ここ、場所はいまいちですが、地元の人たちには「高い」ことでも有名なんだそう。
まわりは見るからに裕福そうな台湾人の家族か、日本人のテーブルだけでした。
そしてもう一つのテーブルは、大阪のおっちゃん二人と、片言日本語の台湾ギャル二人。
「新地、いやミナミで語学留学ついでにお水バイトしていた女の子が、正月休み、
ゴルフに行くと言って家族をまいてきた自営業の自称ちょい悪おやじに、
台北を案内するということでこちらで逢い、高価なお食事をタカっているの図」
と見ました。
適当なこと言うんじゃない、と思います?
実はわたしのこの観察、異常にあたるので有名なのです。
多分これも90パーセント当たってると思う。
さてそこでいただいた、掛け値なしに美味しかった海鮮料理の数々。カラスミ。
軽く味付けして炙ってあります。
カラスミなんて今まで美味しいと思ったことはありませんでしたが、
この薄切りの大根とネギにはさんで食べる香ばしいカラスミは本当に絶品でした。トコブシ。
バターなどでいただくことが多いかと思いますが、何味と言っていいのでしょう、
醤油でもない、薄味のソースが、素材の淡白さを補って見事に調和しています。ボラの白子。
巨大な白子を、軽く炒めて、あんかけ風のソースを絡めてあります。サワラ。
これも下味を付けてソテーしてあるだけ。
日本だと、さらにソースをからめてしまうんでしょうが。
ライムの横にあるのは生姜の「ガリ」で、日本のと全く違う「甘いガリ」でした。ロブスターのグラタン。
マヨネーズのような黄身ソースでグラタンにしてありました。
息子は特に頼んでマグロの刺身を注文し、これが一切れ400ドル(1200円)。
「なんかマグロ高くない?」
と首をかしげていたのですが、そのマグロ代のおかげでお勘定は8000台湾ドルに。
とはいえ、これだけ絶品の素材をふんだんに使ってこの値段は、決して高くはないと思います。
因みにウェイトレスさんは日本の方でした。
さて、このレストランに行く途中、その東通り商店街のようなアーケードをあるいていると、
お洒落な悩殺下着のお店を見つけました。
もの凄く迫力のあるおばちゃんが椅子に座って、後ろに不釣り合いなスケスケランジェリーが
所狭しと吊ってあるのですが、その看板を行きにちらっと見て、わたしが
「看板に『性感唾衣』って書いてあったような気がする!なんでツバなんだろう」
TO「生唾飲み込むくらいセクシー、ってことでわ?」
「おばちゃんが怖いから、あまりちゃんと見られなかったのよ。帰りこっそり写真撮ろうっと」
というわけで、だいぶ遠くからズームして看板を写真に撮りました。それがこれ。
「唾じゃないじゃん!睡眠の睡、つまりネグリジェってことなんじゃないの」
「そうか・・・変だと思った」
こんな話の後で何ですが、昨日も言ったように、
先の地震、台湾は世界一たくさんの義捐金を寄付してくれました。
セブンイレブンの店頭募金だけの累計ですが、その額3億ドル。
2位のアメリカ+カナダが6千5百ドルくらいですから、
いかにたくさんのお金を台湾の人々が日本のために出してくれたかがわかろうというものです。
こちらに来てわかったのですが、台北におけるもっとも主流のコンビニは、セブンイレブン。
セブンイレブンそのものの数が多い、ということも、この結果につながったとも言えますが、
それにしても、桁違いです。
テレビのチャリティーでも、またたく間に二十一億円が集まったといいます。
そして、中国や韓国にばかり配慮し、特に中国の顔色をうかがう政府が
ちゃんとお礼をしないことに業を煮やした民間の団体が、台湾の新聞に
「日本の国民は台湾の支援を心から嬉しく思っています」という広告を出しました。
ここでお馬鹿ニュースです。
先日、台湾で覚せい剤所持していて捕まった日本の暴力団関係者。
捕り物のときは包丁を振り回して暴れたくせに、一旦つかまったらいきなりおとなしくなり、
警察で犯した罪を後悔するとともに、「台湾の被災支援に感謝している」と話している、
ということです。
その前に犯罪をするなって話ですが、これ、わざわざ取り調べた台湾警察が発表したんですよね。
台湾の人には「日本人はヤクザですら感謝してくれてる!」と、話題になったのかも。
そして、昨日。
台湾の中華テレビとYahoo台湾が、ネット上で今年の「十大幸福事件」を募集したところ、
1位に選ばれたのが・・・・
「日本の震災に台湾人皆が募金して感謝されたこと」
だったというのです。
なにこれ、台湾の人、かわいい・・・。
今、こちらでホテルのエグゼクティブラウンジのお姉さんや、タクシーの運転手さん、
お店の人たちと毎日のように触れあっておりますが、皆さん実に感じがいい。
冒頭写真は、海鮮料理の店で予約してあったテーブルに飾ってあった日台の国旗。
こういう心配りが、旅先ではとても嬉しいものです。
日台友好ばんざーい。