お祝いの時の紅白と通夜や告別式の時の黒白は日本人にとっては当たり前の配色で、それらの行事の時には紅白や黒白の幕を張ります。
この紅白と黒白の2色は祝い事と弔事を表す日本独特のしきたりですが、何故、祝い事は「紅白」で弔事は「白黒」なのかでしょうか?
今日はその由来を調べてみました。
「由来」
わが国では白は清浄な神の世界の色として最高の格付とされており、そのため、白色は祝い事にも弔事にも相応しいとされています。
そこで、お祝い事と弔事を区別する意味で他の色と組み合わせをしなければならなくなりました。
そして、祝い事は「赤」が、弔事は「黒」が取り入れられたのです。
・祝い事の赤色
でも何故祝い事は赤なのでしょうか?
これは中国の陰陽説が深くかかわっているそうです。
中国では赤は陽とされ、婚礼や誕生祝などのことを「ホンジー(紅事)」と言います。
日本においても赤は陽で「吉」とされて、めでたい色として扱われてきたのです。
・弔事の黒
一方弔事の黒は欧米に倣って取り入れられたようです。
我が国における喪の色は、古くは薄墨色だったのですが、それが黒に変わったのは文明開化の風潮により洋服が流行し始めてからだそうです。
黒は欧米に代表されるキリスト教圏内では、暗黒の煉獄(れんごく:カトリック教で天国と地獄の間)を象徴することから喪の色となり、文明開化後の日本でも弔事に取り入れられるようになりました。
これらを白と組み合わせることによって、日本独自の「紅白」と「黒白」のしきたりができました。
・紅白幕です(ネットより)
「紅白幕」
紅白幕は、結婚式や祭りなど祝い事で使用される紅白の2色で構成される幕です。
近年ではあらゆるイベントに使用されて会場を盛り上げており、めでたい、お祝い、縁起がよい、といった意味でも使用されています。
・黒白幕(鯨幕)です(ネットより)
「黒白幕(鯨幕)」
黒白幕は鯨幕(くじらまく)とも言われ、一般的に通夜や葬式など弔い事で使用される黒と白の幕です。
黒白幕を鯨幕と言うのは、鯨の体が黒と白の2色であることに由来しています。
鯨は背の部分は黒く、お腹の部分が白であることや、さらに皮をはぐと黒い皮の裏側に白い脂肪がついていることから、鯨の連想からこの白黒の幕を鯨幕というようになったということです。